血糖値の平均値を表す数値だ。
正常値は4.6~6.2。これが8.0までいった。
過去最高値は8.8だった。
危険水域になっている。
月一回の検診日、先生から通告を受けた。
「このままの値で推移すると注射(インシュリン)ですよ。頑張ってください。」
インシュリン注射は馬鹿高い。
厚労省が病院に対して、注射指導料云々という項目の請求を患者に行えると、許可しているのだ。処方代が一気に倍近く上がる。
糖尿病に加えて金欠病まで一気に悪化する。
処方箋を持って行きつけの薬局に行く。薬剤師とも懇意になっている。
その薬剤師がある指標を教えてくれた。
クレアチニンだ。腎臓機能の数値を表す。
この数値が高くなれば
「透析になりますよ。」
週数回の血液の入れ替えが必要になる。
行動にかなりの制限が加えられる。
「この数値はまだ正常ですが、高血糖を続けていると透析のリスクも増えます。」
と薬剤師。
高血糖になっている原因は自分でも分かっている。
飲酒と、酔った後の食事の制御が効かないためだ。
普段は自分なりに努力している。
大好きなご飯はいつも半分。外食していても
「ご飯少なめで。」
「ご飯、半分でいいです。」
が合い言葉。
酔うと、飲んでいる最中から食べる、食べる・・・。
でもこの段階ではまだつまみに糖質の低いものを選んでつまんでいる。
肉、魚、玉子、チーズ、葉野菜・・・
アルコールだって、ハイボール(ウイスキー)、焼酎、ワインなど。
自分のお店で奨めている紹興酒や、日本酒、ビールは、私の中で御法度ドリンクだ。
だからつまみを食べ過ぎてはいるが、自分の中では制御している範疇にある。
問題はタガが外れた帰り道、フラフラとコンビニによる。
目指すはアイスクリーム売り場とデザート売り場。
お腹はそれまで食べたつまみである程度満たされている。
「甘い」が不足しているのだ。
そのデザート、帰り道途中で食せば証拠が残らないのに、いつも家まで持って帰る。妻が起きている時間だったら、妻の分まで買って帰る。妻を共犯に仕立てるために。妻の下腹が出てきた原因は、半分は私にある。
帰りが妻が寝ている時間帯になり、妻を起こさないように気を遣ってトイレでアイスを食べてたときがあった(らしい)。
全く覚えてない。
ただ朝になって妻から
「トイレでアイスなんか食べないでよね!」
「えっ?」
「えっ、じゃないでしょう!アイスの空箱が置いてあるじゃないの!」
妻を共犯に仕立てられないときは、単独犯の証拠を残していた・・・・。