糖質制限

土曜日、糖質制限食を求めるお客様がいらっしゃった。
止めたわけではないのだが、糖質制限はすっかり遠くなってしまった。
特徴だったふすまパン、大豆パンも発注してない。したがってお店には置いてない。低糖質麺もない。

予約であれば、ある程度は用意はできるが、昨夜は突然のお客様だった。
ご飯抜きのセット(定食)メニューを注文された。
近くのスーパーにコンニャク(白、黒)を買いに行った。それを米粒大にカット。それだけでは歯ごたえがないので、賽の目に切ったチャーシュー、エビ、イカを加え、通常の半分のご飯に混ぜて炒飯を作った。
お客様にもお詫びをしながら、今日はこの程度の糖質カットしかできない旨を説明した。

帰り際、お客様が厨房の入口まで来られて、お礼を言われた。
「スミマセン。私もバリバリの糖尿病なのですが、自分向けの糖質制限はやってますが、お店では提供していません。」
と、糖質制限では商売が成り立たないことを謝った。
それでも、急な注文で対応していただけたことを嬉しそうに言ってもらった。
こういう方たちを見ると、何らかの方法で継続できなかったかなぁ、と悔いを感じる。

今でも私は糖質制限を信じている。理路整然としているし、実際わたしの身体の数値も良い方向で変化していった。
でもね、ご飯、美味しいよね。
パンも好きだもん。
どこかのコマーシャルで言ってた「美味しいものは糖と脂でできている。」
まさにその通りだと思う。身体には悪いけど。
レストランを営んでいて、(美味しい)という需要と供給を考えると、いつも悩む。糖質制限を、健康な他人に理解させるのも、けっこう厳しい。
世の中「正しい」が全てではない。

従業員の生活やお客様の求めるものを考慮すると、ものすごーくやわらかい糖質制限でしかできない。
糖質制限を提唱する、賛同する方たちにとっては、私のやり方は裏切りに映るかも知れない。

脳の深部に、糖と脂に置き換わる美味しさを感じる遺伝子組み換えを・・・・。
ダメだ、調理から逃げてる・・・・
誰か解決方法を教えてくださいませ。