雪が降る・・・2

少し積もった。
通りを歩く人が恐る恐る歩を進めている。
滑るのだろう、とガラスドア越しからもわかる。
スコップを出した。
数年前に除雪のために購入したものだ。
購入したにもかかわらず、使用する機会は数年なかった。

エアコン室外機の奥にスコップは眠っていた。
室外機につながるパイプに、絡まる様にしがみついている。
スコップは数年ほったらかしにされて、すねている様だ。

雪はまだ粉雪になって降ってくる。
カッパを羽織り、フードの代わりにヘルメットをかぶり、除雪を始めた。
スコップをアスファルトの上で滑らせる。
天気予報は5センチと言ってたが、目の前の雪は2~3センチ。浅い。
それでもスコップで集めた雪は10~15センチ程に盛り上がった。
何より除雪した部分のアスファルトが見えてきた。
足下は滑らない。

お店のお客様は、あきらめてはいるが、やはり来ない。
今月は12月の支払いが待ち構えている。
コロナ禍で少なくなったとは言え、いつもの月より支払いは格段多い。
今月の売上ではとてもじゃないが賄えない。

自分のお店の雪かきが終わったら、隣、前の店舗の若衆に声かけし、スコップを渡し、雪かきさせる。
道路中央部分は、濁ったカキ氷状態になって残る。
雪は小降りになったが、明朝は路面凍結かも知れない。

(明日の朝の弁当配達、ちょっと厳しいかな?
歩きで行くか・・・・。)

濁ったシャーベット状の雪道が、店の前途を示唆しているかのようだ。
いやいや、雨だって雪だっていつかは止む。
希望的観測・・・・。

都のコロナ感染者数640名余。
マスコミは、今こそ「希望的観測」をお願い。
泥濘みにはまって、心が躓きそうだ。