午前十時頃。
窓の外からピーピッピッと笛の音が聞こえてきた。
(えっ!この笛のリズムは、もしかしたら祭りの・・・?)
昨日入院したのだが、たった一日で曜日の感覚がなくなっている。
確か今日は日曜日だ。
祭り!あり得る!
祭り好きの血がとたんに騒ぐ。
当たり前だ。こんなに元気なのに寝てなきゃならないなんて!
腕から伸びる「点滴の管」が憎らしい!
看護婦が来て、のんびりとした口調で
「お祭りのようですね。」
言下に
「違う!この時間帯だから子供神輿です。」
「大人の、本物は午後から出ます。」
入院する病院の近所には、神酒所を二カ所ほど確認していた。
お祭りが今日だとは知らなかったが、日曜日とあればそれも納得。
わー、行きたい、担ぎたーい・・・・
ソワソワする私を冷ややかな目の看護婦さん。
病院の方たちはどなたか参加しないんですか?
ますます冷ややかな目で私を見る。
「ほら」と点滴の下げている