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ランチタイムの憂鬱

いつもの半分以下。ランチの来客数のことだ。
ため息が出る。

いつも焼きそばを食べに来る女性のお客様、食事を終えてレジに。
「会社から外に出るなって言われているんです。」
「だから出にくくて・・・」
それでも来てくれるお客様に感謝なのだが、ありがとう以外の返す言葉が見つからない。本当なら
「また来てください。」
と言いたいのだが。
一呼吸置いて
「ありがとうございます。」
と伝える。彼女が出て行ってから、またため息がついて出る。

伊勢丹勤務の男性社員が一人でランチ。
この方も
「二人以上で食事に行くな、って上司が直接言いに来るんです。」
「だからスミマセン、なかなか来られなくて。」
そういうなか、わざわざ食事に来られる。感謝以外の何物でもないのだが、
また、ため息が出る。

ゴールデン街で一人きり盛りするママさん、テイクアウトで焼きそばのご注文。
「お店、1ヶ月休みます。」
「給付金の申請準備にかかります。」
と言う。
ゴールデン街の店舗はどこも非常に小さい。
10坪未満で一人で切り盛りできる店舗ばかりだ。
時短営業協力金、1日6万円出れば一ヶ月で180万円が支給される勘定だ。

いっぽう社員を三名使う私のお店も180万円(推定)。
夜八時までだと、夜のお客様はまず来ない。
ましてこれだけ飲食店がターゲットにされれば、間違いなく客足は遠のく。
正直休みたい。光熱費も人件費も安くて済む。

仮に休んだとしても、一日じゅう、そして一ヶ月間、家の中に籠もっていられるか、というとそれも難しい。

仕事も地獄、休むも地獄。
考えるだに、またため息が出てくる。


緊急事態宣言

とうとう緊急事態宣言出ちゃったね。
とうとう2,000人超え。
年末からの流れで、ある程度必然かな、時間の問題かなと覚悟してたけど。

飲食店は夜8時まで。
お酒は7時までとなっているので、ラストオーダー7時、閉店8時と解する。
さてさて歓はどうしましょうかね。
もちろん時短営業は守りますが、夜8時まで営業したとしても来客はほぼ求めきれない。
ランチだって、昨日今日はコロナ前の1/3程度。

本音は休みたい。少なくとも夜は休みたい。
その分の光熱費と人件費はかからない。
でもね、休ませる社員の生活を考えるとね、休めさせられないよね。
もうひとつ、仕事をしないときの虚しさは耐えがたいね。
それは私だけでなく、社員だってそうだよね。
まして、緊急事態でどこにも出かけられないし、行くにもどの店も同様に閉まっている。

部屋でジーッとしている。
無理だよ。特に若い人たちは無理だよ。
今の老いた自分だって外を歩きたい。
友と会いたい。

若かったら、もっと奔放に歩き・・・いや走り回っていると思う。
だからで歩き回る若い人たちを責められないし責める気もない。
目に見えないコロナに、ここまで怯えきって、ただただひたすら恐れおののき、嵐の過ぎるのを待つ・・・・。

何かがおかしいと思う。
これまでに流行った、たとえばペストとか、コレラだとか、エボラだとか。
過去の人たちはどう対処してきたのだろうか。
恐れおののいて、逃げ回って、感染や罹患、恐怖から逃げられたのだろうか。
無常観。あきらめという境地が必要なのでは。
いずれ、遅かれ早かれ、人は亡くなる。逃げようのない生者必滅の理なのだと思う。

人智ではどうしようない災禍に、必要以上に慄いているような気がする。
テレビをはじめとするメディアが賢(さか)しい顔をして、人を煽りまくり、恐怖に突き落とす。人々の死に対する怖さをブーストさせている。
メディア、無責任過ぎる。

コロナ新年

明けましておめでとうございます。

コロナに振り回された旧年でしたが、今年も正月から元気いっぱい突っ走っています。コロナがこれだけ元気だと人の力じゃとてもじゃなく抑えきれません。
ここまで来ると、怒り、悲しみ、苦しさ、驚きなど、人の様々な思いを通り超えて、
「もう、どうにでもしろ!」
と開き直るしかやりようがありません。
人の力で抑えきれると思うから、人によってはコロナを抑えきれない政府を非難します。
非難する方々、あなたたちはコロナを抑えきれるのですか?
抑えきれると思うのであれば、その解決方法も提示してください。
メディア、無責任すぎます。
煽るだけ煽って、人を不安視させ、自分たちは高みの立場で、かつ、困っている人の代弁者という形で発言されています。

こういうことを続けていると、YouTubeなどの新興メディアに取って代わられるも時間の問題と思えます。
スポンサー離れもドンドン進んで行くでしょう。
私もテレビを見る時間よりもスマホやパソコンを見る時間の方が圧倒的に多くなりました。

明後日1月7日から営業時間短縮要請で営業が夜8時までになりそうです。
今、関連ニュースを調べても、いつからなのか、いつまでなのか、罰則がつくのか、酒類を扱う飲食店とそうでない飲食店の線引きなど、いろいろと曖昧です
どちらにしても、どうにもならない。
この客足だと、営業はランチだけで十分です。
が、それだと社員の給料を出し切れない。社員の生活を維持するだけの金額に達しない。
ここに経営者の苦悩があります。


賀詞を述べるつもりでしたが、愚痴になってしまいました。反省。
経営者はいつだって前向きでなきゃいけない。反省。
人だってお金だって明るいところへ集まってくる。

今年の終わりに

お客様を入れての年内営業は昨日28日で最終でした。
本日から明日にかけて、お節の準備に取りかかります。
明日の夕方6時頃、宅配のヤマトに預けて年内全ての仕事が終了。
年明けの営業は4日からです。

これからお節の売り上げが加算されるので、11月を上回りますが、それがなければ11月より悪い忘年会シーズンとなりました。
個人の力ではどうしようもないくらいの圧倒的にコロナの勝ちです。
ここまで来ると逆に「アッパレ!」と叫びたくなります。
借金も膨れ上がり、事業を継続するためにはさらなる借金が待っています。

コロナ故に新たな借金が可能と考えておりますが、こればかりは蓋を開けてみなくてはわかりません。年明け早々この融資の申請準備が始まります。
融資が決定すれば、新規事業に対してのアプローチも始まります。
という感じで、シビアな戦いが新年度から始まります。
圧倒的なコロナ禍相手の負けっぷりに勝負を諦めていた私、今月半ば頃より、 ようやく戦う気力が戻ってきました。
やるだけやってKO負けだったら、その時にはあらためて事業継続を諦めます。
2021年、67歳のチャレンジです。

1月に後楽園店を閉鎖し、以来艱難辛苦の一年でしたが、その都度いろいろな方に助けていただきました。励ましていただきました。

私の同級生たちは開催できない同窓会に変えて、チマキを含む、にわか作りの点心セットを多数注文してくれました。
鶴瓶師匠も、普段の差入れが出来ないため、冷凍でのチマキ配送を小口で注文してくれます。
「今はこれくらいしかできへんけど、頑張りぃや!」
毎年の年末年始のハワイ行きもできず、関西からの電話で幾多の注文でした。

「この店、潰すなよ!」
わざわざ途中下車で寄ってくれるお客様。
近隣に飲食店が多数あるにもかかわらず、弁当注文をしてくれる神保町近くの大学関係。
みずからも大きな苦境に陥っていり、休業中だった伊勢丹からも、店内維持で出勤されている方たち用の弁当発注いただきました。

いろいろなお客様にお声がけしていただいて、飲食店冥利に尽きます。
この一年、誠にありがとうございました。

デブが、ポッチャリがモテる!

ちょっと嬉しい記事だったので、そのままコピペ。

マッチョよりもぽっちゃりの方が好き?
女性が魅力的に感じる男性の体型

数年前から海外の女性たちの間で「お父さん体型」な男性が人気だという。マッチョ体型より、多少お腹がぷっくりしている男性のほうが魅力的とのこと。体も鍛えていながら、飲むこと&食べることにも豪快な人が好まれるようだ。

マッチョよりも、ぽっちゃりを選ぶ女性の本音。デブでもモテるためには…

―[モテるデブには理由がある]―

こんにちは、デブのデブによるデブのためのファッション&ライフスタイル情報を配信するウェブマガジン「Mr.Babe」編集長の倉科典仁です。

◆「女性はおじさん体型が好き」は本当?

 全国のデブ諸氏の皆さん「DAD BOT」という言葉を聞いたことはありますか? 数年前から海外の女性たちの間で人気がある男性の体型を指す言葉。
DAD BOT」とは直訳すると「お父さん体型」ということになるのですが、なぜそんな言葉が生まれたかといえば、筋肉ムキムキのマッチョ体型より多少お腹がぷっくりしている男性のほうが魅力的ということなのです。

 そもそも「DAD BOT」という言葉は当時、クレムゾン大学の学生だったマッケンジー・ピアソンさんが大学のニュースサイトに「なぜ女の子たちはお父さん体型が好きなのか?」というエッセイを書いたことから始まり、「DAD BOTな男性は体も鍛えているけれど、飲むこと、食べることにも豪快で、ビール腹と鍛えられた体のバランスが素晴らしい」と書き、それが全米の女性たちに共感を得て広まっていったということです。

◆長く付きあうなら完璧さより優しさ

 女性がDAD BOTを好む理由は「ストイックなマッチョ男性だと、自分が水着になったときに自分が太って見えるので一緒にいるのが恥ずかしい」「気兼ねなく恋人とジャンクフードが食べられる」「将来、結婚してもすでにDAD BOTなので失望しない」などなど。

 当時の現地メディアは、これに相当する人物像として俳優のレオナルド・デカプリオ、ジェイソン・シーゲル、アダム・サンドラー、有名プロデューサーのサイモン・コーウェルなどを挙げています。
 やはり大人の女性は完璧なボディではなく「優しさと力強さ」を兼ね備えている“クマさん体型”がお好きな方が多いようです。また、UCLAで行われた女性82人を対象した研究では「たくましい男性的な人とは一夜限りの関係」を持つのですが、長期的な関係を築くパートナーを選ぶには「より信頼感ががある男性を選ぶ」との結果が出ているそうです。

◆「ただのデブ」と「たくましい体つき」を比較すると…

 しかーし! ここまで来て水を差すようで申し訳ないのですが、最近では新たな研究結果もあるようです。

 最新の研究結果では「女性にとっての男性の魅力と上半身のたくましさには正の相関関係がある」とのこと。

 新たな研究では上半身を裸、またはランニングシャツ姿の男性を撮影して、これらの写真の顔をぼかした状態で被験者の女性たちに見せ、それぞれの写真を「たくましいと思う順」「魅力的に見える順」にランク付けしてもらったそうなのですが、「多くの女性が他人の筋肉の発達具合を正確に見極められる」つまり「男性の上半身のたくましさと魅力は正の相関関係にある」と感じていたそう。

 つまり簡単にいえば女性は「お父さん体型のただのデブ」ではなく「たくましい体つき」に魅力を感じているということになります。

◆若い女性だからマッチョが好き?

 とはいえ、ご安心ください。この研究結果は一般女性全般ではなく、大学生の女性たちが同じ世代の男性を評価したものなので、つまり若い世代の女性たちの評価。ルックス重視の若者だからこそ出た結果だと考えられます。

 つまりもっと大人になった女性であればお腹の出た体型であっても「信頼感、優しさ、包容力」を持った男性(もちろん健康的)ならば大人の女性からは魅力的に思われることも十分に考えられるのです。

◆中年男が本当に目指すべきスタイルは?

 アメリカの話ではありますがスポーツジム「プラネットフィットネス」は2017年に2000人以上の男女に「DAD BOT」への印象に関する調査を行っており、結果、7割の女性が同じ体格でも最大9kg重い男性を魅力的に感じるとっているそうです。

 女性はユーモアのセンスや優しさ、包容力を持つ男性を好みます。ありのままの自分を受け入れ、リラックスした状態で女性と接したり、無理に食事を制限するより体を動かして健康的によく食べ、よく飲むことが自分の自信と活力にもつながっていくと思います。  そして、これこそ完璧な「DAT BOT」スタイルではないでしょうか。全国のデブ諸氏の皆様「気は優しく力持ちのクマさん」を目指そうではありませんか

テレビっておバカ

テレビでの感染者数のニュース、
「今日は月曜日の最高値を記録しました。」
「今日は火曜日の最高値を記録しました。」
なんなの、これ。
こういうのって、煽り運転で訴えること出来ないのかね。
客観的に伝えれば良いのに、曜日の最高値を比較して何の意味があるのか。
したり顔してニュース伝えているんだろうけど、
「アホっ!」
と叫びたくなる。

昨夜の小池都知事の緊急記者会見を見る。
「家族に会いたいだろうけど、今は命を優先してください。」
”いのち”という言葉を連発する。
お正月を念頭に発している。
聞いていて、言っている意味も、言いたい意味も、理解できる。
できるけど、どうにも違和感を覚えて成らない。

友達のところへ出かけちゃいけない。
子供のとこへもダメだ。
旅行に行っちゃダメ。初詣も控えろ。

いっそ昔風のお正月にしちゃいますか。
「お正月には凧揚げて、コマを回して遊びましょう♫」
「犬は喜び庭かけまわり、猫はこたつで丸くなる♫」

いつまで続くのだろう。
人が人に会っちゃいけない・・・。
ワクチンが出来るまで?
ウイルスの変異が出たと言って、これまた国を街を閉鎖する。
人とウイルスの鬼ごっこ。
どちらかが捕まるまで続くお遊びなんだけど、さすがに大人がこれに加わると世界規模の鬼ごっこになってしまう。

「面白い」を通り越してもはや「こっけい」
不謹慎を覚悟で言わせてもらった。

きっと数年後には、バーチャルな世界旅行で出かけ、ホログラフで出来た家族や友人と会う。世界各国の料理をウーバーイートで頼む。もしかすると料理も、味覚を映像で見せ、舌先に電気を送り、甘い辛いを感じさせる。

未来というより末世だな。




妖怪コロナウイルスとねずみ男

明日から午後10時までの時短営業が始まる。 来月17日まで。
これで今年の忘年会はほぼ絶望的。
時間の経過とともにいずれ収まる時を迎えるのだろうが、それまでに生き残ることが出来るのだろうか。

飲食店の苦悩もさながら、失業者が増え、給料が減り、世の中、気が滅入ることばかり。

選挙で「お願いします」「お願いします」と連呼し、選良になってからも「お願いします」「お願いします」と連呼。
民の願いを叶えるために選良になったはずなのに、やっていることは真逆。
政治家たちの、なんとも面白い職業だこと。

三密回避と唱い「自粛」を願う。
「人と会うな」、「旅行は止めろ」「国に入ってくるな」「学校休め」
「宴会中止」
「お願い」という自粛要請に従う民衆に気を良くした政治家、
お次は「GO TO !」の手綱を緩め、人を走らせる。
コーナーにかかると思わせ、再び手綱を引く。
人を操るのが面白いんだろうね、政治家は。
でも馬(民衆)は疲れちゃうよ。

人の楽しみを奪うのがコロナという妖怪だったら、その妖怪の手下になっているのがねずみ男(政治家)や女(ゆり子)・・・・・。
水木しげるの漫画に出てきそう。

そもそも妖怪(コロナ)は存在するのかい?
風邪との違いを教えてくれ。
昔は年に1~2回の風邪を引くのは当たり前だった。
風邪を引くたびに氷嚢のお役が巡ってきた。
子供でも卵酒が飲めた。
病気と一緒に生きてきたし、病気だったから回復したときに、前より増して走り回った。
今回のコロナ、(国が)罹患した後の処置がおかしく見えて仕方ない。

時短営業要請ふたたび

臨時ニュースがでた。
東京都は今月28日から3週間にわたって、10時までの時短営業を要請する。
飲食店にとって12月の繁忙期がほぼ全滅・・となる。
ギリギリ踏ん張っていた心の何かが、ポキンと音がしたような気がする。

今年1月あたりからのコロナ禍。
一個の歯車が少しずつきしみ始めて、大きな仕掛け時計が年末になって止まる・・・。
そんな感じがする。

資金繰りが苦しくなってきた。
ダメ元で、また関係省庁へ融資相談に出向こうと考えている。
今朝、家内にその考えを伝えた。
「どうするのよ。返せないよ。」
悲鳴に似た返事が返ってくる。
「返せるようになった時に返せばいいさ。」
「いつよ!自分の歳を考えて!」

勝算があるわけじゃない。
でも、このまま終わっちゃいけないと思っている。
私がここで音を上げれば、もっとたくさんの人が音を上げそうな気がする。
どこかで誰かが踏ん張ってなければ、何もかも崩れてしまう。
踏ん張れるのは、他の誰でもないし、私しかいないし。
たぶん、まだやり残したことがあるような気がする。
余生は、あってもたぶん十数年。
十余年で全てが終わる。

もうちょっと踏ん張ってみるか。

兄弟

私は男兄弟の長男だ。
次男は鹿児島に、三男は世田谷区に、それぞれ健在だ。
兄弟それぞれに三人ずつの子供がいる。
その子供に孫がいるのだが、正直数は把握していない。
兄弟はそれぞれ67歳、65歳、63歳になる。
兄弟の嫁たちも還暦を過ぎた。

コロナ禍で支給された給付金が手つかずで残っていた。
コロナ禍でお店は存続の危機にさらされている。
まだお互い元気なうちに会っておこうか、という話しになった。
長男だから私が音頭を取り、給付金とGO TO トラベルを使って、鹿児島に残っている弟夫婦を招待した。
一昨日の土曜日のことだった。

年齢はともかく、弟たちは老けている。少なくともビジュアル的には私が一番若い。頭髪も下に行くほど禿げている。
羽田に車で迎えに行った。東京でのコロナ感染を心配しているだろうな、と思った。空港までの行き帰りが車だったら、心配も少なくなるだろうという配慮だ。

荷物はなかった。手土産は事前に歓ファンに送られてきていた。到着は13時半ころ。直で帰っても時間が余る。兄弟と息子、孫たちが揃うのは18時。
弟はともかく、その嫁は東京は久しぶりのはずだった。車で首都高を回る。時間的に微妙なために車中での東京巡り。人混みに入っての、コロナ禍の心配もあった。三連休初日の土曜日だけあって、 都心から外に向けて渋滞していたところはあったが、 都心部は割と空いていた。
それでも田舎から出てきた分は、賑やかに見えたし、田舎での祭り状態の人混みだったし、田んぼの中を走る高速と違って、ビルの合間を縫う首都高は都会そのものに映っていた。

ホントは2泊して貰うつもりでいた。1泊は東京で、2泊めは箱根辺りを手配するつもりでいた。それが義母の介護を口実に一泊になった。
介護は口実で、コロナ感染を恐れているのかな、と察しあえて一泊のみを反対はしなかった。

弟たちにはホテルチェックインをさせ、夜の宴に備えて私も小一時間仮眠を取った。

6時。
まず兄弟夫婦、6名の宴が始まった。
マスク姿で気づかなかったが、弟二人とも前歯が抜けていた。
冒頭ビジュアル的に私が一番若いと言ったが、歯抜けは爺いを加速させていた。
「おい、歯を入れろ!」
田舎にいると、会う人も少ないから見た目は気にしない。ありありとそれが見える。私ですら、私自身がおしゃれに見えるのだ。

「病気自慢をする大人にはなりたくない。」が私の持論だったが、兄弟夫婦三組そろって現在患っている病気と薬の自慢になる。
兄弟は順調に老いていた。そして兄弟ともに嫁から逃げられずにここまでの人生を歩いてこられた。

うん、そうだ。もしかするとこれが梅橋家の徳かもしれない、「嫁に逃げられなかった。」という。

美味しい酒だった。6時から始まった宴は、途中から息子、孫たちが加わって総勢13名になっていた。特に走り回る孫たちが時間の進みを早めていた。
気がつけば9時。3時間を過ぎていた。
まず次男が脱落した。田舎生活は夜が早い。眠さを抑えきれずにホテルに帰ろうとした。若いときは無理にでも席に押さえつけたが、今の私にもその元気はない。
明日の羽田までの車での送りもあった。アルコールが残っていてもまずい。
切り上げ時か。
たぶん9年ぶりになる兄弟そろい踏みだった。両親が亡くなると、田舎は遠くなる。

今日、鹿児島に帰った弟、その嫁、世田谷にいる弟からそれぞれ感謝のLINEが来た。
本来の使い道でなかったかもしれないが、有意義な10万円の給付金だった。

コロナで考えさせられたこと

どこに行ってもマスク姿を目にする。マスクなしの人を探すのは難しい。特に人の大勢集まる公共の場所、例えば駅とかスーパーマーケットだとか。
マスクの息苦しさが嫌いな私も、こういった公共の場所に行く直前にマスクをかける。
飲食業だから、ランチ時間やちょっとでも混みそうだな、と感じたときはマスクをかける。だが、嫌いだ。

嫌いな理由。
・顔が見えない、というより相手の表情が読めない。
・鼻と口を覆うというのは、空気を吸う、食べる飲むといった、生物が生きるための本来の行為を制限している。
見た目も不自然に私には映る。

だが、マスクが日常になった。
コロナが収まったとしても、このマスク姿は定着するのではないか。
マスクは外部との接触を遮断することを意味する。ソーシャルディスタンスの物理版だろう。このソーシャルディスタンス、訳すれば社会的距離なそうだ。

母が我が子を抱く。それ以前に愛し合った男女が抱き合い、SEXに発展して結果子が出来る。
密接の最たる例ではないか。密接があったから男が存在し、女が存在し、子供が存在し、家庭ができる。
生まれたままの姿の人は、寒さや敵から身体を守る体毛もない。爪も牙もない。自然界ではとても弱い存在だと思う。それがここまで成長(繁殖)できたのは、個が密集することで自らを守ってきたのだと思う。

それがここにきてコロナが密接や密集に対して疑問符をつけてくれた。
これまで人が生存し、繁殖し続けた密接密集を人類自ら否定しようとしている。
コロナが突きつけた宿題だ。

昔々、地球が誕生し、そこから生命体が誕生した。ミトコンドリアの世界だった。細胞同士が変化して、くっついて、分離して、数多の化学変化が起きて「進化」と呼ぶ変化が続いた延長線に、今の人類がある。変化にはコロナと同類のウイルスが関わってきたことも間違いない。

「歴史」という数千年の単位よりも、もっと長い万年、億年という単位で眺めてみると、「進化」の過程が今、起こっている。コロナはその引き金になっているのではないか。

学校で習ったことを思い出して欲しい。
地球が誕生して、水や空気が出来て、有機類ができ、それらが合わさって生物(その当時は植物)ができ、それらを食べる成長する動物が出現し、と脈々と続いてきた。時間的な単位は億万年という単位だった。
コロナで右往左往している人類は、少なくとも言葉を話したり、「歴史」などと語る、人類の時間単位はせいぜい1万年程度だ。

社会的な距離の中で、それでも人は生き続ける。さらにいえば、100年とか1000年とかいう時間的な単位で考えれば、もっと厳密な「社会的な距離」が生まれてきてもおかしくない。

コロナでに振り回されている間にも、4G、5Gなど大容量の情報を行き来させる電波のインフラが整いつつある。それらが整ってくるとどうなるのか。

バーチャルリアリティ(仮想現実)がリアルそのものになってくると思う。
前述した男と女が、実際に会っているつもりで、実際にセックスしているつもりで、お互いの精子と卵子を融合させ・・・・。

食べるものだって、無菌だとかサプリだとか表示しながら、丈夫(健康)で美味しい肉体に仕上がるだろう餌を自ら作り、自ら食する。

これはもしかしたら・・・・、
ゲージで飼われる鶏と同じではないか。
養豚場の豚と同じではないか。

良いか悪いかではない。
長い年月をかけて人類が向かおうとするのに、今現在、人に求められようとしているのが「社会的距離」。
こういう目で見ると、今の中国のように国で人を押し込める(民主主義でない)制度もアリと思える。(私は嫌いだし、けっしてそうなって欲しくないが)
だとしたら、近い将来(100年ほど後)には、管理される体制が敷かれ、人が管理しているように見えて、実際は人類が作り出したコンピュータが制御管理する。その人類はゲージの中にいる?

コロナは私をSFの世界に誘ってくれた。