2024年 8月 の投稿一覧

老鶏(ラオチィ)

身体が硬い。曲がらない。

垂直立ちで身体を曲げて、手先は床に余裕で着いた。
身体は柔らかい方だったと思う。
最近身体のあちこちでギシギシときしむ感がする。同時になんだか疲れ感が募るのだ。腰や腕、脚などを動かして軋みを緩くしようと試みる。

垂直立ちで手を床に伸ばしても、膝先までしか手が伸びない。
(えっ、こんなはずじゃないけど・・・・。)
めちゃくちゃ身体が硬いじゃないか。
脚を広げても、手先は床に着かない。
きゃー、どうしよう!
何度も何度も勢いをつけて身体を曲げ、ようやく手先が床に届く。
身体は人より柔らかだったはずなのだ。いつの間にこんな堅さに・・・。

最近歩いていても、起伏のないところでも躓く時がある。若ぶって階段を手すりなしで上り下りするが、この身体の硬さはコケる可能性が高いだろうし、受け身もとれない・・・。きっと骨折・・・・。あり得る。

妻に
「おい、朝、いっしょにラジオ体操でもやろうか。」
持ちかけるが、
「一人でやって。」
と一蹴される。

お店では週2回、大きな寸胴でスープを取る。大きな寸胴のため一回取れば量的に三日は保つ。スープを作る時は、形状から「もみじ」と呼ばれる鳥足と老鶏(ラオチィ)を使う。
老鶏 は日本では廃鶏(はいけい)と言われる。玉子を産めなくなった老いた鶏のことで、堅すぎて食肉としても適さない。が、良いダシは取れる。大抵の中華屋さんやラーメン屋はこの老鶏を使っているはずだ。

70歳を回り、身体が硬くなり
ああ、おれも老鶏に近づいてきたんだな・・・
良いダシ出るかな、オレ?

夏の終わり

8月も最終週になってきた。

身体が丈夫だった時(若かった時)は、混雑を避けられるお盆過ぎに休みを作り、登山やサイクリングの計画を練っていたが、前立腺ガン手術後は体幹を使う遊びをしなくなった。
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億劫になったのもある。従業員が少なくなり私にかかる仕事が増えてきたのも理由だ。何かをしようとするエネルギーが少なくなったのもある。
明確な理由はないし、自分でも不思議に思うことがある。
良く言えば丸くなったのだろうが、エネルギーが湧き上がってこない・・・。
枯渇・・とまではいかないが。これが老いてきたことかな、とも思う。
それでも暑さが一段落する夏の終わりは何かをしたくなる。

山を縦走するには、そこまでの時間は作れそうもない。
思いついたらすぐに出発できる自転車も今はない。
あったとしても、100km以上走破する筋力は細った脚に残っていそうもない。
結局諦めるしかないのか・・な。






蒸し鶏

今週のAランチは棒棒鶏(バンバンチィ)だった。
この棒棒鶏に使う蒸し鶏、正確に言うと煮鶏(白鶏バイチィ)は、渋谷獅子林に居たときに教わった料理だった。
海水程度の塩加減(かなり塩っぱい)で15分煮込み。火を止め、そのままの余熱状態で20分置き、取り出す。別途スープでつけ置き用のスープ(これは普通の塩加減)に浸して終わり。
後は宴会なり、棒棒鶏などアラカルトのオーダーが来たら、仕込んだ鶏を出し、その都度それに合わせた調理をしていく。
鶏は、当時は羽をむしった丸のままを白鶏にしていた。
当時の調理長は張富財という香港から来た中国人だった。その張さん、仕上がった白鶏の尾下の肉(焼き鳥でいうボンジリ)だけを切り取りつまみ食いしていた。渋谷の獅子林は、結婚式をあげられるような大きなレストランだった。したがって白鶏も毎日5羽程度は仕込んでいた。その白鶏のボンジリだけが毎日なくなっていた。
まだ下っ端だった私、
(これはきっと美味しいんだろうな・・・)
調理長が休みの日にはオレが絶対食べてやる!と密かにねらっていた覚えがある。
私が20代前半だったころ、ほぼ50年前の話しだ。

白鶏の作り方は幾通りかあるのだが、今週はこの白鶏での棒棒鶏だった。棒棒鶏の胡麻ダレも粉チーズを加え濃厚な味に仕立てた。付け合わせは大根と胡瓜の千切り。
完食になった皿が下がってくると、ボンジリを探しにくる張さんが嬉しそうにそばに居るような、そんな気配が漂う。


お盆・夏・台風・

8月16日
金曜日だが、表題の行事(?)が重なる。
営業してもしなくても売上的に厳しい日程が毎年続く8月。
10~12日が土日月と続く曜日だったために歓の夏休みはこの日に決めた。
お盆だが、まだ平日の13~15日の方がお客様が来やすいだろうという読みだったが、状況はあまり変化がなかった。10日から18日までの連続での夏休みにしても大丈夫だったかも・・・。
自分で出した決断なのに、お店のヒマさが憂鬱にさせる。
折からの雨も手伝い、気分は重い・・・。

この文章をパソコンを打つこんでいる私の脇に置いてあった電話が鳴った。
(どこの営業だ?お盆くらい休めよ・・)
と、心で毒づきながら受話器を取る。
「今からランチ14名なんですけど、空いてますか?」
「空いてますよ。ガラガラですよ。」
とたんに心は、外の雨とは打って変わって晴れ模様。

小さな事で一喜一憂する自分に我ながらあきれてくる。



鷹揚さ

男の汗臭さがイヤだと、ネットで流し、それが原因でフリーアナウンサーを契約解除されたという女性のニュース。
男の立場からだって男の体臭イヤだ!
この女性アナウンサーの言ってること同意します。正しいです。

言葉にする、ネット上(公)で発言というところで非難囂々。
そして契約解除。
どう考えてもやり過ぎ。
契約してた”事務所”って、普通に考えて会社であり、フリーアナウンサーはその社員的な立場でしょう。本来なら会社が社員を守らなきゃいけないのに”契約解除”。

非難囂々した人たちって、どうせ匿名でしょう。
こういう人たちって利口ぶって小っさな正義感を言ってるだけなんだから、ほっとけばいいのに。こういう人たちの小っさな言葉に過剰(大きな)反応。
きっと小っさな会社なんだろうね。

マスコミもこんな小っさな事をいちいち取り上げる。
そんなにニュースないのかね。
あなたたちが世の中を小っさくしてるよ。

なんか世知辛いね。
いつからこんなに鷹揚さがなくなったのかね。
電車(その頃は汽車)の中でタバコぷかぷか吸ってた時代だってあったのに。

牙も爪もない生身の人間は、ホントは弱くって、お互いを守らなければ生きていけないのに。
もっと優しくなれよ。
と思う今日この頃。
年を取ってくると、ホント自分の弱さがつくづくわかってきてるもんだからね。