オミクロンって何?
何語?
意味は?
ギリシア語のA B Cだそうだ。
アルファ、ベータ、ガンマー、デルタ・・・
その15番目、Oにあたるのがオミクロン。
武漢ウイルスなど地名を使うと、いろいろと支障があるらしく、ギリシア語で順番にアルファ株、ベータ株、・・・デルタ株と名付けた様だが、なぜデルタ株の次に15番目のオミクロンが来たのかは、納得できる説明はどこにもない。
そのオミクロンに悩まされている。
都内の感染者数が1000人を越えたあたりから、予約はキャンセル、キャンセル。
昼も夜も、緩やかに戻ってきていた客数がつんのめる様にブレーキがかかる。
ランチは何とか形(2/3程度)にはなるが、夜は・・、営業を辞めた方がまし、というくらいヒマな日が続く。
もちろん協力金はない。
自力で、自助努力で切り抜けるしかない。
打つ手は・・・・ない。
わずかにストックしていた協力金で凌ぐしかない。
ただただ、ため息しか出てこない。
閑散とした店に居づらく、偵察がてら、愚痴をこぼしたく、知り合いの店に出向く。が、そこも同様とみて、まだ八時にもかかわらず看板は「閉店」
感染者数が昇龍のごとく伸びていくが、毒性は弱いと聞く。
ニュースではオミクロンの初死者が確認されたと流れるが、よくみると亡くなった方は90歳。オミクロンでなくとも大往生ではないのか?
私のなかではオミクロンは単なる「風邪」なのだが。
コロナ禍のあとを見据えて、厨房を一新する予定でいる。
現調理長が2月20日で退社する。
その後任を、今日面接した。
経営見通しはまったく不透明だ。
何度も迷う。
当然ながら廃業という選択肢も迷いのなかにある。
面接に来た職人にその事を正直に話す。
そして経営サイドとして、ワガママな要求をした。
いっしょにやっていこう。でもそのためにリスクもいっしょに負ってくれ、
と頼む。
面接に来たのは50歳。
顔つきも比較的穏やかで、職人特有の頑固さの影は薄い。
これで断られても、「廃業」という選択肢を選べば良いだけだ。
と開き直っている。
彼は真剣に聞いている。
大きな名のある会社だって倒産の憂き目を見る。
「絶対」という安泰、安定さはないのだ。
それよりも、自分の生き方を自分で決定する事の意味を説いた。
会社の入り、給与や仕事内容を人任せで、それでいて、ある瞬間に解雇を言い渡される。
苦労はするかも知れないけど、自分の判断で人生を切り開こうよ、と諭す。
年を取ってくると、それも難しくなるが、彼の50歳という若さはそれが出来るギリギリの年齢と思える。
オミクロン、コロナはいろいろな面で影響が大きい。
でもその影響は悪い面ばかりではない。
自分ではどうしようもない、手の打ちようのない局面で、人の本当の胆力を試される。
ま、それも面白いかと思う。