行列

歓ファンの目の前に「博多食堂」という名前のラーメン屋さんが出来た。
昨日グランドオープン。
1日目ラーメン1杯100円、2日目200円、3日目300円という大盤振る舞い!
1日目は30名~40名ほどの行列が11時からほぼ3時間近く並んだ。
すごーい!
2日目は、ちょっと少なく、それでも20名様の行列が開店11時より2時間たった今でも続いている。

車の通りが多い医大通りだが、博多食堂の周りだけは車でなく人が密集している。商店会長としての私、この賑わいはとても嬉しい。

ただ、行列に並ぶというのは私的には好きじゃない。
時間がもったいないと感じる。
30分並んだとして、最低労働賃金1000円(東京都は1014円だが)と計算しても500円を費やす。
ラーメン1杯100円だとしても、30分並ぶことで実質600円のラーメンだ。
さほど安いとは思えない。
ラーメン及びその原材料である小麦や豚骨は無限に生産できるが、時間は有限だ。特に年を取ってくると、時間がとてももったいないと感じる。

一方、お店の立場になって考えてみる。200人の人が一人30分程度並ぶと、200人×500円で10万円でお店の宣伝を担ってくれることになる。
経営者目線で見ると、これはホコホコするくらいうれしい。

小さいころに漢詩の一部を取った
「少年老い易く学成り難し」
と唱えさせられ学んだたことがあった。意味も教えてもらった。
だが、実感として理解できなかった。
あの年齢の時には時間が無限に感じられたからだ。

人生はうまくできてると思う。
時間がたっぷりあるときには、往々にして走った。転んだ。怪我をした。
時間が少なくなってくると、歩みはゆっくりになる。転ぶのをさける歩き方になる。怪我をすると小さな怪我だったはずが大きな怪我になる。

こうしてみると、「行列」は若さの一つの形でもあると思う。
時間を浪費できる余裕があるのだから。



結婚記念日に男らしさを想う

42回目の結婚記念日だった。
お店が閉まったころ合いを見て
「飲みに行くか?」「食事は?」
と誘ったが、最近はお酒を飲むと調子悪いようで
「行かない」
と、つれない。

最近妻は少し太り気味だ。本人も気にしている。
確かに下腹が少しせせりだしてきた。
体重も増えているようで、これまた体重計を見てため息をつく。
「何キロだぁ?」
と体重計のメモリをのぞき込むと
「ダメ!」
と言って、妻はつま先で電源を落とす。

「気にするな。男は痩せてる女より太り目の女が好きだ。」
「だってぇ・・・・」
「俺のなかでのお前は、出会ったころと全然変わってない。」
「そんなこと言うの嘉博さんだけだよ。」
「十分だろ。」

年に一回の同窓会で同級生の女子が集まってくる。その女性たちも私からしたら「あの娘(こ)」だし「この娘」だ。
町中で知らずに会うと、どこぞかのオバサンだし、人によってはオバアサンに見えるが、同級生と認識したとたん、昔の面影が今の顔に上書きされる。

男って馬鹿だから、女に恋したくなる。
妻が体重を、太ってきたことを気にするが、私の中では出会ったころの彼女だ。
見かけは確かにそれなりに老いてきた。
でも時折見せるしぐさは、出会ったころの彼女のままだ。
瞬間瞬間でキュンとさせる「女」を見せる時がある。

だから私も「男」でありたいと思う。
性的な男という意味ではなく、「男らしさ」を持つということ。
いろいろな解釈はあると思うが、私の中の「男らしさ」とは、その相手の女性に対して「女」を意識することだと思っている。

ま、私からの一方的な思いだから。妻は私のことを何と思っているのやら。
それでも42年が経った。
おそらく金婚までは(お互いの生死も仲も)持つかと思うが、この歳になってくると、いずれどちらかが先立つことを考えてしまう。考えてしまうほど私の中の体力としての元気も小さくなった。元気でいられるという自信もなくなった。

だから、まだお互いの意識がしっかりあるうちに、支えあったことを、支えてくれたことを言葉にいつかしようと思う。彼女に残そうと思う。
苦労させてるけど、こんな俺を選んでくれたことに後悔させないために。

結婚記念日に際して、思いついたことをちょっと書いてみた。

リニューアルオープン

7月23日~26日までの4連休。
ホントはオリンピックに合わせての4連休だったんだろうけど。
この日に歓ファンはリニューアルします。
と言っても壁紙張り替えだけ。
明るい色彩ブラウンで開業以来15年間一度も手を付けてなかった。
テーブルとの境目だったりお客様の動線上にあった場所は汚れが目立ってきていた。カウンター前など一度自分で壁紙を張り替えてみたのだが、皺になり、はがれたりした。
(あ、これはプロに任せなきゃ無理だ!)
とあきらめた。
だけど、新橋「梅花メイフア」を開店したあたりからほぼ10年間、経営が厳しくなり、まとまったお金は作れなかった。経営状況はもっとひどくなってきているのだが、今回のコロナで少しまとまった資金を作れた。
先行き不透明さが漂うが、ここは起死回生の一手。
大掛かりなリニューアル(あくまでも壁紙だけです。)をしよう!

その工事が7月23日~26日の4連休。
7月末か8月上旬にリニューアルオープンをしてみよか・・・・。
と思うが、このコロナ、その頃に少し収まっているといいな。
なのでリニューアルオープンのセレモニーを企画しずらい。

張り替える壁紙は現在と同系色のグレーっぽいブラウンが基調になるが、入って正面に見えるカウンター奥の壁だけを濃い緑に変える。
見た感じはだいぶ変わると思う。
それに先駆けてベンチシート、綻びていた部分もあり、補修していた部分もあり、日曜日を利用して座面の合皮は新調した。
テーブルクロスも新調したいな・・・・・。
そこまで経費使えるかな・・・。お店が持つかどうかの瀬戸際。うーん。

リニューアルオープンは、何かイベントを起こすか、何かサービス品で来店意欲をそそるか・・・。
もう少し悩んでみようかね。

料理と食材

料理は食材を選んだ時点で6割~7割終わっていると思う。
それだけ食材の選び方は料理の美味しさに占める割合は大きい。
どんな食材も一口はそのままで食することをお勧めする。ひと噛みだ。
生肉であっても、例えばモヤシであっても。
生肉は、生肉の状態でひと噛み。塩や下味をつけた段階でひと噛み。
さらに1分~5分たった状態でひと噛み。
いつもひと噛みする必要はないけれど、どんな食材も一度はひと噛みして欲しい。特に料理に携わる仕事であれば。

例えば「モヤシ」
生でのひと噛み。生臭くて食べられたもんじゃない。
でもそのモヤシが、火を通すことでシャキシャキした触感に変わり、火を通し過ぎてフニュと美味しくない柔らかさになる。
この変化を面白いと感じるところから、調理が始まると私は思っている。
だから一口(ひと噛み)は食材の味、食感、香り、など確かめてほしいと思っている。

食材は季節で表情を変え、塩で落ち着き、火を通すことで性格を変える。
良い性格になるときもあれば、荒れた性格にも変わる。
付け合わせる素材で、結婚式に出かけるフォーマルに変われば、子供たちに持たせるお弁当にも変わる。

実に面白い。
このことを面白いと感じる感性があれば、日常がとても楽しくなる。
調理に携わる仕事に就いて、つくづく「良かった」と感じるのは、食材の美味しさを発見した時であり、この発見をお客様と共有する時だ。

飲食の仕事は、一般サラリーマンと違って拘束時間が長い。仕事内容も結構ハードだ。給料もけっして高くない。
社長として給与を上げたいと思うのだが、これだけ厳しいと給与に反映できない。そういう従事者に対して私は何をすることができるのだろうと考える。
食に対する喜びを伝えるしかないのかな、と思う。

普通の平日、6月17日水曜日

6月17日水曜日。
ただいま12時26分。この時間にこのブログを書いている。
ランチは通常営業。なのにこのブログを書ける。
通常だったらランチはピーク時間。なのに今現在のお客様、2名。
延べ客数だって、13名様。
はぁ・・・(重い溜息の音)

追い打ちをかけるように酒屋がこのピーク時間(?)に納品。
いつもだったら
「何時だと思ってるんだ!商売やっているんだったらもっと気を使えぇ!」
と怒鳴り散らしている。 でも今日は怒鳴れない。
はぁ・・・(重い溜息の音)

こういうパターンが一番元気がなくなってくる。
脱力という漢字がピッタリ。
昨日47名様。その前日が35名様。
少しずつ増加傾向にあるために内心
(よしよし。この調子!)
と思っていた。
増加傾向が数日続いたと思ったら、またガクンと落ち込む。
たぶんこの繰り返しで、折れ線グラフが上向いてくるのだろうけど、正直
(平常に戻るまでの時間と、お店の体力が
待てない。 持たない。

食事を提供するお店として、お客様に食事を通して元気も提供していた。
同時に、お客様から元気をいただいていたことを痛切に感じる。

今までも難儀なことはたくさんあった。
けど、たいていは前向きに捉えることで様々なアイデアが湧き出て、それに賛同するお客様に来店を促してきたし、お互いに元気づけられ、元気づけてきた。
コロナの威力絶大!
まるでマンガの「進撃の巨人」みたい。



続・6月のコロナ



前回のブログの愚痴を聞いてお客様から「大丈夫?」と、お店まで来てくださってご心配いただいた。
ありがたいし、とても嬉しい。
先日の東京都の「緊急事態解除」の報を聞いても、客足は鈍い。
どうにもこうにも鈍い。
私の一存ではどうにもならない。と自分では開き直っている。
今回のコロナは私の力の範疇をはるかに超えているのだ。
だから心配されるほど悩んでいない。今やれることをやるしかない。
そのうえで駄目になるものだったら、それは神の采配というべき。

コロナ前のランチ来客数(60~70)が、コロナ最中は20前後。緊急事態解除になって30~40個ほどになり、先週水曜日は50台まで回復。しかしその翌日と金曜日は再び30台。土曜日に至ってはナント一桁。
行ったり来たりの伸びの中で少しずつ上昇していくものと思われるし、一日一日の数値で一喜一憂するのも恥ずかしいが、気持ちは晴れない。
自分でも自分の顔が、きっと難しい顔をしているのだろうな、と感じる。心から笑顔を出しにくい。

夜はもっともっと厳しい。
一組が一人とか二人とか、多くても3人とかの来客数になる。その少数の組が2~5程度。食事だけで終わる方も少なくない。売上が伸びるわけがない。
来店されるお客様は顔なじみが多い。「顧客」と呼ばれるお客様だ。
ありがたい。わざわざ歓ファンを目指し心配して来店される。

(なるようにしかならん。)
と思ってみても、何かしらの手は打とうと考えている。
今はやり「サブスク」定額制のサービスだ。
昔やった試食会も復活させようと考えている。
・試食会
昔やった試食会は、試食の評価や改善点などを指摘していただく代わりに5名様1組にコース料理 無料という目玉だった。HP上やメールで試食を募集すると数分で売切れになる。これを半額程度にして募集予定。募集組数も複数にするつもりだ。
・サブスク
ご存じのようにサブスクリプション(毎月の定額会費制度)の略。
これは飲料に対するサービス。毎月の会費制なので、すべての飲料を半額にする。例えば5,000円のサブスクだったら、飲料半額にする。たぶん2~3回ほどの来店で元が取れる。複数人を対象に7000円~8000円程度で 本人を含め3~5名様までは飲料半額というメニューも検討中。

試食会は評価採点をそのままHP上に上げる。新規メニューの告知広告と思えばさほど負担にはならない。と思う。厨房には新規のコースを考えるよりも既存のコース料理に手を加えることを伝える予定。
メインディッシュだったら1品、 サブの総菜だったら、数品を季節の素材に合わせた料理に変更。
サブスクはお客様が来店されてもされなくても固定で計上できる。

このプランを早く実行可能な企画に仕立て上げねば・・・・。
と思っているのだが、いろいろやってやろうという気力が、このところ湧いてこない。実をいうとこれが一番の問題だ。

(歳をとったなぁ)という感慨と、
(あと何年頑張れるのだろう)という時間の計算と、
(経営が成り立つには)という運営上の問題と、
(誰がこの店をやってくれるのか、いるのか)という事業継承問題など、いろいろ絡み合って、目の前の仕事がつい二の次になってしまう。

それら前部を含めて、(なるようにしかならん)

でもでも心配して来店されたお客様、ホントにありがとうございます。
もう少し、もう少し頑張ってみます。もう少しが何か月なのか何年なのかはこれから次第ですが。




6月のコロナ

緊急事態解除でも戻ってこないお客様。
ホントに心折れそうになる。いや折れてるかもしれない。
お昼ランチ客は少し戻ってきたが、コロナ前に対して8割程度。もとよりサービスランチだから利幅は薄い。でも、それはそれで少しホッとしているのだが、ソーシャルディスタンスとわけのわからない英語で、間隔を開けさせながらの集客。12時過ぎのピークにかろうじて席が埋まり始めてきた。が、1時前後のピークがまったくない。コロナ前よりランチタイムを30分延長しているにもかかわらず。

問題は夜だ。
6月10日。今月になりノーゲストが3日ある。来客があったとしても10名様を超える日は1日だけ。
非常に疲れる。手元資金といっしょに「やる気」までが蒸発していく感じだ。
いろいろな状況を想定。それに対する方策も考える。
小さなお城だが、私が城主だから、私が最初にあきらめるわけにはいかない。
決断を下すのは私だから、逃げるわけにもいかない。
私を信じついてくる従業員には、目下の経営状況は教えている。従業員もわかっているのだろうが、数値としても教える。危機は共有するが、決断は私の仕事だ。

4月17日に従業員を集めた時に、通常の給与は保証できないと伝えた。勤務時間短縮、あるいは休暇を作ってくれと頼んだ。給与は20日締め月末支払いだから、4月の給与額は満額で出すが、5月は困難になると伝えていた。
が、給与は減ってもいいから仕事をさせてくれと数日後、全員から申し出があった。
ありがたい。うれしい。感激だ。
だけど、仕事をされたんでは給与は出さないわけにはいかないんだよ。
そして5月末日、ほぼ満額で支給した。

コロナ緊急融資であらたに借り入れ、それに持続化給付金を合わせても、運転資金のの残りは1か月か2か月。
入金予定は都からの5月協力金50万円。(なんで5月で打ち切るんだ!アラートアラートと連発する癖に保証は打ち切る。都知事選、絶対に小池には投票しない。築地移転に関しても自分の売名だけじゃないか。)
そして国からの第二弾持続化給付金(家賃補助)が約150万円の二つ。
給付金、協力金、いつになるかわからないが、出たとしても資金は、ギリギリの綱渡り。

HPで書くことではないが。
店舗維持を優先的に対策を練るが、廃業、店舗委譲、売却の可能性も視野に入れる。折を見てその関係者との面談もする。
幾多の困難にあってきた今までも比較的楽観的に受け止めてきた私なのだが、今回ばかりは最悪状態を覚悟して対処にかかっている。

それにしてもコロナ、私だけでなく世の中を一変させるね。


幹大

一人、歓ファンを辞める若者がいる。
中卒の16歳の時から3年間、後楽園店で務めた。
勤め始めた直後、母子家庭の母親が亡くなり、天涯孤独の身になった。
柔和な顔立ちで、おとなしい男の子だった。

後楽園店閉鎖後は、そのまま新宿店で引き取るつもりだった。
後楽園店が1月末で閉鎖。

幹大は自動車免許取得中であり、途中教習所から「合宿免許」に切り替え、山形県米沢に行った。その学校は卒業。後は都内の試験場で試験を受けるだけだった。
その最中にコロナが発生した。
幹大は親の遺産があり、住まいもあり、生活がすぐに逼迫する状況ではなかったために、免許取得を優先させた。

その頃から連絡が途絶えがちになった。
私から、家内から、後楽園店の同僚から、幹大の友人から。
電話、メール、LINEなど、返信の間隔が徐々に開いていった。
そして誰にも返信が来なくなった。

埼玉にいる、幹大のおじさん経由で、部屋の鍵を預かり幹大のところへ赴く。
幹大の家は、都営住宅だ。母親が存命中に借りていた部屋だ。
6畳ほどの部屋が3部屋ある3LDK。一人で住むには広過ぎる家だ。
場所も新宿区大久保と都内の一等地だ。

私、家内、幹大を紹介してくれた母親の友人と三人で訪ねた。
ドアホーンを鳴らしても出ず、預かった鍵でドアを開けたが、チェーンロック。
チェーンロックということは中にいるんだよな、と隙間から匂いを嗅ぐ。
もしかして死臭がしてないかと確かめる。
ない。
チェーンロックの隙間から
「幹大ぁ!幹大ぁ、起きろお」
と怒鳴る。
20分後、寝ぼけ顔でようやく出てきた。

元気だった。
部屋も案外かたずいていた。
精神状態は廃れていないようだ。

幹大と膝つきあわせて話し合った。
幹大からの要望や希望は聞けなかった。
目的が見つからず、何をしていいのか、ただただ時間を無為に過ごしているだけだった。
私たち三人の共通する気持ちは、このままでは「幹大は駄目になる」だった。
テレビの前にビデオが数巻置いてある。皮肉にもタイトルは「ひきこもりでも旅がしたい」だった。

ほぼ1時間、いろいろな話しをした。
彼を仕事復帰や家に一人いることの無為を諭した。
が、彼ののらりくらりとした表情は、何かをやろうという意志は見つけられなかった。

昔の自分を振り返りながら、仕事をしなかった時期や目的を見つけられなかった時期を重ね合わせて、どうすれば彼を家の外に引っ張り出せるのか考えた。
その方法も、やさしくおだて上げる感じで接するのが良いのか、突っ放すのが良いのか、怒ることが良いのか、を手探りで話した。

が、彼の反応はない。少なくとも歓ファンには戻ってこないと、というのはわかった。

(もう駄目かな。俺には気持ちを開かないな。)
帰宅後、私は、幹大を紹介してくれた、今日の同伴してくれた幹大母親の友人、私が見つけた幹大の法定後見人の弁護士に伝えた。

—-法定後見人にあてたメール——————————————————-
はっきりしたことは、幹大は歓ファンでは仕事をする気はないようです。 ですから、私の役目はこれで終わったかなと思います。歓ファンに来るようであれば、引き続き責任の一端を追わなければならないと考えておりましたが。 8月退去のことを伝え、優先順位は引っ越し、幹大の仕事、と伝えました。それも覚えているかどうか。後は幹大次第になります。 後は後見人にお任せします。
———————————————————-
そして幹大への最後の手紙を書いた。

—-幹大へ最後の手紙—————————————————–

最後の手紙。

幹大が歓ファンに戻ってこない以上、私には幹大に教えたり注意したりすることができない。どういう道に進んでも応援しようと思っていたが、私の目の届かないところへ行くことで私は幹大に教える時間を作れない。

私の中では「少し早い」という思いを持つ。

でも、幹大は私のことが必要ではないのだろう。

自分で歩く・・・と決意したのだろうと思いたい。

わかった。自分で、自分ひとりで歩け。
そういう時期が来たのだろう。

もうお前のことをカバーしてくる人はいない。

法定後見人にしても8月までだ。

それで一切の縛りがなくなる。

一人で泳げ。
泳ぐうちに、漕いでいるオールが流されたり、時には船がひっくり返ることがあるかもしれない。

これも良い経験だと思う。

溺れて初めて気が付くことがある。

一人で生きていくことが、どんなにも大変なことかを。
私のように人生終盤にかかった者ですら、一人では生きていけないと思っている。
奥さんや子供たち。一緒に働いている仲間たち。他いろいろ。
私が生かされていると感じる。

同時に私も彼らにとって必要な存在のはずだ。

だから私が彼らにできることをいつも考える。

幹大。

一人で泳げ。

海の大きさを、厳しさを感じろ!
そして一人で泳ぐこと難しい、厳しいと感じた時には、いつでも戻って来い。

その時にはお前は成長していると思う。

「自分の弱さが分かった」という強さが身についたからだ。

まずは「泳げ」

泳がなければ必ず溺れる。

溺れてからは遅いぞ。
まずは「泳げ」

先日幹大の家に行った時の話を思い出してくれ。
優先順位は

1・引っ越し

2・仕事

3・免許

1・引っ越し

8月は必ず退居だ。6月中に引っ越し先を探せ。

出来れば6月中に引っ越し。遅くとも7月。

2・仕事

生きている限り生きるための手段「仕事」は必要だ。

コンビニのアルバイト、新聞配達、皿洗い、仕事を選ばず探せばいくらでもある。

そしてその仕事をしながら自分の行きたい道を探すのも一つの方法だ。

3・免許

将来、彼女が出来、家庭を作る状況になった時に、一人で生きていく以上にお金が必要になってくる。免許があれば、最低限の生活ができる仕事を見つけられる。

一度免許を取れば、一生使える。

この順番で、幹大の世界を作れ。幹大の居場所を作れ。

離れていても幹大のことを応援する。

時々連絡をするように。 良き航海を (ボンボヤージュ)



緊急事態解除宣言

戻ってきた。
戻ってきた。
戻ってきたぞ!
まだまだ弱いけど、お客様が帰ってきたぞ。
久しぶりのランチ40台。47名様だ。
夜も来たぁー。
予約なしだったのだが、開けてみれば5組10名様。
ほとんどが顧客。いつも歓をかわいがってくださる方々。
このお客様たちも、待ち遠しかったのが、表情でわかる。

おまけにそのうちの一組様は6月3日に13名様の予約を入れてくれた。
知らず知らずのうちに自分の顔に笑みが漏れる。自分でもそれがわかる。
私もうれしいのだ。ワクワクしてくる。

経営者の悲しい性か、このまま行って欲しいという気持ちと同時に、今回の事態で借り入れた負債を返せるかどうかの計算をしている。
まだまだ緊急事態は続く。決して楽観する状況ではないのだが。

でも取りあえず良かった。現金なものでお客様が戻ってくるのと同じく元気も宿ってきた。
もっと。
もっと。
もっと来てください。
来てくださることが、私も従業員もお客様も元気が戻ってきます。
元気が戻ってくる日常に早く返していきましょう。

休業要請緩和

自粛が解ける!
最高のニュースだ。
お客様、戻ってきてくださ~い。
ホント疲れた。

ランチ過ぎ、店内ミーティングをおこなった。
現状を説明し、コロナ後の予想を述べ、さほど余裕がないこと。
当面の具体的な方針を伝え、局面打開の方法を皆で探していこう、という通達だった。

ランチもほんの気持ち程度戻ってきた。
コロナ期間中、多くても20前後だったのが、今日は35名様の来店。
みんな飽き飽きしているのだ、この自粛に。
予報気温は27度だったが、そよ風が吹き、青空が広がり、家の中にいるのがもったいない、スキップ踏みたくなるようなお天気だった。
マスク姿も気持ち少なくなった気がする。

資金的に厳しい局面が続くはずだが、とりあえず自粛解除は良かった。