闘うこと・・・

前の店の跡・・・歓のことだ。
前の店という表現を、知らずうちに使っている。

テナント募集の公告がネット上で流れている。
家賃は70万円。管理費3万円。
私が借りているときは管理費なんてなかった。
家賃は40万円だった。
それが今では、管理費込みで73万円。消費税を入れると80万円に膨れる。
その店舗跡に張り紙が。
「今秋オープン予定・・・」と。

医大通り商店会の会長をしているくせに、この医大通りでの商売はきつかった。
雇われ店長をしていた当時の三丁目のお店は2階にあって、それでも坪単価2万円ほどだった。20年以上前の話しだ。
20年以上経っても、ここ6丁目は当時のお店より家賃は安かった。
でも、逆に言えば人の流れは三丁目の半分以下。商売としては非常にきつかった。家賃が安くても、この医大通りでの日々の営業努力はかかせなかった。

営業は20年と4ヶ月。
よく頑張ったと思う。近隣の、歓より前にあったお店も大方廃業していった。
家賃を払って、従業員の給与を払って・・・。

今になっても、廃業してよかったのか、と振り返る。
苦しかった経営。家賃の値上げが最後の引き金になったのだが、廃業しない方法が見つけられなかったのかと、今でも悔やむ自分がいる。
72歳という年齢になり、身体のあちこちに軋みを見つけ、後継者がいず、家賃や社員の給与をひねり出すのが精一杯という経営状況が続き、資金のやりくりに腐心する家内を見るにつけ、廃業という選択が一択だったんだと自分を納得させてはいた。

が、やはり悔しい気持ちは残る。
まだ心のどこかに「闘いたい」という気持ちが残っているのだ。
その気持ちの整理がつかずに、夜中、時々目を覚ます。
こうして言葉にすることで、少しでも自分の気持ちを落ち着かせる。

何かをしよう。
何かを始めよう。
悔しさを忘れるために。
「闘う」気持ちをぶつけるために。