孫と笑顔

私には三人の息子がいて、孫は三人いる。
長男に男の孫一人と、次男に女の孫が二人。
それぞれにそれぞれの特徴がありそれぞれの可愛いさがある。

その孫の中で、一番年下の孫娘が妙に可愛い。
上は才気煥発そうで、いかにもの長女らしさを出している。
下はまだ1歳ちょっと、どういう風に成長していくのかまったく判らないし、私の目から見て美人ではない。いや美人になりそうもない。孫娘のために言い分けするが、けっしてブスでは断じてない。
が、この孫娘の笑顔が素晴らしい。思わず引き込まれる。

長男の息子、現在梅橋家の唯一の男系子孫だが、この孫の笑顔も屈託ない。
が、残念なことに私になつかない。

成長し大人になるにつれ屈託のない笑顔の表情は一般的に少なくはなるが、こういう笑顔を残している大人は時折見かける。
若いときは理解しなかったが、こういう笑顔は大きな武器になる。
すーっと笑顔に引き込まれてしまう。こういう笑顔を見るにつけ、見ている方の気持ちを軽くさせてくれる。どんなにありがたいことか。
こういう笑顔は仕事でも縁組みでも威力を発揮する。

コロナのせいもあるのか、孫たちをこちらに連れて来る頻度が少ない。
コロナ禍で、お店はヒマなくせに私が考えさせることは多々ある。悩まさせられることも。
孫たちが来たら来たで、孫たちの圧倒的な元気さにヘトヘトになる私たちがあるのだが、それでも時々来て欲しいと思う。屈託のない笑顔が見たいから。

息子たちが多感な少年期から青年期に、私は家族を茨城県石岡市に残し、東京での単身赴任を15年間続けた。
1週間に一度、家に帰っていたが、子供と接する時間はやはり少なかった。ある意味での母子家庭だった。
子供たちが大きくなるまでは家内の負担は大きかったと思う。その苦労に私が一助になっていたかというと、まったく自信がない。

それでも子供たちは素直に育ってくれた。誰一人「ひねくれる」でもなく「ぐれる」でもなくスクスク育った。
現在それぞれに仕事を見つけ、上の二人は妻をめとり孫を作り家庭を作った。
息子たちは今年41歳、37歳、35歳になる。

夫婦二人で過ごす部屋は、かっての熱さはもちろんない。
落ち着いた・・・・と言えばそうなるが黄昏色が二人を包む。
これはこれでそれなりの味があるのだが、孫の笑顔が時々欲しくなる。
老いた夫婦に立ちこめる「黄昏色」を一掃してくれる、まばゆいばかりの笑顔が欲しい。
子供たちよ、聞こえてるか?
孫を時々連れてこい!