感染拡大予防ガイドライン

「新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」なる案内が飲食組合から届く。細かく予防方法が書かれてある。
読んでいて、ため息が出てくる。
チェック項目をいくつかご紹介する。
◆店舗入り口や手洗い場所には消毒液を用意している。
この程度はやっている。
◆店内が込み合う場合には入店をお断りしている。
これもやっている。もう少し入りそうだなと思っていても、4人席に2名だったりする。入り口近くで待機してもらうこともあるが、時期柄ドアは開けっ放し。表の熱気と道路側に設置してあるエアコンの熱気が、空いているドアから入ってくる。そこでお待ちしているお客様、汗をぬぐいつつ待つ。
◆お客様が入れ替わるたびにテーブルやカウンターを消毒している。
これも従業員がこまめに拭いている。

他にも多岐にわたってチェック項目が並ぶ。アクリル板こそ設置してないが、そこそこ合格範囲だと思う。
しかし、各項目にチェックを入れるたび、気持ちの中に空しいものがこみあげてくる。まるでお客様(従業員)がバイ菌扱いだ。
近くによるな、触るな、接触したら消毒だ。
これじゃお客様は来ないし、集められない。

先日7名様の予約があった。
歓ファンの円卓は通常8個の椅子が並べてある。多い時には10名様座っていただく席だ。
しかし、この日。
予約のお客様が店内に入り、円卓を確認されてすぐ、
「あー、まずい、まずい。」
「今、5人以上、同じ席に座るとまずいんだ。」
「別な席を作ってください。そこに4人、3人で分けて座るから・・・」
このコロナの時期でテーブルは空いている。まったく差し支えない。
でも・・・・・。
8席の円卓、6人掛けの角テーブルにそれぞれ4名、3名でセッティングする。
でも・・・・・。

大4人升席に1人で座らせる大相撲を思い出した。
(これじゃ、商売にならない。儲けられない。損するかもしれない。)
損かもしれないと感じつつ、商売を続ける意味を、ソーシャルディスタンス席にお客様をご案内しながら、ついつい考えてしまった。

心の中の、歯を食いしばって、燃え続けさせている火が、また一つ消えたような気がする。