歓[fun]に夜遅く一人でやってくる年配の女性がいらっしゃる。
お酒は召し上がらないのだが、少量のつまみを召し上がりながら、カウンター越しにいろいろと話しに来られる。
この方、伊勢丹のお酒売り場で勤務されている。伊勢丹の歴史とまでは言わないが、かなり長期に仕事をされている。ある意味、主だ。
いろいろな情報を提供して貰える。やはり伊勢丹、それも地下一階の食品売り場の話題が多い。
10月始まって間もなくのこと。
「あんたー、初日の伊勢丹のお節いくら売ったと思う?」
「去年は1500万円だったの」
えっ!
これだけでも衝撃だった。
「今年はね、2900万円よ。ほとんど去年の倍よ!」
えっ!
歓[fun]のお節は、今年の準備は早かった。例年11月末にやっと案内を出せる段取りだった。
今年は10月半ばに、昨年配送した方を中心にご案内申し上げた。
2900万円・・・・何個売ったら、こういう売上になるんだ?
お節の単価の幅は?
単価平均は?
歓[fun]のお節は毎年70個ほど。
売上金額にして200万円。
年末年始ほぼ一週間お店の休みになる。
一週間の休みがあっても固定費(人件費と家賃)は変わらない。
それだけ分は稼がなくてはならない。
ここ数年は低迷して120~150万円ほど。
さあ、今年こそ挽回するぞ!
と張り切って準備を始め、それが終わったタイミングで聞かされた情報。
伊勢丹とは比べくもないが、思わずため息が出てきた。