身体から疲れが抜けない。
歓ファンは2日~5日までの4日間休んだ。
非常事態宣言下どこにも出かけられない。
当初は妻と二人でひなびた温泉でも行くかと思っていたが、行った先に迷惑かかるかもと妻が言う。
自分の店がコロナ禍で追い詰められている立場で、東京はまだ協力金が出てくるから良いが、田舎のひなびた温泉などのピンチはそれを遙かに上回っているだろう、困ったときはお互い様・・・そんな気持ちだった。
ニュースで流れるUターンのハイウェイの混雑ぶりを見た妻が
「ねえ、やっぱり止めよう・・・」
時間がぽっかり空いた。
助成金や協力金など申請すべき書類はほぼ終え、商店会の決算報告も会員各自に発送配布した。やるべきことは当面ない。そのなかでのゴールデンウィーク。
まったく楽しくないゴールデンウィーク。他の人たちも大して変わらなかったろう。でも各行楽地の混雑ぶりがニュースで流れる。
(もう止まらないな、止められないな・・・)
これが率直な非常事態宣言下の自粛に対する感想だ。
その非常事態宣言期間が終わらぬ前に延長が決まった。
管さんにしても小池さんにしてももう少しやりようがなかったのかと思う。
落語の『まんじゅう怖い』そのままだ。
危ない、命を大切に、ホームステイを、と叫ぶほど人は表をで歩き回り、声を大にして唱い、身体をくっつけ合う。
もう命令や懇願は通用しない。
だのに、飲食店に対して時短、休業、禁酒令と無茶苦茶要求してくる。
正直「もう疲れた。」
リーダー(経営者)が口にしちゃいけない言葉なのだが、気持ちが切れる。
14年間勤め上げた調理長を顧問として再雇用する段取りをつけた。
彼も安定した仕事がなく、さりとて彼を以前の状態条件で雇用できる強さは今の店舗にない。
コロナで借り入れた融資返済が始まれば、経営はたちまち追い詰められるはずだ。
一店舗で返済できる額ではない。
他店舗展開をして収益の柱を増やす必要が必須だ。
「オンリーワン、オリジナル、というのがこれからの基本だ。」
「手作りにこだわるんでしょう?」
と聞かれるも
「いや違う。オリジナル商品を外注する体制まで持って行く。どの店舗でも同じ味同じ形というベースがあり、そのための商品作りと考えてくれ。」
「外注する製品だから、”販売”という選択肢が増える。あらたな収益の柱を構築する。」
「時間も資金もあまりない。コロナが終息してもお客様は簡単には戻ってこない。」
「生き残りをかける戦いだ。」
と締めくくった。