検査入院3(ピーピッピッ)

午前十時頃。
窓の外からピーピッピッと笛の音が聞こえてきた。
(えっ!この笛のリズムは、もしかしたら祭りの・・・?)
昨日入院したのだが、たった一日で曜日の感覚がなくなっている。
確か今日は日曜日だ。
祭り!あり得る!

祭り好きの血がとたんに騒ぐ。
当たり前だ。こんなに元気なのに寝てなきゃならないなんて!
腕から伸びる「点滴の管」が憎らしい!

看護婦が来て、のんびりとした口調で
「お祭りのようですね。」
言下に
「違う!この時間帯だから子供神輿です。」
「大人の、本物は午後から出ます。」
入院する病院の近所には、神酒所を二カ所ほど確認していた。
お祭りが今日だとは知らなかったが、日曜日とあればそれも納得。

わー、行きたい、担ぎたーい・・・・
ソワソワする私を冷ややかな目の看護婦さん。
病院の方たちはどなたか参加しないんですか?
ますます冷ややかな目で私を見る。

「ほら」と点滴の下げている

 

検査入院2 (チマキ注文の巻き)

入院初日は病院のいろいろな部署から挨拶にやってくる。
薬の説明をされる方がやってきた。薬剤師だ。
現在服用している薬の中でストップする薬、その説明などなど。以前に聞いていたことをさほど変わらず。
「ふむふむ、あー、そうですか」
相づちとともに聞き流す。その最中にサイドテーブルがブルルと振動した。
携帯の呼び出しだ。ディスプレイを覗くと「音無美紀子」さんの表示。

一瞬でチマキ配達の注文と知れる。
説明を続ける薬剤師の方を手で制し、画面を見せながら、電話に出ますと伝える。たぶん
(なんてわがままな患者だ。ベッドで電話は禁止だろ、常識的に!)
と思われたかどうか、一礼の後カーテンの向こうに去って行かれた。

「はい、こんにちは」
「今日の明日で申し訳ないんですけど、明日チマキ配達できますか?」
素直に入院という言葉が出て来ない。それを察したか
「無理ですよねぇ。」
仕方ない。
「音無さん、実を言うと今日から入院なんです。」
「えっ?」
「点滴を引っ張って、行けないことはないんですが」
「チマキ揃えるのも・・・」
「検査入院ですか?」
「そうです。14日には退院です。その後でしたら・・・・」
「わかりました。お大事にしください。点滴引っ張る必要ありませんから。」

そりゃそうだ。そんなことするのは”志村けん”や”加藤茶”の世界だ。
入院初日から、波乱の予測。退屈はしのげそうだわい。

検査入院1

前立腺に少し異常があると言うことで、入院が決まった。
検査入院だ。手術の翌日には退院ということで、比較的軽い手術、あるいは軽い症状と言うことらしい。
ただし現在服用している薬の効果が手術には邪魔らしく、その効果が消える1週間は点滴が不可欠と言うことで9日間の入院になってしまった。
(こりゃ、たいへんだぞ。すこぶる元気状態で入院したら、時間つぶしと体力維持が。)

そして本日入院。
お店のお客様には「夏期休暇」
検査入院ぐらいで公言できるか、というのが本音です。
さあ、どうやったら入院生活が退屈しないか、ということで入院生活を綴ってみようかな。
そういうなか早速点滴のチューブをつけに、看護婦さんがやってきた。

――――――――――――――――――――――――――――――

看護婦が点滴の針を刺そうとする。しきりに二の腕の表をさすり、血管の浮き出ている部分を捜している。
ん?
ん?
見つからない。
手伝うつもりで私も腕に力を入れる。親指を中に入れた拳に力を入れる。
それでも
ん?
ん?
「針、入れちゃえば」
「大丈夫大丈夫。痛いのを数回我慢すればいいんでしょ。」
「平気平気、ブスッと突き刺して」
とこちらが看護婦さんをあおる。
けっこう年季の入った看護婦さんに見える。それでもプレッシャーを感じたようで、突き刺した針から血が出てこない。
正直(痛い・・・)
ぐっとここは我慢。看護婦さんを育てるつもりで。
看護婦さん、懸命に針の先をグリグリしながら血管を探している。
看護婦さんの懸命さがわかるだけに、グッとこちらも堪える・・・が、
グリグリの度に
「うっ、うう、」
とうめき声を止められない。
看護婦さん、申し訳なさそうに
「スミマセン、スミマセン」
結果的に交換した針は3本。
「腕が筋肉質で・・・なかなか針が血管に届かなくて・・・」
「ドンマイ、ドンマイ」
でも、ちょっとだけ、心の中で
(ヘタ!)

 

 

結婚記念日

7月1日は私たち夫婦の結婚記念日。
後楽園店で勤務する妻が、
「明日は5時で帰れるよ」
「あ、そう」
言われてから、明日が結婚記念日だったことに気がつく。
まだ若い頃、妻が私に
「結婚記念日、なんかプレゼントあるの?」
「馬鹿言ってるんじゃないよ。二人の記念日だろ?一方的なプレゼントってあるかよ。」
と言った手前、二人の何かの日になってしまった。

昨年は歌舞伎町入り口にある「鉄板べービー」という広島お好み焼きを食べに行った。
この店はお客様からフレーズをいただいて、即興劇に仕立てるという面白さを売りにしているお店だ。
マスターに
「明日、結婚記念日なんだ」
「あ、そうなんですか。奥様になんかメッセージがありますか?」
久し振りにラブレターを書いた。それをマスターにメールで送る。
―――――――――――――――
「37回目の結婚記念日。いつまでもこの記念日を続けたい。いつまでも続けられるよう、ただただ元気でいてくれ。金銭的にも時間的にも余裕がないだろうけど、時々身体を休めたり検査を受けたりしてくれ。昔みたいにガンガン引っ張っていく力は、だいぶ少なくなってきた。引っ張っていくんじゃなくて、一緒に歩く歳になってきたみたいだ。俺の夢だけを見させてきたけど、二人の夢にしていきたい。これからもよろしく。」
―――――――――――――――
当日、スタッフ三人で結婚記念日に合わせた即興劇を見せてくれた。
良くもここまで仕上げてくれた、唸らせるほど上手に仕立ててくれた。
気がつけば、隣に座っている妻が即興劇に笑いながらも顔をクシャクシャにして泣いている。
良かった、この店に頼んで。

一年後の7月1日にまた妻と訪れた。
今回は何のサプライズもお願いしなかったが、私たちの中で記念日に訪れたくなるお店になったのだ。

歌舞伎町、広島お好み焼き「鉄板べービー」
それでいてとてもリーズナブルなお店だ。

 

歳を取ると言うこと

数ヶ月すると私は63歳になる。
飲食店を経営する立場からすると、ブログは自身の健康問題は避けるべきテーマかと思う。
でも、直面することを思いつくまま綴っていこうと思う。
歳を取ってくると、今感じていることがほんのちょっとの時間を経過しただけで忘れてしまうことが多々あるためだ。
飲食店のブログで、見ている方の食欲をなくす事になったら、たいへん申し訳ない。
前もってお詫び致します。

最近血尿が出た。出始めの最初だけピンク色の小水だ。

60前後から身体に時々変化が訪れる。数ヶ月前にはおしっこが出ない事態が起きた。
診断は前立腺が腫れているとのこと。腫れ上がった前立腺が尿道を圧迫し、それで小水が出ない事態が起きた。
”おしっこしたい感”はあるのに『出ない』。初めての経験だった。焦った。
この時は尿道を広げる薬を処方していただいて、事なきを得た。
そのことが脳裏に過ぎり、(血尿はその関係か・・)と思う。

病院、泌尿器科に行く。
心電図や音波を下腹部に当てられ、その画像を見ながら先生の診断を聞く。
そして説明途中、傍らにあるベッドを指し、担当の女医さんが
「横向きに寝て下さい。」
「ちょっと不愉快な気分になりますけど、すぐ終わりますから我慢して下さいね。」
むき出しになったお尻に、いきなりの突入!?※◆〇▲!!
先生の指による肛門から前立腺にむけての触診だ。
一瞬「犯された!」と思った。
・・・・・・・・・・・・・
事が終わり、先生が口開く。
「堅い部分がありますね」
「血尿は最初のころだけなので、たぶん前立腺が尿道に圧迫されての血尿ですね。」
「腫れている部分と尿道が圧迫して、その境目にある毛細血管が切れた状態ですね。」
女医さんは簡単な図を書きながら説明される。
「ただPSAという数値が高いんです。これは癌が発生した時に増える数値です。」
「通常は5前後です。これが5倍近い数値が出ています。」
MRI検査の日程を打ち合わせて、本日の診察は終了。
 
優先的に診察を泌尿科の先生へ依頼してくれた主治医に、顛末とお礼のメールを送った。
間をおかずに電話での返事がくる。
「心配要りませんから、良性ですから。何にも心配・・・・」
「先生、大丈夫ですよ。何も心配してません。(寿命は)遅いか早いかでやってくる問題ですから。」
「いやいや・・・ホント大丈夫ですから!」
 
逆に気を遣わせちゃったかな?
先生、ありがとうございました。
さあ、明日は午後からMRI検査。何かあったら、またお願いします。

新入社員16歳

四月一日から新入社員がくる。
なんと中学卒だ。
最初はお母さんと来た。あどけない顔をしている。
何で高校行かないの?と聞くと、勉強が嫌いだという。
ま、勉強の好きな奴はそうはいないけど。
続くかどうかわからないけど、今は会社としても若い力が欲しい。
ちょっと若すぎる気もするけれど・・・・・

今日あらためて履歴書持参で来店した。
彼ははにかみながらも、私に伝えたいことはきちんと話す。
顔もこの年頃に良くある突っ張った表情も見せていない。
(私が同じ頃はきっとやくざみたいだったに違いない)

給料や勤務時間などを伝えたうえで、三ヶ月は試用期間と伝えた。
素直な顔だった。育ててみたいと思った。
帰った後、彼に手紙を書いた。
―――――――――――――――

ようこそ『新入社員』幹大くん

入社おめでとう。
これから先いろんな事があると思うけど、その事の数だけ
悩んで欲しい、
失敗して欲しい、
失敗を畏れずに進んで欲しい。
10個の失敗を繰り返して1個の成功があると思って欲しい。
その都度幹大くんの周りは心配し、怒り、文句を言ったりするだろうけど、幹大くんのことが気になるから、心配するし、怒り、文句を言うんだと理解して欲しい。
例えば犬やネコが同じようなミスをしても瞬間的に怒っても、”言っても無駄”だから何も言わない。幹大くんへの心配や怒りは、幹大くんが失敗で何かを掴むだろうという期待の裏返しだと思って欲しい。

幹大くんへお願いがあります。
出社するまでに1週間ほど時間が有ります。その一週間で考えて欲しいことがあります。

目標をたててください。
今16歳。
例えば、
「30歳でお店を持つぞ!」
そのために「お店を出すために資金を300万円貯めるぞ!」
30歳までは14年間。一年間に貯めるお金は214200円。一ヶ月で17850円の貯金です。
銀行通帳を作って毎月毎月貯めて欲しい。
お店を実際に出すには300万円で足りないかも知れません。足りない分は銀行などの金融機関で借ります。その時に銀行に毎月貯めている通帳を見せてください。必ず銀行はお金を貸してくれます。
幹大くんのことを銀行は”お金を管理できる人”と判断するからです。

「30歳でお店を持つぞ!」
お店を持つために25歳には店長になるぞ。
お店を持つために20歳ではせめて副調理長になるぞ。
お店を持つために一年後は自分の包丁を買うぞ。
お店を持つために一週間に一つの料理を作れるようになろう。
一週間に一つ覚えれば、1年で50個の料理を覚えられる。

300万円も、包丁も、50個の料理も、例えばの目標です。
こんな感じで、幹大くんが考えた目標を立てて欲しい。
目標を立てても人生の中ではけっして自分の思い通りになりません。でも目標があるのと無いとでは大きな違いが出てきます。
目標があると言うことは、遠くても目標が見えている状態です。走る方角がわかっている状態です。最初は転んでばかりいた道も慣れてくると走れるようになります。グングンスピードがついてきます。

幹大くんの目標を立てて下さい。
20歳になった時の幹大くんを想像して下さい。
30歳になった時の幹大くんを想像して下さい。
どんな幹大くんになっていますか?

その間には彼女ができるかも知れません。
結婚というゴール、家庭を持つというゴール。
その都度迷ったり悩んだりすることもあります。
一人で悩んでいたことが、二人で悩むようになります。
一人で解決できなかったことが、二人で解決できるようになります。
悲しいことや辛いことは二分の一になります。
楽しいことや嬉しいことは二倍になります。
その時々に新しい目標を設定して下さい。

幹大くんにとて、この会社で良かったと思える時は、会社にとっても幹大くんが来てくれて良かったと思える時です。

社長

―――――――――――――――
この職場続くと良いな・・・・

『カビラJ(ジェイ)』その2

鶴瓶さんから依頼を受けたちゅうかチマキ70個だ。
パルコ劇場にて開催されている「ショーガール」に出演されている川平慈英さんへの笑福亭鶴瓶さんからの差し入れだ。
HONDAキャノピーに乗せて、明治通りを一路パルコ劇場へ。
パルコ劇場のあるパルコの地下に駐車場&駐輪場がある。地下2階だ。
そこから劇場のある9階へエレベーターで上がる。
台車や大きな荷物を運ぶ業務用エレベーターと、人が乗る小型エレベーター2基ついている。

先についたのは業務用の大きなエレベーターだった。チマキを入れた発泡スチロールを両手に抱いてエレベーターに乗り込む。
「9」階のボタンを押し、「閉」のボタンを押し、エレベーターの上昇を待つ。
階数の数値に沿った小さなボタンが連動して点滅していく。

B2から、B1、1、2・・・とランプの点灯が移っていく。
と、その上にある鏡が眼に入る。
ん?
顔が映っていない。鏡でなくモニターだ。
モニターとわかったと同時に、その中央に映る人物が自分の後ろ姿だと判明する。

(あれ?白く光っているのは何?)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれは・・・俺の後頭部だ・・・
!!!!!

家内からからかう口調で
「ハゲ!」
外見に気を使わないタイプの私は
「あ、そ」
軽く受け流す。
それもそのはず、私のハゲはザビエルハゲだ。自分で確認しづらい位置にハゲがある。

モニターに映る後頭部は、誰がどう言い繕おうが、間違いなく「ハゲ!」だ。
その「ハゲ」の持ち主は、間違いなく私だ。
(ここまで・・・・・・!)

親しくしている美容室がある。
つい最近カットして貰った。
自身の容姿に、あまり気を使わない私がカットにかかる美容室の主に
「短く、短く、とにかく短く!」
「ほんといいの?」
「大丈夫!自分じゃ自分の顔を見ること一日に2回くらいしかないから・・・」
「それにこのハゲじゃ、気を使ったってしょうがない」
「そんなことないよ!これだけあれば大丈夫よ」
(これだけあれば)のフレーズに引っかかりつつ
「大丈夫!短く短く、短くね!」

エレベーターのモニターに映る自分の後頭部は
「これだけあれば」という言葉が、まさに営業トークと思い知らされる。
「ああ無毛!」 by レ・ミゼラブル

鶴瓶さんと『カビラJ(ジェイ)』

コールが鳴る。携帯のコール名は鶴瓶さんだ。
「もしもしぃ、鶴瓶ですが・・・」
「梅橋です。おはようございます。」
「今日の明日じゃ、チマキの配達は無理ですよね?」
「明日の何時でしょうか?夕方でしたら何とか出来ますが」
「えっ、出来はりますか!先方に電話して(配達する)時間が大丈夫か、聞いてみますよって、ちょっと待ってえな」

三角錐の形をした中華チマキのことだ。
一回の受注が最低でも50個。
平均すると、一回のチマキの受注は70個ほど。
ちなみに去年の12月は1ヶ月の受注数が1000個になった。
これだけの個数になると売上としても馬鹿にならない。
鶴瓶さんの知り合いのタレントさんや歌手に『楽屋見舞い』として贈られる中華チマキだ。
発泡スチロールの内側に少しでも熱い状態で提供できるようにと、アルミホイルを敷きつめる。
個数が個数だけに3時間はホカホカ状態で提供している。
鶴瓶さんとしても、食べられないお花や(冷たい)お寿司、甘いお菓子よりも、喜んで貰えて、金額としても妥当な価格のチマキを重宝されているようだ。
ご本人も美味しいとお気に召していらっしゃる。

再コールに
「お願いします。夕方4時頃でどうでっしゃろ。70個」
「鶴瓶さん、場所はどこですか?」
「あ、パルコ劇場です、知ってはりますか?」
「ええ、大丈夫です。何度も行ってます。で、どなたに?」
「かびらじぇいですぅ」

芸能界に疎いことには定評がある私、でも電話向こうの鶴瓶さんは(知っていて当然)という感じで話される。
1秒2秒の沈黙が私に訪れる。
正直(聞いたことある名前だなぁ・・・確かサッカーの解説かアナウンスかしてなかったっけ?)
その1秒2秒の沈黙に鶴瓶さんが不安に思われたんだろう
「川に平と書いて”カビラ”・・・」
頭は混乱する。たしかカビラ云々は、外人っぽい顔をしたタレントじゃなかったっけ?
思い込みはすごい!
外人ぽい顔だから『カビラジェイ』は、横文字の「カビラ」に、Jリーグの解説をしていたから、その「J」だと思っていた。
(私が名付けて)『カビラ J(ジェイ)』

たまりかねた鶴瓶さん
「漢字でっせ!川平(かわひら)でっせ!」
(・・・後で調べれりゃ何とかわかるだろ!)
そう思った私はあたふたと
「もちろんですよ、鶴瓶さん、わかってますよ!」
「もう、頼んまっせ」
漫才だ。

鶴瓶さんも私も不安満載で電話応答は終了。
ネットで調べた。
『川平慈英』
日本人離れした顔と、イングリッシュっぽい話し方と、純日本風な名前・・・・。
違和感ありすぎでしょう!この名前。
日本人だったら「かわひら」か「かわだいら」でしょ!

勉強させていただきました。
鶴瓶さんありがとうございます。

久し振りの休暇3(インフルエンザ)

2016-02-22 16.40.32

歩き疲れたのか、アルコール漬けの二日間に疲れたのか、帰りの新幹線は身体がギシギシ軋む。新幹線のシートでもだえながら自身でも微熱を感じてきた。
(あー、これはちょっとやばいかな!)

夜11時帰着。そのまま布団に入る。家内が後楽園からの仕事を終え、帰ったのも気がつかない。眠りこける。
深夜時々目が覚め、喉の渇きを癒す。起き上がるのもけだるい。

定刻に目が覚め、出勤。朝の掃除を終えランチの準備を始める。
このころまでは(ま、何とかなるだろう)的だった。咳が出始める。
気管支のところが痛い!
ホールで一緒に仕事をしている娘が、
「社長、帰って下さい。ちゃんと寝て下さい」
「おい、まだ1時だぞ。これからまだまだお客様来るぞ!」
「私一人で大丈夫です。風邪直して下さい。」
私を見る目つきは”バイ菌”を見ている。
(ははぁ、風邪がうつると思ってるな!)
ま、いいか。身体だるいし・・・。言葉に甘えて帰宅することにした。

布団にいるやいなや、熟睡モードになる。暖房を入れても寒さを感じる・・・。
5時半。熱を測る。39度8分。
「やられたー!」
これは単なる風邪か、インフルエンザか、という段階に来た。
近所にある薬局「龍生堂」へ、状態を伝えると
「インフルエンザのようですね。これは処方箋なので病院の診察を受けて下さい」
あ、そ。インフルって医者の診断が必要なんだ。
薬局で紹介された近くの病院に行く。
「検査しますから、ベッドに横になって下さい」
「ちょっと痛いですよ」
と綿棒らしき、先端に検査薬を塗ったものをいきなり突き刺す。
女医さんだったが、この痛さはマジでむかついた。
涙目で女医さんをにらむ。
女医さんと交代して男性医師が近寄ってくる。
「インフルエンザですねぇ。A型です」
吸入薬を貰い目の前で吸引。しかる後。
「受付で処方箋渡します。」

薬局に戻り、処方薬を貰う。
おかげで翌朝には37度まで体温は下がる。
明日からは仕事が出来るなぁと思い、
「悪いね、今日まで休ませて貰うよ。」
「社長、とんでもない!もっと休んで下さい」
「出てきたら駄目ですよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「お願いだから、休んで下さいよ。」
私はバイ菌になった・・・・・。

金曜日まで休む。まるまる一週間。
本人はインフルエンザの感染する重大性がまるでわかってない。でも言いつけにしたがって4日間どこも出かけずに自宅療養。
おかげで熱は平熱。そして京都から帰った直後の体重が76.2kg
そして今、61.8kg。62kgを切ってしまった。
(なんか、インフルエンザって、すげーぇ!)

大阪京都行きを含めてじつに1週間の休暇でした。

久し振りの休暇2(京都行脚)

2016-02-21 17.19.22 2016-02-21 16.35.56 2016-02-21 16.21.48 2016-02-21 16.17.52 2016-02-21 16.07.45 2016-02-21 15.42.04 2016-02-21 15.35.29ホテルのチェックアウトが10:00
ホテルの朝食をゆっくり済ませ、京都へ向かう。
「猪肉と熟成日本酒」がメインなのだが、開始は夕方4時。
さてさて、それまで同時間をつぶそうかな・・・。
折しも日曜日。どこもかしこも人ばかり。半分以上が外国語。
(さすが京都!!!)
会場から遠くなく、京都美術館でもと思いしや京都マラソン開催中。
(ありゃ、道路を渡れないじゃないの!)
 
とりあえず京都大学医学部近くの会場を確認。マラソンコースにかぶらないよう淀川沿い神宮丸太町から三条、四条と下り、西に足を向け二条城、京都御所(御苑?)と、歩きに歩く。
リュックには、余った時間、新幹線の中でするつもりだった仕事で使用するパソコン。
重い!他にもカメラなどけっこう重量物が入っている。
歩くのは自信もあり好きだったから苦にならないのだが、さすがに疲れてきた。

15分ほど前に会場到着。それでも一番乗りだ。
お店の屋号も「ぼたん」
普段も猪がメインなのかな、と想像をめぐらせる。
むき出しの天井にカウンターと、奥に段差のあるテーブル席が6個ほど。
ボチボチとお客様が集まってくる。私を含めて東京からも4名。お客様総勢30名様弱だろうか。

本日のメインは何と言っても日本酒。
仕切人であるK氏が説明すると同時に、各テーブルに一升瓶がドカドカと置かれる。
糖尿人である私に、日本酒は決してやさしい飲料ではない。しかし口に優しい。
染みわたる。
静かに澄み渡った小池に、一石を投じた如く、口の中に波紋が広がる。(マンガ「神の雫」のセリフみたい)
「義侠」、「あらばしり」、「大英勇」(最初「大勇」と読んでいたが、「大」と「勇」の間に小さな赤い字で「英」と書かれてあった。)、「倭小槌」などなど
全部で9種類。飲む毎に、水の違いや作り方の違い、原料の米の違いが伝わってくる。

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来月3月26日、種類は違えどこの日本酒たちが東京新宿の我が店「歓[fun]」にやってくる。
日時:3月26日(土曜日)14:00
場所:新宿 歓[fun]
会費:12000円
お楽しみに!
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このあと、もう一軒連れて行かれ、10:36発の新幹線で帰路につく。