バンビ

新宿に「クリアソン新宿」というプロサッカーチームがある。
その2024年新体制発表会というのが西新宿であり、妻と二人で出かけた。
クリアソン新宿には、商店会のイベントでもお世話になり、私がサッカーが好きだったこともあり、心から応援しているチームだ。

終わって会場を後にしたのが16時頃。中途半端な時間だったが、お腹がすいた。
「どっか食事でもして帰ろうか。」
と言ったら、妻もお腹が空いてたらしい。
「久しぶりにバンビに行く?」

昔、新宿サブナードにオープンした「ダイナステイ好(はお)」というお店で仕事したことがあった。ガスを使わない全て電磁調理器という、強い火力を必要とする中華では珍しいお店だった。
そのお店の真向かいにあったのがステーキとハンバーグのお店「バンビ」だった。店長(名刺は常務)の菅原さんには当時からお世話になり、仲良くさせて貰っていた。もう40年ほど前のことだった。

バンビはカウンターがあってオープンキッチンだ。菅原さんが働いている姿は丸見え。 まだ元気で働いている。
聞いた。
「菅原さんて何歳になったの?」
「もう76歳だよ。」
いい加減くたびれている70歳になった自分と比べて、店長に
「もう仕事辞めても大丈夫じゃないの?」
「そうなんだけどね、仕事しているのが楽しいんだよ。」
”借金まみれ”が辞められない理由の大部分を占めている私なのだが、私も仕事は大好きだ。自分がまだまだ成長する余地を発見できるから、仕事は辞められないし辞める気も当分ない。
菅原さんも同様らしいが、それにしても元気だ。たぶん仕事あることが元気さを保たせてくれてるだろう。

菅原さんとのおつきあいは長い。
調理人として働いていた昔、その当時の親分から新規オープンを手伝ってくれと言われて出向いたお店だった。サブナードという途中休憩が出来ない性質の立地で、それでもお客様の来ないアイドルタイムに厨房の中に段ボールを敷いて寝ていた。電磁調理器だらけの厨房は異様に暑く、汗かきながら昼寝していた覚えがある。当時の30代半ばの私もアルバイトもみんな若かった。菅原さんもおそらく40歳代・・・・。バンビの歴史も長くなったが、菅原さんも相当長い。

お互い、もう少しだけ頑張ろうね。