事故は突然やってくる

事故といっても、こちらは被害者の方。

時間は少し遡る。今月最初の日曜日2月4日のことだった。
この日、新宿五丁目の新年会が午後4時からあり、妻と二人で出席予定だった。
3時半過ぎ、一応フォーマル姿で準備をすませ、出かけようとした矢先に携帯へ一本の電話。
相手はお店の隣に住む方(女性)から。
「ねぇ、ねぇ、お店にトラックが突っ込んだわよ!」
えっ?
「大きなトラックがバックして、お宅の屋根の所を壊していったの。」
「後ろにね、パトカーがいてね、そのおまわりさんと話してるのよ、早く来て。」
電話では要領をつかめないが、タダならないことは分かった。私たちは自宅のビルを出たばかりのところ。妻に
「新年会、遅れるって町会長に伝えてくれ。オレは店に向かうから。」


 お店に着くとコンテナを積んだトラックが止まっており、その後ろにはパトカー。そしておまわりさんと当事者らしい男が話し込んでいる。
店を見た。
画像の上部の屋根部分、スレンレスのバーがゆがんでる。半分はバイクの足下に転がっている。
あー、あー、やっちゃってる・・・。

お店の前は丁字路になっている。その路地をトラックが曲がろうとし、曲がりきれずバックで切り返そうとしたところを、コンテナで引っかけたらしい。そのまま行き過ぎようとしたところ、たまたま後ろにいたパトカーがトラックを検挙したそうだ。
運が良かった?

事故検証をおまわりさんを交えて行った。
お互いの連絡先を交わし、自己検証が終わり、事故の後片付けをすませて、新年会の会場に向かう。

会場に入るとみなが起立しかけている。
宴会が盛り上がっている最中かと思いき、声だかに
「遅れて申し訳ありませ~ん。」
座が盛り上がって出席者があちこちに酒を組み合わせる場面かと思ったが、違った。
乾杯する直前だったのだ。
全員が起立を終え、それぞれ片手にグラスを持っている。
マイクが私の口元に・・・
えっ?
すっかり忘れていたが、私は商店会長として乾杯の発声を頼まれていた。
事故処理でただでさえ混乱している状態で、そのことを思い出すますまで
えっ、あ、おお、何?・・・
事故は突然やってくる。