パンツ少ないわよ

「パンツ少ないわょ!」
そんな声で目を覚ます。
はぁ?

ヒドく酔っ払ったときは別だが、風呂嫌いだった私も寄る年波にいつしかほぼ毎日風呂にはつかるようになった。そして風呂に入るたびに下着は毎回取り替える。
「どっかそこへんにあるだろう。」
「ないから言ってるの!」
そんなに大問題か、大声で、人の眠りを妨げるような問題か・・。
「知らんよ。」
「どう数えても1枚足りないよ。」
「パンツの枚数なんか知らん。だからどうした。」
もう相手にしてられない。もう一回寝たい、そんな欲求で答えもつっけんどんになる。
半分もう一度の眠りにつきながら
(女って自分の下着ならいざ知らず、亭主のパンツの枚数まで勘定に入れてるのか・・。不思議な動物だな・・・・。)
というのと、
(パンツ、どこに置いたっけ、はて?風呂場脇のバスケットの中に放りこんだはずのパンツが行くとしたら、どこ?)
そんな女に対しての思わくと、喪失しただろうパンツの行方を推理しながら・・
まあ、また起きてから考えてみるか・・・

いつしかまた寝ていた。