同窓会

郷里鹿児島の高校の同窓会を毎年11月に開催していた。
高校全体の同窓会ではなく、私たち年代の、同じ窓から同じ景色を同時に見ていた、まさに同窓会だ。

何年前だったか、初回の開催日が11月11日だったために「1111会」と称するようになった。
場所は常にこの歓ファンだ。場所が固定できていただけでも同窓会をやりやすかったのだろうと思う。
幹事は途中から交代制になり、幹事になったメンバーに私からお節を贈った。
本来ならお店の利益に通じる幹事は私が引き受けてもおかしくない。それを他の同級生に幹事を押しつけたことに対しての感謝だった。
けっして安くないお節だったのだが、でもそれがいつしか私の励みにもなった。

その同窓会がコロナ禍で2回中止になった。
ま、しょうがないな、と諦めていたのだが、三回目の今年も
「中止になるかも。」
と幹事の一人から電話があった。コロナの再拡大の影響だ。
私の口からついつい本音が漏れた。
「やろうよ。でないと来年ここで開催できるかどうか、お店があるかどうかわかんないよ。」
同窓会や商店会など私が関係していて、多少なりとも利益が出るお店の利用は「私のお店を使って。」とは私は言えない。 そこのところは常に控えめだった。

同窓会が中止と決まったわけではないのだが、今回はやって欲しいと切実に思う。
いつしか私のモチベーションになり、
(よし、同窓会があるまでは踏んばるぞ!)
と気持ちを強くしていた。
年齢的、体力的、資金的にけっこう追い込まれて始めている今年は、その頑張るモチベーションがいつもより欲しい。

現状は、それほどギリギリで踏ん張っているのだ。経営者としての私の気持ちに、強気と弱気が交互に襲ってくる。

もうちょっとだけ頑張ってみようか・・・。
そういう気持ちにさせてくれる同窓会、なんとかならないものかねぇ。