ウナギ弁当食中毒

横浜、京急百貨店、ウナギ弁当での食中毒。
約160人の食中毒が出たというから、けっこう多い。
折からの暑さで体力消耗、少しでも元気にと考えてウナギ弁当を購入したのだろうと思うが、逆に体力を奪う結果となった。

食中毒を出したお店(会社)は自主的に営業停止にしたとニュースで報じている。会社の役員が揃って謝罪の映像がニュースで流れる。
同じ飲食の世界に身を置いている立場として身につまされる。

この暑さ、厨房もかなり暑い。服の中に空気を送り込む「空調服」を着込んで仕事しているが、ランチのかき入れ時は体中に汗が噴き出す。中華の厨房は事さらだ。
注文に間に合わせるために、食材は作業台の上に並べる。
エビ、いか、肉、各種野菜・・・。中華では刺身のような生の食材はないし、直前で食材を油通し(揚げる)する。和洋中の中でも比較的食中毒の起こりにくい業種だと思う。それでもこの暑さは食材には気を遣う。作業台に並べた食材を入れてあるステンレスの器には氷を差し込む。その氷もこの暑さで数十分で溶ける。頻繁に氷を補給する。
野菜はともかく肉類を切ったまな板はすぐそばにある洗い場に持ち上げて洗う。
中華のまな板は、丸くて大きい。重量もかなりある。
「よっこらしょ。」と声が出るほど力を入れてシンクに持って行き洗う。
そこまで気を遣う。
食中毒を出したら終わりなのだ。最低でも1週間は営業できなくなる。飲食店にとってはまさに死活問題だ。

それでも(食中毒が)出るときは出る。
無責任な言い方をするが、お客様の体調が悪いときだってある。食中毒が避けられない時がいつ訪れるか、運もある。
めちゃくちゃきれいなお店、厨房にしていても、なぜか繰り返し食中毒を起こすお店や調理人がいる。神経質なくらい清掃に努めていても食中毒を起こすお店や調理人がいるのだ。
運も確かにある。
私は飲食の世界に身を置き50年経つが、幸いまだ食中毒を起こしたお店で仕事をしたことはないし出したこともない。

食中毒を出す確率を下げることはできるだろうが、100%出さないというのは不可能だ。
デパートや社食などに弁当などを入れる会社は、衛生面のハードルはかなり高い。そういうことを要求されるし、それが出来て初めてデパートなどの取引ができる。この会社もそういう要求に応えてきた会社だったんだと思う。
それでも食中毒は起きる。

あらためて、我が身のことと思い、気を引き締めて、調理にあたろう。