私には二人の弟がいる。
一人は郷里の鹿児島に。一人は同じ都内に住んでいる。
三人それぞれに子供が三人ずつ出来、孫もできた。
その弟の一人が直腸ガンを患い、昨日手術だった。
結果をメールで尋ねた。
返事は自嘲気味に
「手術終わりました。渡哲也になりました…。」
とあった。
弟(幸雄)に返事を送った。以下。
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おはよう。
少し落ち着いたか。
手術結果。
幸雄としては不本意な「生きながらえ」かと思う。
煩わしい障害が残り、気も滅入るかと思う。
程度の差はあれ、(前立腺ガンで)私も尿障害という身体を引きずる。
好きだった山登りもサイクリングもやりたいという気持ちが起こりにくい。
それでも幸雄の存在を必要な人たちがいる。
奥さん、息子や娘たち。そして私も。
いつかは別れが来ると分かっていても、まだ「いて欲しい」と率直に思う。
ここまでくると、自分でどう感じるかよりも、周りに活かされている自分の位置を確認した方がよりベターな選択枝だと思う。
めげるな。
生きながらえる喜びを見つけるべし。
お店の営業は昨日28日まで。
今日と明日、お節作りが始まる。
明日の夕方、宅配のヤマトにお節を託して、ようやく一年が終わる。
お節作りは、お店の毎年の風物になってきたが、「年が越せる」というのを実感する。
私にはお店があって良かったとつくづく思う。
68歳という歳になり、お店の終わりや終わり方を常に考える。
それでもギリギリまで「生きながらえる」方法を模索している。
私の存在が、私の元気な存在が必要な人たちがいる。
この人たちのために、もう少しだけ頑張ろうと思っている。
こんな「頑張り」をつまみにしてまた兄弟で呑もうかね。