2022年 7月 の投稿一覧

目をつぶろう

東京都で31,593人の感染者数と発表。火曜日では最多だと。
同じように発表してくれないかな、
「飲食店の来店者数最低を更新!」
「火曜日での来客数は最低を記録!」
って。
報道が偏りすぎてる。
マスコミ、いっちょまえの正義漢面するんじゃない!

7月はまだ終わってないが、今月ディナータイムのノーゲストは2日間になる。
今日もノーゲストになりそうな雰囲気が漂っている。
昨日は数少ない予約のキャンセル電話が3本。

店内には、私を含めて4名が待機している。
20時頃までは待機予定だが、店にいたたまれない。
ヒマな時はついついネガティブに物事を考えてしまう。そしていっそう気が滅入ってくる。程度の差はあれ、従業員も気持ちが萎えているのを感じる。
不思議なものでヒマを持て余している時には、考え方はポジティブにはまず働かない。

さぁ、ずらかろうか、お店を。
さぁ、さぼうろか、お店を。
ヒマな店は見ないに超したことない。
目をつぶろう。
見なきゃ、悲観的な見方もせずに済む。

万単位の感染者が出る様になってから、この地域だけでなく繁華街全体に人出が少なくなっている。

つい先ほど、鶴瓶さんからチマキの注文をいただいた。
ずいぶんと久しぶりだ。
注文個数は少なかったが、鶴瓶さんの声が聞けた。
こちらを気遣っているのが、電話の声の向こうから伝わってくる。
こういう一言で、ヒマ疲れが吹き飛ぶのだ。

私も近隣のお店に、気遣いの言葉をかけに出かけよう!
商店会長としてのお仕事だし、けっして(サボろう・・)とかの邪心じゃないんだもん。

フレンチ「みくに」

赤坂迎賓館近く、新宿区若葉町にフレンチ「みくに」がある。
飲食組合理事の会合でこのお店を使った。

小さな路地が入り組んだ高級住宅街の一角にそのお店はあった。
普通の感覚で言えば、こんな立地での出店はおそらく考えられない。
黒服が入口に出迎える。見えている範囲で4名はいた。
お断りして置くが、「みくに」はホテルではなくレストランだ。

建物入り口近くに10名程度の待合室があった。混んでいる時にはきっと客席として利用されているのだろうな、と思うくらい豪華である。
カウンターにマホガニーが使われている。
マホガニーはギターを作る素材だ。 新橋で出店した「梅花メイフア」のカウンターに使った。確か1枚が100万円程度した代物だ。そんなカウンターが無造作に飾ってある。後で知ることになるが、自分たちが食した宴会場にもマホガニーのドリンクカウンターが設置してあった。視線の角度を変える毎に木目調の美しい艶が七変化していくのだ。

「みくに」のオーナーは私と同じ69歳。北海道出身。地元じゃないのだ。身ひとつで料理の世界に入り、大きな屋敷を店舗に改装し、そこでお客様を魅了している。
この「みくに」今年いっぱいで閉店。建物の建て替えとのこと。敷地が大きい分、建物も大きくなるそうで竣工まで三年弱を要するのだとか。
で、その間、都心部で1,000坪のレストラン開業の予定だと話す。

名刺交換した。
なんと彼の名刺は12枚あった。束にしてビニールにファイリングしてあり、束ごと渡された。
日本各地の観光大使になっていた。北海道、石川、島根など、県もあれば市もある。食材を仕入れる産地の観光大使なのだ。

本日の予算は1万円。会員の一人が「みくに」の近くで鯛焼き「若葉」(江戸三大鯛焼きのひとつ)を営む方であり、その方の紹介でワイン付きでのランチになった。
この方にディナーの予算を聞いた。
「料理だけで3万円とみてたほうがいいですね。」
「ワインを呑んで5万円・・・」
何もかもが私の想定の上を行っていた。

私と同年齢だから、身体もそうそう元気ではあるまい。それは、たくさんのスタッフ、顧客が彼の周りに集まっていて彼を助けていることを意味する。
同じ歳に生まれ、同じ食の世界に身を置き、でも・・・・・・。

豪華さが控えめに感じさせる、おしゃれな室内。
美味しい料理、美味しいワイン、 二重三重に重ねた高級感あふれる皿の数々。
10枚5万円ほどの皿を買うのに二日間を要した悩んだ私は、ただただため息をつくばかり。

31878

全国で30万人越え。東京都でも3万人を越えて31,878人。
反比例して、当店のお客様、この時間になってもノーゲスト(ゼロ)
やりきれない。
手の打ちようがない。
ヒマ任せで、三丁目に偵察に行ってきた。
多少の人通りはあるものの人数は少ない。

今日7月21日までの売上を見てみる。
それでも昨年比、倍額くらいは売上ている。
去年よりはマシなのだが、まったく実感が湧かない。
給与は20日締めで月末払い。7月の給与は昨日締め切った。
手元資金はまだまだ余裕があるのだが、支払いを考えるとキューッと胸が締め付けられる。

自分で社長業をしているから言うわけじゃないが、世の中で社長と呼ばれる人たちが一番仕事していると思う。気が休まらない。社長業を始めてからずーっと感じていることだ。若い頃は有り余る元気があったから、多少の疲れも、ピンチも、さほど苦労とは考えなかったし感じなかった。

そろそろコロナは「最終章だ」と残った力を振り絞って踏ん張ろうとした矢先、コロナ禍の出口の光が、スーッと遠のく。

山崎12年もの

お客様が山崎を持ってきた。
お客様は閉店間際にやってきた。
銀座からタクシー飛ばしてやってきた。
(最初から歓でやれよ!)は押し殺し、まずは
「いらっしゃいませ。」

コロナ感染者数が万単位で増えてきた。感染力は大きいものの毒性はかなり低い。でも会社は用心する。
ランチも夜もお客様は1月2月頃みたいに激減する。

そんななかをタクシー2台にわけて5名様がいらっしゃったのだ。
銀座から山崎12年ものを封を開けずに持ってきてくれたのだ。
美味しさ一塩じゃないか!
呑まずにいらりょうか!
私にもロックグラスで回ってきた。

山崎12年ものの麦を焦がした匂いがグラスから立ち上がる。
12年ものか20年ものか知らんが、価格(年数)が高くなるにつれ”香り”は間違いなく”高く”なる。芳香だ。”芳しさ”なのだ。
ワインも同じだった。
香りに値がつく。と思う。
時間が作った香りだ。

長らく生きてくると、離れていく人あれば引き寄せられてくる人も居る。
引き寄せられてくる人に限って言えば、共有できる人たちなんだと思う。
共有できる、それは時間と価値観。
「同じ時間を共有する。」
「同じ価値観を共有する。」
それが類を引き寄せる。

一人以外は、ほぼ初めて顔を合わせる方たちだ。
でも、共有できる何かを持っている・・、それが分かっている人たち。
嬉しいし、酒(山崎12年もの)が旨い!

遺憾の意を伝える

例えば中国や尖閣諸島付近で石油採掘の試掘したり、韓国の議員が竹島に上陸した、など日本が望まないことを外国がした時に使われる常套句。
「領事館や大使館を通して、中国(韓国)に遺憾の意を伝えた。」
とセリフがよく流れる。
この「遺憾」って何?
前後の流れからくみ取って、遺憾は「抗議」をしていることだろうと思っていた。
外交関係だけでなく、お役人たちは「遺憾」が大好きだ。

「遺憾」を英訳した。
regret 発音は、レグレット?リグレット?
pityというのもあった。
この二つのフレーズを、さらに和訳してみた。
「残念」「残念なこと」と出る。

何だか肩透かしにあった様な気分だ。

日本の海域で無断で採掘する。
「ああ残念だ!」
と言ってるに等しい。
それを聞いた当事者の外国はおそらく
「日本は”残念”らしいぜ。そのくらいだから、もうちょっと掘っても大丈夫そうだぞ。」
という反応を示しているんだろうな、と想像する。

まるで空気銃みたいに効果のない「遺憾砲」を政治家はあっちこっちでぶっ放す。
遺憾砲・・・これって”残念”って訳すよりも「屁こき」って訳した方がピッタリこない?

予約キャンセル?

明日6名の予約があった。
今朝確認すると、予約帳に書いてあった予約欄に横線が引っ張ってあって「キャンセル」の文字。
来週末の土曜日の大きな予約も
「キャンセルの可能性があります、いつまでだったら間に合いますか?」
の問い合わせ。
コロナ感染の拡大の影響だ。
何だかなぁ・・・。

都知事の小池さんも、政府も行動規制する予定はないと言う。
経済活動に支障はないはずなのだ。
マスク着用など、普段の注意で十分との見解だと思う。
あっという間に1万人越え。感染力は強いものの、重症者数は少なく死者はいない。もう普通の風邪なのだ。
しかし感染拡大の影響は甚大だ。

新宿三丁目や歌舞伎町は人出が戻ってきている。
三丁目を歩いてみる。人出は多いが、ほぼ20代、30代の若者たちだ。
50歳過ぎの年寄りが少ない、というよりほぼ見かけない。
消費は若者中心だ、というのが鮮明だ。
概して年寄りは臆病になり慎重になる。
スタッフも顧客も高年齢者が多い歓ファンでは、客足の戻りは鈍い。

お客様がまだまだ戻らない中でのコロナ変異種の再拡大。
まだまだ覚悟が必要な様だ、とあらためて思い知らされる。
預金の残高を見て、余力を測る。
さあ、今のうちに旗手挽回の手立てを打て!

「よっこらしょ!」
フットワークの軽い私だが、立ち上がるのに気合いが必要な歳になってきた。

夫婦の終わり

数日前のニュース

「警視庁東村山署員が駆け付けたところ、2階の部屋でいずれも90代とみられる男性が布団の上で、女性が男性の足元の絨毯の上で死亡していた。男性は死後1週間程度、女性は1~2日程度経過していた。」

このニュースを見た家内がポツンと
「夫婦でこういう亡くなり方できたらいいね。」
夫婦が別々に生きていた時間が、たった一週間という点に彼女の関心が向いた様だった。

なにげにポツンと漏らした言葉に、私は何も応えなかった。心中は
(ふうん、こいつ、こんなふうに夫婦というのを捉えてるんだ・・。)
そして
(オレで良かったんだ、連れ添いは・・・)

彼女に助けられたことは多々あったが、私が彼女にして上げられたのは、・・・記憶をたどってみたが、ほぼない。誕生日や記念日で、ちょっとしたことでプレゼントしたことはあったが、感動的な彼女に対するプレゼンは思い出せない。
というか、つい最近あった結婚記念日(7月1日)も忘れてた。

「ホントにオレで良かったのか?」と聞きたくなったが、照れくさくて、とてもじゃないが言葉に出来ない。
ま、及第点になる70点はつけられる夫婦だったのかな。
中身は妻90点で、私は60点?
で、二人合わせた平均が70点という所か。

夫婦をしてられるのは、あと10年?20年?くらいかな。
言葉に出来ないけど、よろしくね。

木曽の御嶽山

数年前、御嶽山が噴火して大きな災害が起きた。

数ある山の中で、木曽の御嶽山は、私の大好きな山のひとつだ。
木曽福島駅で下車し、登山口までバスを使い、そこから登頂を目ざす。
確か3000メートルちょっとの標高だったと記憶している。
山頂にある山小屋で二泊ほどして下山するのが、いつもパターンだった。

登山途中で山伏姿の行者。
途中途中に、
「よく来たな。先は長い、ばてるなよ。」と声かけてくれる石仏たち。
御嶽山は信仰の山なのだ。

3000メートル級の山になると、しっかりした装備は必須だ。
避難できず1時間近く岩陰で雨を凌でも、体温が急激に下がり、自分の唇がたぶん紫色になっているだろうを、鏡がなくとも感じる。
(この雨が30分続いちゃうと、オレ、やばいなぁ!)

濃い霧に包まれ視界が遮られる中恐る恐る足を踏み出していると、一陣の風が霧をサーッと払ってくれる。一瞬濃霧がなくなり視界が良好になる。そこには私を飲み込もうとする絶壁が待ち構えていた。もう一歩踏み出してたら、奈落。

3000メートル級の山々は重装備をしていてもそんな危険にいっぱい出会う。
それが山だと信じている。
だから遭難を含め、山での危険は自己責任だ。これが基本だ。
どんなに安全を唱っていても、山はけっして油断しちゃいけない場所だ。

安倍首相の訃報のニュースの片隅に小さく
「御嶽山の噴火に対して、災難に遭った遺族が国、県に賠償請求」
の記事が載っていた。
噴火が予知できたはずだ、だから賠償、という内容だ。
残された遺族の無念さが伝わるが、噴火の予知を国、県に求めるのは無理筋だ。
噴火をも含めて「山」なのだ。

郷里鹿児島の、錦江湾にたたずむ桜島が頻繁に爆発し、その火山灰が我が町にも降ってくる。視界が悪くなり、目が開けられなくなり、閉じていても口中は火山灰でガリガリする。風が吹けば道路に堆積していた灰が再び舞い上がる。

登山途中でそんな噴火に出会ったら、
「呼吸の確保」岩陰や木陰への「火山弾からの避難」をまず、その次に避難路の確保となるんだろうな。
御嶽山噴火の映像ニュースを見た時に、何度も登った山だけに、具体的なシミュレーションを繰り返した。ふたたび私が御嶽山に登った時、噴火に出会わないという保証はない。
でも、それでも噴火に至近距離で直面すれば、ま、最悪を覚悟するだろうな。

それほど私にとって山は安全な場所ではない。そんな山に登るからにはあらゆる危険の想定をする。最悪を想定し、そしてそれでも山に登る。

「噴火が予想されたら、山には登らせなかった。」
というコメントが載っていた。
(ちょっと違うよな・・・・・。)
私の率直な感想だ。

安倍首相死去

一国の元首相が暗殺されるという、私のなかでもかなり衝撃的なニュースだった。
日本が少しずついびつになってきている・・。
理不尽差への憤りよりも、虚しさ、空虚感が大きい。
先代、先々代から営々と築き上げてきた平和を一瞬でひっくり返された虚しさだ。

生きているといろいろな不満が出てくる。どんな生き方をしようと不平不満は尽きない。苦労や悩みは、たぶん死ぬまで着いてくるのだろう。100%正解は人生にはない。
でも、だから100%正解に近づける様に努力する。それは生きている人それぞれにあり、模索し、正解が出ないまま死に至る。

41歳の(私にとっては)若者が、こういう解決方法しか見つけられなかったとしたら、あまりにも悲しい。
そしてこの結果を、彼の家族が引き継ぐだろうし、自分だけで完結する処理方ではない。そこまでの思いにいたらなかったのか・・・。

安倍首相。
この方のやった様々な政策は賛否はいろいろあったと思う。
でも私はこの方は「日本の顔」としてふさわしかったと考えている。
国内向けの政策(アベノミクス)は(うん?日本を貧乏にした・・)とちょっと疑問になるが、「外交」という点では、私は及第点をつけている。
トータル、傑出した政治家だった、というのが私の率直な感想だ。

だが、前述した様にどんな政策をとったにしても100%正解はない。
選挙で選んだ私たちが最終的に、結果を呑むべきだ。と思う。

自分が思うような結果を出せなかったことに対しての、今回の行動。
「暴挙」につきる。
残念、無念、・・・・・そして一人の日本人としての虚しさ・・・