『カビラJ(ジェイ)』その2

鶴瓶さんから依頼を受けたちゅうかチマキ70個だ。
パルコ劇場にて開催されている「ショーガール」に出演されている川平慈英さんへの笑福亭鶴瓶さんからの差し入れだ。
HONDAキャノピーに乗せて、明治通りを一路パルコ劇場へ。
パルコ劇場のあるパルコの地下に駐車場&駐輪場がある。地下2階だ。
そこから劇場のある9階へエレベーターで上がる。
台車や大きな荷物を運ぶ業務用エレベーターと、人が乗る小型エレベーター2基ついている。

先についたのは業務用の大きなエレベーターだった。チマキを入れた発泡スチロールを両手に抱いてエレベーターに乗り込む。
「9」階のボタンを押し、「閉」のボタンを押し、エレベーターの上昇を待つ。
階数の数値に沿った小さなボタンが連動して点滅していく。

B2から、B1、1、2・・・とランプの点灯が移っていく。
と、その上にある鏡が眼に入る。
ん?
顔が映っていない。鏡でなくモニターだ。
モニターとわかったと同時に、その中央に映る人物が自分の後ろ姿だと判明する。

(あれ?白く光っているのは何?)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれは・・・俺の後頭部だ・・・
!!!!!

家内からからかう口調で
「ハゲ!」
外見に気を使わないタイプの私は
「あ、そ」
軽く受け流す。
それもそのはず、私のハゲはザビエルハゲだ。自分で確認しづらい位置にハゲがある。

モニターに映る後頭部は、誰がどう言い繕おうが、間違いなく「ハゲ!」だ。
その「ハゲ」の持ち主は、間違いなく私だ。
(ここまで・・・・・・!)

親しくしている美容室がある。
つい最近カットして貰った。
自身の容姿に、あまり気を使わない私がカットにかかる美容室の主に
「短く、短く、とにかく短く!」
「ほんといいの?」
「大丈夫!自分じゃ自分の顔を見ること一日に2回くらいしかないから・・・」
「それにこのハゲじゃ、気を使ったってしょうがない」
「そんなことないよ!これだけあれば大丈夫よ」
(これだけあれば)のフレーズに引っかかりつつ
「大丈夫!短く短く、短くね!」

エレベーターのモニターに映る自分の後頭部は
「これだけあれば」という言葉が、まさに営業トークと思い知らされる。
「ああ無毛!」 by レ・ミゼラブル

鶴瓶さんと『カビラJ(ジェイ)』

コールが鳴る。携帯のコール名は鶴瓶さんだ。
「もしもしぃ、鶴瓶ですが・・・」
「梅橋です。おはようございます。」
「今日の明日じゃ、チマキの配達は無理ですよね?」
「明日の何時でしょうか?夕方でしたら何とか出来ますが」
「えっ、出来はりますか!先方に電話して(配達する)時間が大丈夫か、聞いてみますよって、ちょっと待ってえな」

三角錐の形をした中華チマキのことだ。
一回の受注が最低でも50個。
平均すると、一回のチマキの受注は70個ほど。
ちなみに去年の12月は1ヶ月の受注数が1000個になった。
これだけの個数になると売上としても馬鹿にならない。
鶴瓶さんの知り合いのタレントさんや歌手に『楽屋見舞い』として贈られる中華チマキだ。
発泡スチロールの内側に少しでも熱い状態で提供できるようにと、アルミホイルを敷きつめる。
個数が個数だけに3時間はホカホカ状態で提供している。
鶴瓶さんとしても、食べられないお花や(冷たい)お寿司、甘いお菓子よりも、喜んで貰えて、金額としても妥当な価格のチマキを重宝されているようだ。
ご本人も美味しいとお気に召していらっしゃる。

再コールに
「お願いします。夕方4時頃でどうでっしゃろ。70個」
「鶴瓶さん、場所はどこですか?」
「あ、パルコ劇場です、知ってはりますか?」
「ええ、大丈夫です。何度も行ってます。で、どなたに?」
「かびらじぇいですぅ」

芸能界に疎いことには定評がある私、でも電話向こうの鶴瓶さんは(知っていて当然)という感じで話される。
1秒2秒の沈黙が私に訪れる。
正直(聞いたことある名前だなぁ・・・確かサッカーの解説かアナウンスかしてなかったっけ?)
その1秒2秒の沈黙に鶴瓶さんが不安に思われたんだろう
「川に平と書いて”カビラ”・・・」
頭は混乱する。たしかカビラ云々は、外人っぽい顔をしたタレントじゃなかったっけ?
思い込みはすごい!
外人ぽい顔だから『カビラジェイ』は、横文字の「カビラ」に、Jリーグの解説をしていたから、その「J」だと思っていた。
(私が名付けて)『カビラ J(ジェイ)』

たまりかねた鶴瓶さん
「漢字でっせ!川平(かわひら)でっせ!」
(・・・後で調べれりゃ何とかわかるだろ!)
そう思った私はあたふたと
「もちろんですよ、鶴瓶さん、わかってますよ!」
「もう、頼んまっせ」
漫才だ。

鶴瓶さんも私も不安満載で電話応答は終了。
ネットで調べた。
『川平慈英』
日本人離れした顔と、イングリッシュっぽい話し方と、純日本風な名前・・・・。
違和感ありすぎでしょう!この名前。
日本人だったら「かわひら」か「かわだいら」でしょ!

勉強させていただきました。
鶴瓶さんありがとうございます。

久し振りの休暇3(インフルエンザ)

2016-02-22 16.40.32

歩き疲れたのか、アルコール漬けの二日間に疲れたのか、帰りの新幹線は身体がギシギシ軋む。新幹線のシートでもだえながら自身でも微熱を感じてきた。
(あー、これはちょっとやばいかな!)

夜11時帰着。そのまま布団に入る。家内が後楽園からの仕事を終え、帰ったのも気がつかない。眠りこける。
深夜時々目が覚め、喉の渇きを癒す。起き上がるのもけだるい。

定刻に目が覚め、出勤。朝の掃除を終えランチの準備を始める。
このころまでは(ま、何とかなるだろう)的だった。咳が出始める。
気管支のところが痛い!
ホールで一緒に仕事をしている娘が、
「社長、帰って下さい。ちゃんと寝て下さい」
「おい、まだ1時だぞ。これからまだまだお客様来るぞ!」
「私一人で大丈夫です。風邪直して下さい。」
私を見る目つきは”バイ菌”を見ている。
(ははぁ、風邪がうつると思ってるな!)
ま、いいか。身体だるいし・・・。言葉に甘えて帰宅することにした。

布団にいるやいなや、熟睡モードになる。暖房を入れても寒さを感じる・・・。
5時半。熱を測る。39度8分。
「やられたー!」
これは単なる風邪か、インフルエンザか、という段階に来た。
近所にある薬局「龍生堂」へ、状態を伝えると
「インフルエンザのようですね。これは処方箋なので病院の診察を受けて下さい」
あ、そ。インフルって医者の診断が必要なんだ。
薬局で紹介された近くの病院に行く。
「検査しますから、ベッドに横になって下さい」
「ちょっと痛いですよ」
と綿棒らしき、先端に検査薬を塗ったものをいきなり突き刺す。
女医さんだったが、この痛さはマジでむかついた。
涙目で女医さんをにらむ。
女医さんと交代して男性医師が近寄ってくる。
「インフルエンザですねぇ。A型です」
吸入薬を貰い目の前で吸引。しかる後。
「受付で処方箋渡します。」

薬局に戻り、処方薬を貰う。
おかげで翌朝には37度まで体温は下がる。
明日からは仕事が出来るなぁと思い、
「悪いね、今日まで休ませて貰うよ。」
「社長、とんでもない!もっと休んで下さい」
「出てきたら駄目ですよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「お願いだから、休んで下さいよ。」
私はバイ菌になった・・・・・。

金曜日まで休む。まるまる一週間。
本人はインフルエンザの感染する重大性がまるでわかってない。でも言いつけにしたがって4日間どこも出かけずに自宅療養。
おかげで熱は平熱。そして京都から帰った直後の体重が76.2kg
そして今、61.8kg。62kgを切ってしまった。
(なんか、インフルエンザって、すげーぇ!)

大阪京都行きを含めてじつに1週間の休暇でした。

久し振りの休暇2(京都行脚)

2016-02-21 17.19.22 2016-02-21 16.35.56 2016-02-21 16.21.48 2016-02-21 16.17.52 2016-02-21 16.07.45 2016-02-21 15.42.04 2016-02-21 15.35.29ホテルのチェックアウトが10:00
ホテルの朝食をゆっくり済ませ、京都へ向かう。
「猪肉と熟成日本酒」がメインなのだが、開始は夕方4時。
さてさて、それまで同時間をつぶそうかな・・・。
折しも日曜日。どこもかしこも人ばかり。半分以上が外国語。
(さすが京都!!!)
会場から遠くなく、京都美術館でもと思いしや京都マラソン開催中。
(ありゃ、道路を渡れないじゃないの!)
 
とりあえず京都大学医学部近くの会場を確認。マラソンコースにかぶらないよう淀川沿い神宮丸太町から三条、四条と下り、西に足を向け二条城、京都御所(御苑?)と、歩きに歩く。
リュックには、余った時間、新幹線の中でするつもりだった仕事で使用するパソコン。
重い!他にもカメラなどけっこう重量物が入っている。
歩くのは自信もあり好きだったから苦にならないのだが、さすがに疲れてきた。

15分ほど前に会場到着。それでも一番乗りだ。
お店の屋号も「ぼたん」
普段も猪がメインなのかな、と想像をめぐらせる。
むき出しの天井にカウンターと、奥に段差のあるテーブル席が6個ほど。
ボチボチとお客様が集まってくる。私を含めて東京からも4名。お客様総勢30名様弱だろうか。

本日のメインは何と言っても日本酒。
仕切人であるK氏が説明すると同時に、各テーブルに一升瓶がドカドカと置かれる。
糖尿人である私に、日本酒は決してやさしい飲料ではない。しかし口に優しい。
染みわたる。
静かに澄み渡った小池に、一石を投じた如く、口の中に波紋が広がる。(マンガ「神の雫」のセリフみたい)
「義侠」、「あらばしり」、「大英勇」(最初「大勇」と読んでいたが、「大」と「勇」の間に小さな赤い字で「英」と書かれてあった。)、「倭小槌」などなど
全部で9種類。飲む毎に、水の違いや作り方の違い、原料の米の違いが伝わってくる。

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来月3月26日、種類は違えどこの日本酒たちが東京新宿の我が店「歓[fun]」にやってくる。
日時:3月26日(土曜日)14:00
場所:新宿 歓[fun]
会費:12000円
お楽しみに!
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このあと、もう一軒連れて行かれ、10:36発の新幹線で帰路につく。

久し振りの休暇1(大阪の夜)

2016-02-20 19.44.44 2016-02-20 19.08.36 HDR 2016-02-20 18.50.40 2016-02-20 18.40.55 2016-02-21 15.42.04 2016-02-20 21.00.28
お客様から誘いを受けて先週土曜日(2月20日)大阪京都に向かう。
一泊目は大阪梅田。
たぶん記憶にある大阪は、大阪万博だと思う。
実に45年ぶり?

20年の親交のあるI氏に独断と偏見の大阪美味博覧会を案内していただく。
寝るだけのホテルに荷物を残し、I氏と連れ添い梅田の繁華街。夜の町に繰り出す。
飲んだ、喰った!喰った、飲んだ!
淀屋橋?梅田?北新地?
町の名前もうろ覚え。旧友との、場所を違えた再会に、どうしてもテンションは上がりっぱなし。
もちろん料理は美味いが、再会が美味いスパイスになっている。
 
いっぱい連れて行かれたが、少しずつ疲れが蓄積してきたようだ。
若かったら、もう少し飲めたのに・・もう少し食べられたのに・・
ホテルまで送っていただいた。
これから先、この人とこんな飲み方は、一度あるかないか。
美味しいんじゃなく、めちゃ嬉しい酒席だった。
感謝感謝感謝

翌日のメイン「猪肉と熟成日本酒の会」に向かう。

「おやじダイエット部の奇跡」の著者 桐山秀樹氏の訃報

―― 「おやじダイエット部の奇跡」の桐山先生が鬼籍には入れました。

できたての、日本初の糖質制限中国料理『梅花(メイフア)』を世に送り出すきっかけを作ってくれたのがこの本でした。

数回梅花(メイフア)に取材に来られ、書籍発刊。 第1回目の糖質制限ブームの幕開けだったと、今では思っています。

やがてそれはTBS「アカルイ☆ミライ」で取り上げられ、京都焼き肉の南山とともにテレビで紹介される運びになりました。

糖質制限を信奉している方々が、機会あるごとに梅花(メイフア)に集まってきました。 桐山先生が、太っていた時代の画像やブカブカのジャケットを用意され、集まった皆様に面白可笑しく披露されていました。 人なつっこい笑顔で、それぞれのテーブルを万遍なく回られ、お話しを聞かれていました。今となっては取材だったのか、先生のお人柄だったのか不明ですが、回るテーブル毎に嬌声が上がっていたのを思い出します。

これから先、「糖質制限」は間違いなく世の中に浸透していくと確信しております。 正しさが世を凌駕していく、まさしく手本のような「糖質制限」

その広報を担っていられた桐山先生の功績は筆舌に尽くしがたいものがあり、桐山先生の訃報は無くした大きさを逆に物語っています。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。 桐山先生、ありがとうございました。

伊勢丹のお節

2015年お節パンフ

歓[fun]に夜遅く一人でやってくる年配の女性がいらっしゃる。
お酒は召し上がらないのだが、少量のつまみを召し上がりながら、カウンター越しにいろいろと話しに来られる。
この方、伊勢丹のお酒売り場で勤務されている。伊勢丹の歴史とまでは言わないが、かなり長期に仕事をされている。ある意味、主だ。
いろいろな情報を提供して貰える。やはり伊勢丹、それも地下一階の食品売り場の話題が多い。
10月始まって間もなくのこと。
「あんたー、初日の伊勢丹のお節いくら売ったと思う?」
「去年は1500万円だったの」
えっ!
これだけでも衝撃だった。
「今年はね、2900万円よ。ほとんど去年の倍よ!」
えっ!

歓[fun]のお節は、今年の準備は早かった。例年11月末にやっと案内を出せる段取りだった。
今年は10月半ばに、昨年配送した方を中心にご案内申し上げた。

2900万円・・・・何個売ったら、こういう売上になるんだ?
お節の単価の幅は?
単価平均は?
歓[fun]のお節は毎年70個ほど。
売上金額にして200万円。
年末年始ほぼ一週間お店の休みになる。
一週間の休みがあっても固定費(人件費と家賃)は変わらない。
それだけ分は稼がなくてはならない。
ここ数年は低迷して120~150万円ほど。

さあ、今年こそ挽回するぞ!
と張り切って準備を始め、それが終わったタイミングで聞かされた情報。
伊勢丹とは比べくもないが、思わずため息が出てきた。

三遊亭歌武蔵師匠 落語大相撲千秋楽!

今月26日三遊亭歌武蔵師匠をお呼びしての「後楽園歓[fun]演芸場」
もう少しお客様が欲しい。
糖尿病と闘いながら、そんなことはみじんも感じさせずに、迫力ある声で集まったお客様を圧倒する。この歌武蔵師匠の落語を聞いて貰いたい。
 
北山調理長にそんな話しをしたら、
「料理の写真出しませんか?」
それなりに心配してくれる。嬉しいね。
当日のメニューはもう出ている。
―――――――――――――――
1、前菜
・ホエイジュース
・クラゲ
・ヨダレ鶏
・青魚マリネ
・ヨーグルト、エビの和えもの
・青ザーサイと押し豆腐
2、合鴨のサラダ風カルパッチョ
3、エビとマコモ竹のマレー風炒め
4、サーモンの甘辛炒め
5、オースト牛バラ肉の煮込み
6、大豆麺
7、杏仁豆腐
  エッグタルト
コース全部合わせて糖質量は 32.7g 
まだおにぎり1個に届かない。
―――――――――――――――
このなかの2)合鴨のサラダ風カルパッチョと、
3)エビとマコモ竹のマレー風炒めを調理長が作ってくれた。
当日は使う野菜が多少変わるらしいのだが・・・
 
あいかわらず美味い味を出している。
もっとこういう料理をたくさん出したいのだろうな、と心意気を感じる。
 
2)合鴨のカルパッチョ風
   どこの合鴨を使ったのか知らないが、素材を選んだ時点で”旨い”
ソースは黒酢の香りがツーンと鼻をつく。
 
3)エビとマコモ竹のマレー風
   野菜が旨い。ソースをつけないで食べても旨い。シャッキとした感と歯に伝わる野菜のやさしい弾力が、いわゆる歯ごたえが良い。でソースのマレー風・・・・!!! 料理がまるで変わる!ココナッツ粉、干し海老と唐辛子で作ったソースと言うが、辛さ香りはさほどでもないのだが、スパイシーといったら良いのか、料理がガラッと変わる。これは面白い!
 
というところでこの二品の料理写真をご覧あれ。
まだまだお席空いています。
落語と料理だけで5000円。お酒飲み放題がついて7000円です。
10月26日(月曜日)18:30開場、19:00開宴
丸ノ内線、後楽園駅5F 糖質Off中華 歓[fun]
03-5840-8841
 
お待ちしています。201510三遊亭歌武蔵三遊亭歌武蔵歌武蔵合鴨歌武蔵エビマレ2

9月29日『鉄板劇場!』開催

歓[fun]新宿店にて、今月9月29日に開催イベント密かに進行中。
フカヒレをお一人様一枚ずつつけての「鉄板劇場」
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日時:9月29日火曜日19時より開宴。
会費:7000円(全コース7品、飲料、税込み)
場所:歓[fun]新宿店(新宿区新宿6-7-3)
電話:03-3341-8100
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笹塚と歌舞伎町に店舗を構える広島お好み焼き「鉄板べービー」を営む傍ら、本業であるも役者を続ける深来勝(ふかきまさる)氏が、仲間を引き連れて歓[fun]にやってきます。
 
やってくれるのは即興劇!
まずはお客様に思い思いの文言を手渡された紙片に書いて貰います。
その紙片を細かに折り、床にちりばめます。
 
さあ、即興劇「鉄板劇場」の始まりです。
ストーリーもへったくれもありません。
お客様の書き込んだメッセージがストーリーです。
本業が役者だけ合って、声がお店の隅々まで、お客様の心の奥底まで響いてきます。
お客様のメッセージでストーリーが刻々と変化していきます。
お客様の数が多ければ多いほど変速係数も大きくなります。
『チンジャラチンジャラ!』
パチンコの”確変”と同じで、もはや誰にも止められません。
 
秋の夜長を、秋の味覚とともにお楽しみください。
まずはお電話ください。

 
梅橋 嘉博さんの写真

失念・・・・

8月31日月曜日朝、出がけに妻に言われた。
「チマキはどこへ持って行ったの?」
配達場所のことを聞かれたのだが、一瞬
「えっ?」
瞬間思い出した!
日曜日にチマキの配達を頼まれていたのだ。
70個。楽屋見舞いのお品だ。
依頼主はチョー有名な落語家さん。
(なんてっこったい!何で忘れたんだぁ!)
スマホで検索する。楽屋見舞いのはずの舞台のスケジュールだ。
ああ・・・昨日が千秋楽だ。
ああ・・・終わりだ。取り返しがつかない。
どういう手段を使っても取り返しがつかない。
チョー有名な落語家さんに電話を入れる。
が、留守電。
お詫びのメールを入れる。
ひたすらひたすら
「スミマセン。スミマセン」
「失念してました」
「後ほどまた電話を入れます」
間髪入れず再度電話。
今度は留守電に繋がる。
留守電にお詫びの電話!
―――――――――――――――
配達前日の土曜日、後楽園店に勤める妻と一緒の休みだった。
久し振りに二人で休める休日だった。
同郷の友人で落語家さんが勤める舞台を二人で見に行く手はずを整えていた。
前述の楽屋見舞いを頼まれていた落語家さんとは別な人で、桂竹丸師匠。
舞台は「霧島の花嫁」
霧島の老舗旅館に嫁ぐコメディー舞台。
主人公は宝塚のトップを務めた愛華みれさん。
鹿児島弁がふんだんに織り込まれた、鹿児島県人用と誤解されても仕方ないような、ローカルな脚本だった。
しかし楽しめた。
落語以上に面白い演技を竹丸師匠が魅せてくれた。

そして観劇の後は二人で長男の嫁の実家、町田市に出かける。.
嫁の父がつい先日他界した。
仕事の都合で通夜も葬式も行けなかった。
そのお詫びも兼ねて、線香を上げにうかがったのだ。
―――――――――――――――
失念は、そんないろいろが土曜日にあったためであった。
日曜日の配達をまったく見落としていた。
しかし言い訳にもならない!

当の落語家さんから電話があった。
関西弁で
「何があったん?」
来店も数回あり、電話口での会話は数知れず。
くだけた感じの口調だ。
「スミマセン!スミマセン!」
「すっかり失念してました。配達できませんでした」
案の定怒られた。
「何でだんねん。こんなことがあったら旦那さんのこと信用できまへんがな」
「その通りです。取り返しのつかない事しました」
そのくり返しがあった後、
「これからは気ぃ付けといてな-」
関西弁で言う・・・・
「しかし旦那さん、相当あわててましたなぁ!」
電話口で笑い声が漏れる。
その声でホッとする。
「すでに頼まれているチマキの配達どうしましょう?」
「ああそれは持っててぇな」
感謝感謝。

朝のランチの準備が終わるまでの、小一時間ほどの出来事。
でもでも疲れたあ。一日のエネルギー全部使ったような・・・・。
そして二度と起こらない工夫を何か・・・・・・・