やべっ!
8時にかけておいた目覚ましでいったん起きたものの二度寝をしてしまった。今の時間は・・・と?
あ、時計の針は8時を15分くらいしか回ってない・・間に合う・・
もう10年ほど前から夫婦は別々の部屋で寝ている。同じ布団だと、夜中のトイレなどで起き上がったときに妻を起こしかねない、それよりも気兼ねしないで済むよう、別々な部屋で寝るようになったのだ。
良いか悪いかは知らないが、夜中に本を読んでもゲームをしても妻のことを気にしないで済むようになった。慣れてきたら妻も同様に、どうどうといびき(?)をかくようなった。
そんな妻の部屋に、靴下はおいてある。
シャツやズボンを羽織った後、靴下を取りに妻の部屋に行った。部屋の中は真っ暗だ。入口近くの部屋のスイッチを押す・・・・。
ん?ん?
点かない。どうして・・・?
数回スイッチを点けたり消したりしたが、点灯しない。
部屋の蛍光灯から視線は下にさがった。
暗い部屋の中に、もっこりした布団を発見。
えっ?
妻は私より先にパートに出かけたはずだ!
(えっ、こいつも寝坊したのか?)
寝起きで混乱している頭は状況を把握しようと懸命だ。
えっ、もしかしたら・・・。
妻の部屋の時計を確認した。
あ、まだ5時前だ。えっ、オレの部屋の時計は・・・と部屋に戻ろうとする背中に
「何よ、寝ぼけてるの。こんなに早く起きて、何するのよ。私を巻き添えにしないでよ。」
と、妻も寝起きの間延びした声で私に文句を言う。
もう目覚めた妻を後ろに、今さら忍び足で部屋を出て行った。
スマネェ、スマネェ、もうちょっと寝てくれ・・・・
心のなかで謝っていた。