眼帯

眼の手術を終え退院したのは良いが、眼は、痒み時々痛みという状態が続く。
目の前の景色は相変わらず金魚鉢の水平線が、ちょうど半分当たりでゆらゆら揺れている。喫水線が波打ち、船酔いしそうな感じで揺れるのだ。

病院で貰った目薬が3本。
化膿止め1本とと鎮痛効果2本を貰う。
それを痒み、痛みが出るたびに何度もさす。
眼の痒みをシャツの袖で拭ったら、薄い赤い血痕とおぼしき汚れがついた。
眼の中は、手術後の違和感とまだ戦っているのだ。
無意識のうちに目をこすろうとする。

術後の眼の中は液晶対の”液”が揺れ、不安定な状態は素人の私でも分かる。
薬局で眼帯を買う。
独眼竜ばりに黒の眼帯があればかっこつけられるのだろうが、その度胸もなく普通の眼帯を購入し装着。
たったそれだけで眼は楽になった。

近くのコンビニにコーヒーを買いに行く。
知人に会った。私の異変にすぐに気がつき、話しかけてきた。
「眼、殴られたんですか?」

眼帯姿=殴られた、という発想はまったく想像してなかった。
喧嘩で殴られる・・・
うんうん、それも”あり”も知れない。
それで通してみようか・・・と思ったが
70歳前での喧嘩傷は、無理を通り越して”馬鹿”にしか見えないだろう
やっぱ止めとこ。