コロナと金銭感覚

コロナ関係の助成金や協力金(返さなくて良いお金)、いったいいくら貰ったろう。かなりの額を貰った。
もはや返済できるはずもないくらい、この一年で借金も倍増した。
借金と助成金、売上と相殺しても大赤字が続いているのだが、おかげでお店はなんとか維持できている。

仕事をしてなくても、入るお金。
仕事をしちゃ駄目で、入るお金。
それも数十万円から数百万円まで。
給付金、助成金、協力金、補助金、とバリエーションも豊かだ。
申請のコツを覚えれば、ほぼ一人で申請準備もできる。

私の本来の仕事は、お客様に食事を提供、あるいは歓談する場所を提供して、その見返りを金銭としていただく。
それが、仕事なくして料金を入手する。
本来であれば数百円から数千円の代金を、多数のお客様からいただいて成り立つ。私たち飲食業の生計が成り立つ。
何もしないで、数十万円から数百万円。
金銭感覚が狂う。

お客様の喜ぶ顔を見るために努力を重ねる。
努力をしないで得るお金・・・・・。

魚を仕入れる。大きな黒鯛だ。
値段は980円。
このスーパーでこの値段、魚市場での取引はおそらく300~500円程度。
漁師が冬の寒い海に出て、冷たい波しぶきを浴びながら獲ってきた魚を、この安さ。安くても買われない。
努力が報われない。努力が評価されない。
かたや何もしない事への見返りが数百万円。

ヤキソバに例える。消費税を入れて990円。一日170個。それを25日売り続けて
はじめてみんなの給料が支払える勘定だ。

金銭感覚をおかしくなる。
コロナが収まった頃、この金銭感覚、元に戻るのだろうか?
コロナは、人の感覚もおかしくさせる。