2023年 2月 の投稿一覧

厨房勤務

昨年12月21日より私が厨房に立っている。
あっという間にもうすぐ2ヶ月だ。
一ヶ月目で、ようやく冷蔵庫、冷凍庫の配置が把握できるようになった。.
だが、すぐ忘れる。配置は覚えていても数や値段までは頭に入ってこない。これは年齢のせいだ。

前職のお店で厨房に立っていた頃、その当時の調理長から、メニュー(一品料理に入れる食材の種類や数は三日で覚えろ、(冷蔵庫内の)食材の配置は一週間で把握しろ、と教えられた。その通りに覚えた。
当時の私の頭の回転は速かった。覚える自信もあった。

あれから幾星霜。
駿馬(?)も駄馬になった。
様々な意味で私の”キャパ”が小さくなった。

日々の業務をやりながら、懸命に覚えようとはした。が、途中で諦める。
そして自分のキャパにあった仕事の仕方に変更。が、その自分のキャパの大きさがわからない。
冷蔵庫や冷凍庫と、レンジやまな板の間を行ったり来たりする。

(仕事の出来た)若い頃は、一回の行き来で、人参、玉葱、キャベツを持ってきたが、今、ほぼ三回往復する。実に効率が悪い。人参は覚えていても、歩いている最中に玉葱、キャベツは忘れる。
冷蔵庫の扉に手をかけながら
(あれ?、人参と・・・何だっけ?、何を持ってこようとしてたっけ?)

仕事は絶対的に遅くなった。というか、一人でこなすにはこの厨房は大きすぎるのだ。それでも、今の店を維持するには、一人で踏ん張るしかない。
調理補助はいても、中華の従事者はいない。和食と洋食の調理人が交代で調理補助してくれる。

シャキシャキしているホール責任者の女性と話す。
「メニューを減らそう。メニューも少数精鋭にしよう。」
かくしてメニューを絞っていく。
が、減らそうとしたメニューの好きなお客様の顔を思い浮かべると、減らそうとしたメニューがなかなか減らない。

小さな小さな中華料理店なのだが、有限会社という法人組織なのだが、ここにも高齢化がせまってくる。

意図せずに体重が減る。体調は悪くない。病気らしき症状はない。だが、体重はあと5キロほどで20代の頃に近づいてきた。
厨房内での、立ったり、しゃがみ込んだり、の連続で足腰に予想以上の負担がかかったいるものと思える。が、体調は悪くない。
ズボンの腹回りにすき間が出来てきた。
素直に喜ぼうかね。ダイエット成功と。

12月で調理長に辞めて貰ったが、あのまま雇用を続けていたら、おそらく2月、3月で覚悟を決めなきゃいけなかったかも。
コロナ直前の後楽園店撤退時もそうだったが、何かを決める時には、割合好結果がついてきていた。
もしかして、まだ、運が残ってる・・・?

(お店が)ダメになる時はダメになるし、助かる時は助かるし、最善を尽くして、結果を待とう。
幸運だけでここまで生き延びてきた。
幸運を信じよう。









いずれ朽ちる身なりて

10年一度の寒気は過ぎたが、足先の冷えを一段と感じている。
厨房でコンクリート床の冷たさが靴を通してジンジンと伝わってくる。
もしかして今年はじめて感じたのかもしれない。
糖尿で末梢血管まで血流が届かずのジンジンなのか。
寒気ゆえのジンジンなのか。
靴の出来が良くなくてのジンジンなのか。
靴下が薄いジンジンなのか。
ま、結論は老化のジンジンとしておこう。
若き頃はともかく数年前の自分には感じなかった痛みがところを変え、時を変えて出てくる。

諸処の健康紙などを見る(ほとんど読んだことがない、表題を見るだけなのだが。)と冷えや各部位の痛みなどの特集が組まれている。対象はほとんどが高齢者か女性だ。これは逆に高齢者や女性が身体に気遣い、だからこういう記事に目が行くのだろうと推察する。
私はこういうことに鈍感だ。鈍感だった。健康が当たり前だったから。
その私が身体のところどころの変調を感じ始めている。

病気というふうではない。普通に身体を動かせるし、順調(?)に仕事をしている。
今まで感じなかった身体の変調だ。そしてその変調は数時間という単位から、時として数日のいう単位に変わる。
多少の痛みやだるさ(疲れ)を伴うのだが、その”変調”そのものは面白いな、と感じている。

今年10月70歳を迎える。
”70”という数字を声に出してみる。
自分のこととは思えなく、周りを見てみるが、やはり私しかいない。
あらためて、70歳を、70歳の自分を見つめてみる。
間違いなく老人の域になっている。

あらためて身体のジンジンを見つめ直すと、宜(むべ)なるかな。
ジンジンが残り時間を教えてくれているようだ。