倉庫の片付け

倉庫を片付ける。
お店の近くに倉庫を借りていた。
町会長の好意で格安で借りていた。
その倉庫が建て壊しするそうだ。
昨年末に告げられていた。
忘年会を控え、あまつさえ多忙を極めていた時期だった。
自分じゃ、自分たちだけじゃ片付けは無理だとわかっていた。
業者を手配した。

閉鎖した後楽園店で余った皿、調理用具、グラス。
余分にストックしていたお節の箱。
イス、冷凍ストッカー、冷蔵ショーケース、ロッカー
配達用の弁当箱1ケース。
はては、商店会で使っていた交通規制の立て看板。

業者が来た。
手際が良い。トラックで来て小一時間。
パッパッと運び出す。
・・・・

なぜだか胸が締め付けられる。
食器のひとつひとつに。
グラスのひとつひとつに。
イスや調理道具のひとつひとつに。
けっこうなお金をかけて購入した数々。
購入した当時をひとつひとつに思い出す。

どこかで思い切らなければ、この倉庫内の数々は片付かない。
断捨離だ。
わかっているのだが、胸はキュンとする。
片付ける人たちがいなけりゃ、潤んでいた目から・・・。
う~ん・・・・。
キュンキュン・・。
幾度となく戦ってきた戦利品。戦い抜いた戦利品。
時分の身体から武器や鎧を剥ぎ取られる感覚・・。

断捨離だ。
ひとつひとつ心からの断捨離だ。