猛暑も手伝っているのだろうが、お店がヒマだ。ヒマでも一通りの仕事はある。
ヒマだから余計な仕事は増えているのかも知れない。特にこの暑さ、食材管理は非常に気を遣う。
ほとんど毎日冷蔵庫を整理する。冷蔵庫の中の調理済みの材料、切り込みが終わった材料、洗った材料、それぞれの食材によって、それぞれ置く位置も変わる。
例えば、豚肉だけでも、生肉の状態、冷凍した状態、細切りやスライスした状態、それに下味をつけた状態、麻婆豆腐の肉などはスープを入れ豆腐を入れ多少の味の調整をする、ほぼ完成状態、焼き豚のように切って並べるだけの状態、といろいろとある。これが鶏肉や牛肉、海老、いかなどそれぞれに上記の状態にあり、置く位置や入れ物などで区別できるようにしている。そしてこれに野菜が加わる。野菜は傷みが早い。しなびたり、色が変わったりする。管理温度も肉などに比べて少し高い。デリケートなのだ。
正直言って一人で管理するのはかなり厳しい。
言い分けじゃないが、年を取ってくると記憶が曖昧になってくる。忘れるのだ。
あれ、あの食材、まだ残ってたはずだけど・・・
あれ?これ、いつ切ったやさいだっけ・・・
このパターンは加齢とともに多くなってくる。
整理する時に日付やグラム数などを併記してバットやボールにつけておくようにしている。若い時にはまずやってなかったルーティンだ。それほど記憶力は弱くなった。
だから余計若い時より整理整頓の意味が重みを増す。
本来2オペ、繁忙期は洗い場も入れて3オペを想定した厨房だ。
冷凍庫、冷蔵庫は全部で5台ある。全て業務用の大きなものだ。
これだけあると、時に冷蔵庫や冷凍庫の奥底にいつ仕込んだのか思い出せないものを発見する時がある。
食材の鮮度をみて、場合によっては捨てる。料理を提供する立場としてこれが一番悔しい。管理できてない自分の無能さを確認させられる。
ヒマさは、いろいろと考えさせてくれる。良い意味でも悪い意味でも・・・。