フレンチ「みくに」

赤坂迎賓館近く、新宿区若葉町にフレンチ「みくに」がある。
飲食組合理事の会合でこのお店を使った。

小さな路地が入り組んだ高級住宅街の一角にそのお店はあった。
普通の感覚で言えば、こんな立地での出店はおそらく考えられない。
黒服が入口に出迎える。見えている範囲で4名はいた。
お断りして置くが、「みくに」はホテルではなくレストランだ。

建物入り口近くに10名程度の待合室があった。混んでいる時にはきっと客席として利用されているのだろうな、と思うくらい豪華である。
カウンターにマホガニーが使われている。
マホガニーはギターを作る素材だ。 新橋で出店した「梅花メイフア」のカウンターに使った。確か1枚が100万円程度した代物だ。そんなカウンターが無造作に飾ってある。後で知ることになるが、自分たちが食した宴会場にもマホガニーのドリンクカウンターが設置してあった。視線の角度を変える毎に木目調の美しい艶が七変化していくのだ。

「みくに」のオーナーは私と同じ69歳。北海道出身。地元じゃないのだ。身ひとつで料理の世界に入り、大きな屋敷を店舗に改装し、そこでお客様を魅了している。
この「みくに」今年いっぱいで閉店。建物の建て替えとのこと。敷地が大きい分、建物も大きくなるそうで竣工まで三年弱を要するのだとか。
で、その間、都心部で1,000坪のレストラン開業の予定だと話す。

名刺交換した。
なんと彼の名刺は12枚あった。束にしてビニールにファイリングしてあり、束ごと渡された。
日本各地の観光大使になっていた。北海道、石川、島根など、県もあれば市もある。食材を仕入れる産地の観光大使なのだ。

本日の予算は1万円。会員の一人が「みくに」の近くで鯛焼き「若葉」(江戸三大鯛焼きのひとつ)を営む方であり、その方の紹介でワイン付きでのランチになった。
この方にディナーの予算を聞いた。
「料理だけで3万円とみてたほうがいいですね。」
「ワインを呑んで5万円・・・」
何もかもが私の想定の上を行っていた。

私と同年齢だから、身体もそうそう元気ではあるまい。それは、たくさんのスタッフ、顧客が彼の周りに集まっていて彼を助けていることを意味する。
同じ歳に生まれ、同じ食の世界に身を置き、でも・・・・・・。

豪華さが控えめに感じさせる、おしゃれな室内。
美味しい料理、美味しいワイン、 二重三重に重ねた高級感あふれる皿の数々。
10枚5万円ほどの皿を買うのに二日間を要した悩んだ私は、ただただため息をつくばかり。