油断

油断していたわけじゃないが、
お昼12時までのお客様数は2名。
このところ低調のランチ、ため息を交えつつ、声に出して
「お客様やーい、早く来てくださいませ~!」
2月はただでさえ営業日が少ない上に祝祭日連休が2回もある。
業者の支払いは明後日。まだまだ貯まってない。
2月だけに予約状況も芳しくない。
私の胸の内は、少々空気が重たい。

いきなり来た!
一気に来た。
2名、3名、5名、2名・・・・
カウンター越しに数えたのはここまで。
オーダーが次々と飛び込んでくる。
「お、よし、よし!」
今週のランチはAが「青椒肉絲」、Bが「カニ玉」だ。
少しでもお客様受けの良い定番メニューにしたつもりだ。

現在、厨房2名ホール1名の体制で営業している。
この人数では混んできたときには、お客様対応は少し厳しいが、、、、。

「焼きソバ2個」
「AランチにBランチ2個」
「担々麺2個」
「麻婆豆腐2個、焼きソバ3個」

オーダーが次々飛び込む。
その都度オーダーにあった皿をオーダー数とともに並べる。
調理補助をしている一人はお盆に、杏仁豆腐、サラダ、お新香、箸、スプーンなどをセッティング。
ホールの一人(今日は私の奥さん)は、おしぼり、お茶を持って行き、オーダーを取る。レジでお勘定をする。テーブルの後片付けをする。時々に電話を取る。
作業のひとつひとつは簡単なのだが、厨房以上に忙しい。

料理を作りながら、
あ、これはホールが間に合わなくなる・・・と察する。
調理補助に
「ホールに行って!」
「出来上がった料理をお客さんのところに持って行って!」

ほんの10分~15分程度なのだが、戦争だ。
身体も頭もフル回転。

飲食を経験した人でないとわからないだろうが、この状態が私は一番楽しい!



30分ほどしたら戦争は終息を迎えた。