内視鏡検査という。
その検査で江東病院に行った。
朝9時から診察に並ぶ。
いつもは南新宿の病院で月一の診察を受けるのだが、そこで非常勤で看てくれる主治医の正式(?)勤務先が江東病院なのだ。場所は江東区大島。ちょっと遠いがこれは仕方ない。
麻酔がジェル状態のものを口に含ませられて3分間。
時間が来るとそれを飲みほせと。
(えーっと、これは吐き出したいんだけど・・・)
吐き出す汚物入れもない。
医者も看護婦も飲み込むものとじっと私を見つめている。
退路を断たれた私は、口のなかのグジュグジュを無理に飲み干す。
そのあと、身体を横向きにさせられて口に管を挟み込む。
「ぐっと噛んで。」
と医師の指示。
噛んだ管からカメラが入っていく。
おい、おい、止めろ!
口からヘビ(カメラ)を差し込んでる・・・
おい、止めろ!
横向きの顔から涙が、開けっぱなしの口からはヨダレが
麻酔のせいで吐き気はおこらない・・・・・はずだったが。
嘔吐は突然やってくる。
「オエッオエッ!」
昨夜9時から何も食べてない。何も出てくるはずもないのだが、
「オエッオエッ!」
看護婦が私の身体を押さえ、その上から肩をトントンたたいている。
我慢しろというトントン。
トントンの、やっと意味がわかった。
カメラを飲み込むほとんどの患者の肩をたたいたのだろう。
このトントンがなければ立ち上がってただろう。
この時ばかりは看護婦が白衣の天使に見えた。
我慢強い方だと思っているのだが、歳を重ねるごとに耐える体力が小さくなっている。
仮に身体に異変が何か見つかっても、もう身体を切るのも、入院も要いらないな。