医大通り商店会の一大イベント「医大通り音楽フェスティバル」を毎年手伝ってくれる一人の工学院大学OBと飲んだ。
工学院大学という理系卒なのに、どういうわけか飲食の道を選んだ男だ。今年就職2年目の若者だ。
20代前半とあって活きが良い。好奇心も旺盛だ。しかしこの時期の青年の特徴で進むべき道を時々迷うときがある。
昨日もそういう時だったんだろうと感じた。快く飲みの誘いに乗った。
一通りの近況を聞き、彼に答えた。
お前の長所はね、素直なところなんだ。その素直さはなくすな。
毎日の仕事や苦情、自分の悩み、人からの相談。ありとあらゆる問題がお前の周りで起こってくる。押し寄せてくる。全部引き受けろ。
お前の器に入りきれなくても、入れる努力をしろ。人の話しを聞いて聞いて、真剣に受け止めろ。
お前のなかにある素直さが、周りが受け止めてくれると話してくれるんだ。
嫌なことも多々あると思う。でもそれを受け止めてることがお前の人間としての器を大きくしてくれるんだよ。
素直さは相手を受け入れる器そのものだし、嫌なことや苦しいことは、その器を大きくしてくれるんだよ。そうやって器が大きくなってくると、将来の彼女や子供たち家族、会社の中での部下、取引先など、お前の大きな器のなかに入ってくるようになる。
だから、今はその苦しいことを厭うな。自分自身の器が大きくなっている過程だと喜べ。
2025年 6月 の投稿一覧
弟よ
末期ガンの弟を見舞った。
自宅で養生している。
弟はガリガリに痩せていた。
私とほぼ同じ身長で168センチくらいが、おそらく体重は40kg前後か。
骨と皮。
身体は動いていた。弱々しい体つきの割には手足を動かしていた。ただ動いている腕が何か当たった煽りでポキッと行きそうで、見ていて怖い。
「無理して食べろよ!そんな身体見たくもないぞ!」
食欲もないんだろうとわかってはいるが、叱咤するような感じで言った。
弟は小さく笑った。
言葉を返すほどの元気はないのか、食べる(生きる)ことをあきらめたのか、。
傍らに座っている奥さんの笑顔も弱々しくみえる。
元気でいる兄の私が申し訳なく思うほど弱い弟がたたずむ。
幼いときはよく兄弟喧嘩したのもこの弟だ。
4歳上の私にムキになって挑んできた弟はそこにいない。
私のお店にお客を連れてきてくれた。
連れの手前なのだろうが、
「兄ちゃん、美味しいよ。」
「何言ってんだよ、お前、飲んでるばかりで、ちょっとも食べてないじゃないか!何が美味しかったか、言ってみい。」
苦笑いしていた弟が、もう一度お店に来ることは、たぶんないのだろう。
弟よ。
よく頑張ったな。
身体痛いかも知れんけど、もう少しだけ、生きてろ。
兄のわがままだけど・・・
紫蘇
ほぼ毎日買い出しに行くお店の野菜売り場に青梅とともに並んでいる紫蘇を見つけた。
今年もやってきたか、とついつい感慨深くなる。
今年も紫蘇ジュースを作る季節になってきた。紫蘇は6月から遅くとも7月上旬ぐらいまでしか入手できない。1ヶ月から1ヶ月半。この時期でないと作れないのだ。
一回の紫蘇ジュース作りに、紫蘇はまとめて三把使う。
その都度けっこうな量の紫蘇ジュースを作りその量は2リットル入りペットボトル4本分ほどになる.。甘さは砂糖を使わず、糖質OFFの甘味料を使う。これを3~4回ほど、この季節に作り溜めする。紫蘇は強力な殺菌作用があり、常温でも一年は保つ。
お店でも紫蘇ジュース単体ほか「紫蘇サワー」なるメニューも置いてある。
紫蘇は身体に対してもデトックス効果や夏バテに効果のミネラル補給など様々な恩恵を恵んでくれる。
過分に作る紫蘇ジュースは、ふだんお世話になっている知り合いにも分ける。
今年はまだ控えめだが、蒸し暑さをともなう梅雨の季節に、歓ファンで唯一楽しめる季節行事だ。