「みてね」というアプリがある。
長男次男がこのアプリを使って孫たちの画像や動画を送ってくる。
長男に男孫1人、次男に女孫2人。

それぞれの孫たちが画面いっぱいの笑顔をみせてくれる。
育つ環境はそれぞれ違うが、親に育まれていることをすごく感じる。

孫たちの笑顔。
あやすときに満面の笑顔を見せて、親は子をあやしているに違いない。
長男の孫は奇声をあげながら喜びを表す。
次男の孫は女らしさをすでに発揮しながら、クネッと身体をひねりながら笑う。
両方になんとも言えない可愛さがある。

親が言葉のわからない子をあやすときに、親がきっと満面の笑顔を見せながらあやす。それを見ながら子たちは笑顔を覚えていく。
良きにつけ悪しきにつけ子たちは親を見ながら育つ。
だからきっといつも怒ってばかりの親が育てた子供は怒る顔が得意になる。
笑い顔の上手な子は、きっと親だって笑い顔が素敵なんだと思う。
ある意味、子供たちは親のキャンバスだ。
親の顔が子供たちの顔に表れている。遺伝子のせいで似ているというだけでなく。

私が小さい頃、たぶん小学校の頃、友人との諍いの時に
「俺は気が短いんだぞ!」
「それがどうした!」
(えっ、「気が短い」というフレーズで、こいつはどうして怖がらないの?)
と驚愕した。

父から怒られたときに、何かの拍子に
「俺は気が短いんだぞ!」
と怒られた。その時の親父の顔が相まって、非常に怖かった覚えがあった。
そして「俺は気が短いんだぞ」というフレーズが相手を怖がらせる文句として私は覚えた。
信じた。

けんかの際に、この文句が全く脅し文句にならない。
引き下がると思った相手が逆に突っかかってきた。
唯一の武器が効き目がないと分かった時の、私の恐怖感!

今思い出すと笑い話しでしかないのだが、親父の怒った顔と殺し文句はそれだけ強烈だった。
だから私の怒った顔は威厳がない(?)。
怒っているというのは伝えられても、きっと怖くない。
良いんだか悪いんだか、わからないけど。