歓ファンが、一部屋を倉庫として借りていた木造家屋が壊され露天駐車場に変わった。そこへキッチンカーが日替わりで出店する様になった。
台湾料理、タコ焼き、ラーメン、かき氷、、、、、いろいろなキッチンカーが出展する。賑やかになった。夜も遅くまで営業している。雨天はともかく簡易なイステーブルも置いてあったりするから、ここで飲み食いするお客もいる。
お客がより安い様に目立つのぼりも立てている。
見た目は間違いなく”にぎやか”にはなった。
しかしこの新宿六丁目は、三丁目界隈とは違い住宅街の様相を色濃く残しており、人通りは少ない。この地で18年営業を続けていても厳しい日々は続く。
コロナ禍が押し寄せ、それが今年になり収束するかと思えたが、客足の戻りは鈍い。そこへ食材の値上げが怒濤の様に押し寄せる。
一回目の値上げをした。概ね50円~100円。「1回目」と言ったのは、たぶん9月か10月にもう一度価格を引き上げる可能性があるからだ。原材料の値上げはまだまだ続く。
当然ながらお客様の懐も厳しくなるし、最初に控えるのが「外食」になる可能性は非常に高い。
諸処の世情を鑑みると止むなしとも思うし、一飲食店が抗えることでもない。だから引き続き外食産業にとって厳しい日々が続く。どんなに早くても今年中は無理だと想像する。
キッチンカーが停車している駐車場の前に、路地をはさんでセブンイレブンがある。セブンイレブンにコーヒーを買いに行った。夜の8時ころだったろうか。
路地に数名が座り込んで呑んでいる。出で立ちは白いワイシャツを着ており、どうみても会社勤めのサラリーマンだ。
私にとって、ちょっとした衝撃だった。
昭和40~50年代ころには日本のあちこちで目にした風景だったが、ついぞ最近見たことがなかった。今は2,000円~3,000円で呑める安い居酒屋はあちこちにある。そういう居酒屋を避け、座り込んで「道路呑み」をしている。
いろいろな事情があると思うが、人目をはばからず「道路呑み」をしている。飲み物が足りなくなれば、その都度セブンイレブンに買いに行っている。
繰り返し言うが、目の前にキッチンカーがあって、イステーブルも用意してあるのだ。セブンイレブンで買う飲み物に比べれば、多少高いかも知れない。でもでも、それでも道路呑みをするか?
彼らに確かめたわけではないのだが、なぜ「道路呑み」をしているのか想像してみた。
すぐに思いついたのが、「小遣いを減らされた・・・」だった。
それぞれに帰る家があって、そこには家族が居て・・・。彼らの風体はそれを感じさせるほどこぎれいなのだ。
折しも参議院選挙の告示が出、候補者全員の名前が新聞に掲載された。
一部の金持ちはともかく、貧乏になってきた日本や日本人のことを熱く語る候補者は少ない。