幾星霜

今日はめずらしく時間があまった。
緊急事態宣言は終わったが、コロナ禍の影響が続くなか、来客数の伸びは鈍い。
法人需要がまだない。
会社はコロナの再拡大にまだ用心しているようだ。
だから、昼夜を問わずお店は閑散とする日が多い。遅い時間(8時過ぎ)はまったくといって需要(来店)がない。

だから・・・といって私はヒマではない。
協力金、助成金、など申請する書類は多岐にわたる。それも似たような申請が重なるために、自分でもどの助成金か、いつの助成金か、いつまでの助成金か、わからなくなってしまう。
自分なりのワークスケジュール、タイムスケジュールが欠かせない。

それに商店会長としての仕事が加わる。
商店会上げての一大イベントである「医大通り音楽フェスティバル」開催間近であり、本日夜もイベントに向けてのミーティングがあり、その資料作成もある。
チラシポスティングの業者とのやりとりも昨日から数回にわたってあった。
たぶん日本一忙しい商店会長なのだ。

そういうことでお店に関する仕事のほとんどは相棒である女性スタッフに、接客を含めて任せているのだが、それでも私が相手をしなければならないお客様はいる。
いっしょにお酒を飲む場合も少なからずある。
お酒を飲んだ後、パソコンや通常業務はもうやりたくない。
内心、(あれもある、これもある・・・)と焦燥感はあるのだが、お酒のせいにして開き直る。

そんななか時間がぽっかりと空く。
数時間の時間なのだが、自分では
(えっ、何もしなくて良いの?)
と、とても貴重な宝石が見つかったくらいの嬉しさを感じるのだが、逆に、この時間をどう使えば良いのだろう、と戸惑いも感じる。

そのくらいこの年齢になると「時間」がとてもとても貴重に感じる。

11月21日(日)に音楽フェスティバルというイベントがあり、次の日曜日にも予約貸切宴会が入った。
調理長から二週間も休みがなくなる・・・と不満が上がった。
調理長、御年60歳。
いろいろないきさつがあったが、調理長の立場は「個人事業主」であり、社員にはできなかった。だが、働いた分だけ収入は増える。

調理長、まだ若いんだろうな。
調理長の気持ちの中では。
「休まなければ・・・・・」
という気持ちが優先しているのだろう。
だから11月23日勤労感謝の日は全休にした。

なくなったお金や物は後からでも手に入れることができるが、時間だけはどうにもならない。刻一刻失われる貴重な時間、そして残り少ない時間に対して、心から大切に使いたい、と思う。
高齢になったがゆえに感じる、時間という宝。
残り幾星霜・・・・・。