2021年 12月 の投稿一覧

私には二人の弟がいる。
一人は郷里の鹿児島に。一人は同じ都内に住んでいる。
三人それぞれに子供が三人ずつ出来、孫もできた。
その弟の一人が直腸ガンを患い、昨日手術だった。
結果をメールで尋ねた。
返事は自嘲気味に
「手術終わりました。渡哲也になりました…。」
とあった。
弟(幸雄)に返事を送った。以下。

❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤

おはよう。
少し落ち着いたか。

手術結果。
幸雄としては不本意な「生きながらえ」かと思う。
煩わしい障害が残り、気も滅入るかと思う。
程度の差はあれ、(前立腺ガンで)私も尿障害という身体を引きずる。
好きだった山登りもサイクリングもやりたいという気持ちが起こりにくい。

それでも幸雄の存在を必要な人たちがいる。
奥さん、息子や娘たち。そして私も。
いつかは別れが来ると分かっていても、まだ「いて欲しい」と率直に思う。
ここまでくると、自分でどう感じるかよりも、周りに活かされている自分の位置を確認した方がよりベターな選択枝だと思う。

めげるな。
生きながらえる喜びを見つけるべし。

お店の営業は昨日28日まで。
今日と明日、お節作りが始まる。
明日の夕方、宅配のヤマトにお節を託して、ようやく一年が終わる。
お節作りは、お店の毎年の風物になってきたが、「年が越せる」というのを実感する。
私にはお店があって良かったとつくづく思う。
68歳という歳になり、お店の終わりや終わり方を常に考える。

それでもギリギリまで「生きながらえる」方法を模索している。
私の存在が、私の元気な存在が必要な人たちがいる。
この人たちのために、もう少しだけ頑張ろうと思っている。

こんな「頑張り」をつまみにしてまた兄弟で呑もうかね。

クリアソン新宿

新宿にプロサッカーチームがある。
クリアソン新宿という。
J1、J2、J3、JFL、の下に位置する5部リーグになる。
5部リーグで優勝し、各地方の優勝チーム同士で優勝し、JFLの入れ替え戦出場の権利を得た。
12月18日。今日、その入れ替え戦があった。
相手は愛知の刈谷FC。
勝った!4-0だ。
圧勝と言ってもおかしくないくらいの勝ち方で入れ替え戦を制した。
来季から晴れてJFLだ。

クリアソン新宿。
落合にある総合運動場を借りて練習を重ねて来た。
不自由さにめげず、優勝、そしてJFlの昇格を勝ち取った。

素直な、魅力的なイケメンがクリアソン新宿に揃っている。
商店会活動にもいろいろな形で協力して貰っている。
子供たちが集まる商店会イベントにサッカー教室などを開いてくれる。
飽きもせず疲れもせず子供たちの相手をする。

このチーム、ホントに応援したくなる。
いつの日か、新国立競技場をホームグランドにしてJ1の舞台で走り回る姿を見てみたい。
優勝、おめでとう!

インボイス制度

今日は、夜のお客様は一組だけ。
冷たい風が一層冷たく感じる月曜日。
師走の三週目。
本来なら一番忙しい一週間なのに。

ファクスで「インボイス制度」についての説明会を開くと、法人会から誘いが来た。ファクスに「インボイス制度」の日本語訳が書いてある。
「適格請求書等保存方式」とある。
その枕詞に”消費税の仕入れ税制控除方式として”と書いてある。
これで理解できる人がいるのか、と思うと同時に、煙に巻くような言い回しは、「何が何でも税金を取るぞ!」
という国税局の決意は伝わってくる。

これでまたひとつ「搾取」されることに慣らされてきているのだろうな。

東京ヤッベー!

12月5日、日曜日。
普通にお休みだった。
妻が
「神保町ってどういうところ?」
たぶんテレビで神保町の、何か美味しいお店を紹介してたんだろう・・と察する。
「じゃあ、今日は神保町界隈を散歩するか。」
お昼を、久しぶりに新宿三丁目にある[王ろじ」のトン丼を食べるつもりだった。
お店の前まで行き、すると、なんと10数名の行列が。
時間はちょうどお昼頃。
二人で顔を合わせ、以心伝心で
(今日は別なところで食べよっか)
そんな流れで出てきたのが”神保町”だった。

新宿駅が近くだったこともあってJR新宿から総武線で水道橋まで行った。
水道橋駅下車で東京ドームとは反対方向へ歩く。
バイクや車で通り過ぎることは多々あるが、歩き回った記憶は少ない。
でもこの町が人の興味をそそることは十分に知っていた。
あちこちにある古本屋。
「古本屋って神田が多いんじゃないの?」
と妻が聞く。
「神保町も神田だ。神田神保町ともいう。」
日曜日でお休みしてるところも多々あるが、古本屋だけでなくあちこちにある飲食店も、いかにも老舗というたたずまいを見せている。
そして少なからず行列をなしているお店がけっこうあるのだ。
妻もそういうお店に興味津々。
「あぁ、ここ、テレビに出てた!」
(そりゃそうだろう、お前のニュースソースはそれしかないだろう!)
とは言わなかった。

神保町の、列をなしてなくて、それでいて美味しそうなお店で食事。
このお店、待ち時間こそなかったが、食事を取っている間にも一定の間隔でお客様が来る。
(うちのお店も、開けてれば、お客様来るかな・・・)
とついつい商売気が起きがちになる。

食事を終え、帰路は歩きと決めた。
神保町から、専大前、九段下、靖国神社、と靖国通りを歩き市ヶ谷まで。
そこで都営新宿線に乗る。
妻は小田急デパートか京王デパートに行きたいと言う。
「お、いいね。欲しがっていたお前のコートを買おう。」
数万円する高額商品は、妻は自分では買う決断がつかないのだ。

覚悟はしていたが、あちこち回って品定めをする。
女の買い物と、時間のかかることを半ば覚悟して回っていた。
が、女性店員と妻の間に割って入り
「あ、これ、いいよ。けっこう似合うよ。」
「ほら、お腹周りもすっきり見えるし・・・」
妻に対して、売りたい女性定員とタッグを組んで、数点のコートを奨める。
やっと決めてくれた。
デパートを出ると、すでに5時近くになって周りは薄暗くなり、ネオンが映えてきている。
靖国通り、歌舞伎町界隈に来た時、広い歩道の上に人だかり。
(ん、何かあったか?)

人だかりは路上に円陣を組む様に集まっていた。
その中心に一匹の大きなネズミが逃げ場を失って立ち往生していた。
そのネズミを
「東京ヤッベー!」
「新宿怖ーっ!」
若い娘が吠えている。

(お前、どこの田舎から来たんだ。お前の田舎だっているだろうし、鹿とかイノシシだっている様な田舎から出てきて、ほざいてんじゃないぞ!)