アルバム

私には3人の息子がいる。
それぞれ大きくなった。
37歳、33歳、31歳。
上の二人はすでに結婚した。
昨年4月に次男が娘を、今年1月長男が男児を設けた。
名実ともに私も爺になった。
余り実感はなかった。仕事が忙しいのだ。
時折孫たちを連れて息子夫婦がやってくる。
長男の息子(孫)はまだ3ヶ月。床でもがいているだけの存在だ。
歩くようになり、言葉を話すようになれば、もっともっとかわいくなるのだろうが。
次男の娘(孫娘)は1歳になった。
歩く。
笑う。
メチャ可愛い!
どういうわけか、家内より私になついている。いや、まだ「なつく」という表現は出来ないが、少なくとも抱き上げて孫娘は泣くことがない。
現時点では孫娘の方が可愛い。私に女兄弟が泣く、生まれた子供が全て男だというのが影響しているのだろうと思う。
 

長男が生まれたとき、当時の父から貰った飾り兜と幟(のぼり)と鍾馗様を描いた掛け軸がある。部屋の奥にしまってあった。どこに置いたのやら・・・・。
もうじき端午の節句。孫の初めての節句だ。孫のために持って行ってやらねば!
その兜を捜した。見つけた。同時に長男のアルバムが出てきた。
鹿児島で生んだとき。
妻の実家、山形に連れて帰ったとき。
爺婆に抱かれているとき。
まだ突っ張っていた顔をしている私の腕の中。
初々しさの残る妻の乳房を加えているとき。
保育園の門をくぐったとき。
幼稚園の門をくぐったとき。
長男を中心とした思い出がいっぺんに蘇ってくる。
長かった道のりを、ここまで歩いてきた道のりを振り返って
「よう頑張ったなぁ」
 

涙が頬を伝う。
(えっ?)
涙の意味がわからない・・・
でも止まることなく涙が流れ出てくる。
孫のために出した兜と一緒に、長男のアルバムも一緒に持ていくつもりなのだが。
そのアルバムと一緒に、私と、妻と、長男と、その思い出が失くなる・・・・。
そんな思いが、涙を止められないのだ。
孫が出来た、家族が増えた、可愛い孫・・・
喜んでいいはずなのに。
すぐそばにいた妻も涙を隠せなくなっている。
間違いなく、ここに世代交代を感じる。
一晩寝れば、忘れる涙なのだろうが・・。

妻と二人だけの生活がもうじき待っている。
さあ、ラブラブな新婚当時に戻るぞ!
えっ?そう思っているの俺だけ!

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