BPPV

先日胃腸炎の話しを書いたが、日曜も体調がおかしい。
土曜日に兄弟、息子、孫と30名近くが集まった。
子供が10人程度、大人が20人程度。
歓ファンのお店を使った。だから料理は私が全部作った。
数日前から準備をし、当日の仕入れ仕込みもほぼ一人でやった。
仕込みが終わってからも、料理を出す段取りを頭の中で繰り返した。
けっこう神経は使ったようだ。

途中から宴席に加わった。会そのものは兄弟それぞれの子供たちが仕切ってくれた。タバコ組の弟たちは店外の灰皿が置いてあるところで話し込んでいた。私も加わる。余命宣告されている末弟なので、こういう機会は最後かも知れない。
酒の勢いも加わったが、調理という仕事の後で私の気持ちがまったく落ち着いてなかった。老齢と疲労と酔いがからまり、途中から参加する弟の子供たちが、弟の最後の話す内容を絞り込めさせてくれなかった。
兄弟とそれぞれの子供たち、孫たちが集まった会はとても楽しかったのだが、それを上回る疲労と仕事から解放された身体が、宙に浮いていた。

次の日、兄弟夫婦の会を持つつもりだった。が、まったく起きられない。身体が重い。起き出したのはお昼過ぎ。お店に入っている妻から電話があった。
鹿児島の次男夫婦がお店で待ってるよ、という電話。

隣のお店で長男次男夫婦の食事を取った。
私はハイボールを頼んだ。飲んでいる最中に少し目が回る。酔いだけのせいではない。。ハイボールはまだ一口程度しか飲んでない。
床の方を見ていた。急に視界がぐるぐる回る。
えっ、これ何?
座っているイスを掴んで踏ん張ろうとするが、今度は吐き気を催してくる。
先日の胃炎になったときと同じような症状だ。
弟夫婦に気を遣わせたくなかったから、平静を装うが、もしかしたら顔色も悪くなりかけていそうだ。
床ではなく、上の方を見ていたら症状が落ち着く。
えっ、これ何?

近くのホテルに向かう弟たちと別れ、いったんは隣の自分の店に戻る。
素直に妻に自分症状を話し、少し横になってから家に帰ると伝える。
「下を向くと目眩がする、吐き気がする」で検索をかける。

BPPVらしい。
難聴や下痢はない。
症状は一致する。
60歳以上、つまり高齢者にでてくる比率が多い。
疲れやストレス、睡眠不足が誘発するとも出ていた。
全部当てはまる。
年を取って初めて体験することが増える。
見た目は若作りでも、確実に高齢化しているようだ。

末っ子弟の余命宣告。鹿児島から出てきた弟のヨタヨタ歩きの危なっかしい足下。
三組の兄弟夫婦6名。集まってくれた子供たち孫たちから、本物のじいちゃんばあちゃん扱いは、数十年前の私たちが接した自分たちの親たちと同じじゃないかとあらためて愕然とする。

時の流れ。
初めて経験した「BPPV」も老化を確実に教えてくれた。