師匠2

告別式。
お店を休んで行った。
告別式が終わり斎場へ。
バスに乗って霊柩車の後を追う。
白い骨になった。
納骨しふたたび告別式会場に戻る。
食事が用意してあり、葬式の最終場面に。
時間がたんたんと過ぎていく。
不思議と寂しさはない。
人の終わりの景色が目の前で過ぎていく。
そういう感じなのだ。
最も近い遺族、息子や娘も、もう涙はない。
ただ力をなくして呆然と佇んでいる。

私にとっても大切な、私に大きな愛情を注いでくれた方だったのだが、父の時と同じで一週間ほどして、締め付けられるような感情に襲われるのだろう。
男と女の、こういう時の感情の訪れは時間が少しズレている様な気がする。
泣き叫ぶ様な高ぶる感情は、少なくとも私はない。ただ一週間ほど時間をおいてから大きな空虚感を覚え、孤独感にたまらなくなる。うつろになる。

5年先か10年先かわからないが、今度は私の番だなと、一人で逝くことの覚悟をこうやって覚えていく。
気持ちが暗くなっているのでも、悲観しているのでもない。
ただただ自分の周りで流れる時間をたんたんと感じる。

文字通り終りを活きているんだろう。