5月は毎年、第三週が西向き天神社(新宿6丁目界隈)の、第4週が花園神社(新宿1~5丁目界隈)のお祭りだ。歓ファンの前に通る医大通りをはさんでお店側が六丁目、反対側が5丁目側になり、お店の立地上その双方のお祭りに参加することになる。
ゴールデンウィークが終わると例年お店は閑散期になるのだが、私はお祭りモードに突入する。生まれ故郷の鹿児島には神輿文化が無く、新宿で生業を始めてから御神輿は初めて経験した。当初は店長を務めたお店が新宿三丁目にあったことから半纏は新宿三丁目の文字が入った者を羽織っていた。だから御神輿を担ぐようになってから40年ほどになる。
神輿に挿してある角棒を肩に押さえるように支えながら神輿を担ぐ。
これが、このコツが最初はわからず、鎖骨が折れるんじゃないかと思えるくらい痛い思いをした。
汗まみれの身体をこすり合い、肩は痛く、二日くらいは身体がギシギシ鳴るくらいに力が入った神輿だったが、厳つい連中との連帯感はなんとも言えない快感だった。
その神輿も今年は一回も肩を入れなかった。元気を一杯貰った神輿だったが、今は神輿を支える力が少ない。足腰に力がわかない。身体の高齢化だ。
自分ながら情けない。神輿について回るのが精一杯。
その祭りも終わった。
神輿を担ぎに来る人たちへの接待が、今年もできたと胸をなで下ろす。
今年一年一年が、正念場になってくるように感じる我が身体。
もう少しだけ、あと数年だけ、持ってくれよ。