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1円を大事にする者は・・・・

ポケットからハンカチを出そうとしたら、そのハンカチに紛れ込んでいた一円玉がコロコロと床に落ち転がっていく。
あらら・・
レジとロッカーにはさまれた狭い空間、狭いがために立ち腰でその一円玉を拾う。

胸ポケットに差し込んでいたスマホがスルリ。
ガシャ・・・
(えっ、やな音・・)
一円玉と一緒に拾い上げたスマホ。画面左上にガラスの亀裂が!

スマホには、遠藤憲一さんや我妻と一緒に映った写真をスマホサイズに切り抜き、ご丁寧にもカメラレンズの部分もそれに合わせて切り抜き、さらに半透明のゴム質ラバーで覆っていた。
それで大丈夫だったはずだ。今日以上に高いところから落としたことも何回もある。一度も問題が起こったことがなかった。
今日はよっぽど落としどころが悪かったのか!

ああぁ、今日、おれの誕生日だぜ。これがプレゼントかよ。
1円を救おうとして、修理に出せば1万円くらいするガラス交換がプレゼントかい!
計算が合わない!

エレベーターと階段

我が輩の部屋は6階にある。
エレベーターの回数を表す数値は9まである。9階建てマンションだ。
 
私は新宿店を、部長(妻)は後楽園店をそれぞれ守っている。
ただ両店舗のラストオーダー時間は違う。
新宿店は10時半。後楽園店は11時だ。
部長はラストオーダーから退店する12時までの1時間、「自分の時間」と称して、経理事務の溜まった分を消化していく。
酒好きの部長は、手元にサーバーを清掃した際に残る生ビールや紹興酒がある。
酒を片手にチビチビとやりながら仕事をこなしていく(らしい・・)。

部長の帰宅はいつも丸ノ内線最終だ。
彼女の休日前は、待ち合わせてマンション近くの居酒屋で飲む場合が時々ある。
二人ともほろ酔い気分で帰着する。
帰着時間はだいたい深夜の1時~1時半頃。
坂の途中にあるマンション入り口は地下1階。普段は6階までエレベーターだ。

明日公休日の部長と、今日も二人でほろ酔い気分で帰着する。
マンションに到着。
いつものように地下1階のエレベーターに向かおうとする妻に声をかける。、
「おい、階段で行こうぜ」
「なんで?」
「最近太り気味だって言ってじゃないか」
「やだよ」
とエレベーターのボタンを妻は押す。
「わかった。俺は階段登る。」

我が輩の部屋は6階にある。
1階。
昇降ボタンを押す。
エレベーター脇の階段を二段飛びで登る。
2階。
昇降ボタンを押す。
3階。
昇降ボタンを押す。
4階。
昇降ボタンを押す。
5階。
昇降ボタンを押す。
ハー、ハー、ハー。
息が切れる。
6階のエレベーター前で、妻を待つ。

やがてドアが開き、妻が降りてくる。
「おかしいのよ。毎階ドアが開くの。でも乗る人が誰もいないの」
「深夜のマンションで、ドアが開いて、暗い廊下で、待ってても誰も乗る人が来なくて・・・・」
そこで初めて息切れをしている私に妻が気づく。
「あははは!ずーっとボタンを押しながら上がってきたんだ!」

我が輩の部屋は6階にある。

 

 

お得意様

朝方9時電話が鳴る。
「はい、歓[fun]でございます」
「チマキをお願いしたいのですが・・・」
阿部寛のマネージャーのお一人からだった。
「いつでしょう?」
「今日のお昼なんですが・・・」
「えっ、今日!」
「やっぱり難しいですよね」
場所と時間と個数を聞く。
11時着、両国の劇場に40個だった。
厨房はまだ誰も来ていない。
冷凍庫の在庫を確かめる。
可能だ。
「お待たせしてスミマセン。大丈夫だろうと思いますが、在庫を管理している厨房に聞いてみないと確約をしかねます。あと30分ほど待っていただけますか?」
そうして
「両国まで新宿から30分見ていますが、こちらのランチ営業が11時からです。営業に間に合わせるためには両国着を10時20分(30分早める)ほどにしたいのですが、それは大丈夫ですか」
「かまいません」
「返事は後ほどします。しばらくお待ちください。」
スチームコンベクション(蒸籠)のスイッチを入れながら、調理長に電話を入れる。
昨夜の内に余分な在庫として発注してあるから「大丈夫!」との確認が取れた。
阿部さんの事務所にOKの電話を入れた。
「50個にするのは可能ですか?」
すでにチマキをスチームコンベクションに入れて10分が過ぎている。
「いやぁ、ちょっと・・・」
電話で話ながらも、ホールの掃除をこなす。
「わかりました。40個でお願いします。」

やがて厨房が出勤してくる。そしてチマキが仕上がり発泡スチロールに詰め込む。
この時点で10時5分前。
のし紙「楽屋お見舞い・二反田雅澄さまへ・阿部寛」をプリントアウト。
折しもスコールのような豪雨。
カッパを羽織り、バイクにチマキを詰め込む。

雨の一番ひどい時の配達だった。
ワイパーを回しっぱなしでも前が見えにくい。
バイクはどうしても道路の左寄りを走るのだが、左寄りには水溜まりも多い。
豪雨も手伝い、その水たまりが見えない。
急ブレーキがかかる如く、身体が前につんのめる。
水しぶきを左右に分けてバイクは進む。
新宿から両国まで靖国通り1本なのだが、カッパを通しても雨水が浸みてくる。
ランチに間に合わせるためには、この程度は何のその!
ほぼ25分で両国2丁目到着。お目当ての両国シアターX(カイ)だ。

阿部寛さんと鶴瓶さんは、定期的に、それも大量にチマキの注文を入れて貰える。
この程度の雨や、この程度の無理は何とかする。
だから無理とわかってはいても、
「今日の今日なんですが、チマキ配達できますかね・・・」
とくる。
お得意様っていうのは、こういう無理を言えるし、無理に応えることも全力を尽くす。
ありがとうございます。
でも無理はあまり頻繁にしないでくださいな。気持ちはOKでも、物理的に無理な場合が多々あります。

検査入院4(病院食)

 

9日間の検査入院とあいなって、今日で5日目中日。
一般的にこの検査入院は1泊2日のプログラムだ。私が糖尿を煩い、それにともなうカテーテル手術があったため毎日の服用薬に血液サラサラ薬「コンプラビン」がある。この効果をなくすために1週間追加の合計9日間の入院と相成った。コンプラビンを止める替わりに「ヘパリン」なる点滴薬を1週間身体に投入する。
 
入院中は常に点滴薬を備えたつけたポールを引っ張っていくことになる。トイレも売店に行く時も同階にあるロビーに行く時も。
結果外出が不可能。運動も現実出来ない。寝るしかないのだ。
入院している病院も、勤務先や自宅のある新宿からは少々遠い。20年以上昔からおつきあいしている主治医の勤務する病院だからなのだが。
 
合計9日間の入院生活を余儀なくさせらているが、当然毎日食事が出る。朝昼晩。提供時間はそれぞれ8時、12時、18時。
メニュー。
炭水化物が実に多い。ご飯、パスタ、パンといった主食はともかく、甘さの加わったヨーグルト、フルーツ、芋やジャガイモ。
普段糖質制限を心がけている手前としては、全部を食べられない。食べなかった。しかし当然それだけでは足りない。売店に足が向く。
この売店。ここも炭水化物の宝庫だ。デイリーヤマザキが管理している売店のようで、当然ながら菓子パン、普通に弁当やインスタントラーメンなどなど。炭水化物以外のものを探す・・・・・・ない!ない!ない!
かろうじて見つけたのがロッテの砂糖ゼロ糖類ゼロのチョコレートだけ。極めつけはレジ横にある、ケーキとアイスクリームのショーケース。
糖尿病患者がここに来ると、一時的にも数値は悪くなるのではと心配になってくる。
 
病院食は毎回毎回いろいろと工夫をされているようだ。私が思いっきり残すと、
「不味かったですか?」
と心配そうな顔でのぞき込んでくる。
残すのはたいていお昼ご飯。だって8時に朝食が出て12時まで何もやることなくて寝ているだけでお腹が空くわけがない。実際このブログを綴っている13時過ぎにあってもお腹はパンパンしている。
まじで(入院して太るんじゃないのか?)と心配になってくる。
 
今回の入院を知っている知人には
「検査入院だから見舞いには来るな!」
と念を押している。
これまで見舞いに来たのは、長男夫婦、次男夫婦と孫、そして家内が2回。
家族たちには、見舞い品は
「肉だ。肉を持ってこい。タンパク質が欲しい!」
品物も指定した。セブンイレブンの「揚げ鶏、唐揚げ棒」、ファミマの「スパイシーチキン、チーズチキン、つくね」
 
前述したように点滴のポールを持っていると外出が出来ないのだ。運動も出来ないのだ。自分で買い出しが出来ない。出される食事は炭水化物多々。売店は炭水化物の展示場。入院は9日間と長丁場。手術するのは退院予定の1日前。それまでは至って健康な状態なのに、炭水化物漬けで運動無しという、フォアグラを作るためのアヒル状態になっている。
 
病院は悪くない。栄養士も指示に従って作っているだけだ。病院食の1食あたりの予算は300円~350円。この予算では炭水化物中心にならざるを得ない。この予算の中でいろいろと工夫されているのは、出される食事を見ればわかる。
あらためて厚労省の推奨する栄養バランスを見直して欲しいと思う。タンパク質20%、脂質20%,炭水化物60%を、せめてオール3割ずつにして欲しいと思う。
医療費の削減を叫ぶくらいだったら、まずこの栄養バランスを見直して欲しい。これがないと病院食は変わらない。一時的に入院の際の食費(病院の経費)はかさむかも知れないが
 
膨満感たっぷりの胃袋に、開いた口に次々と餌を突っ込まれるアヒルの悲哀がわかりかけてきた。

検査入院3(ピーピッピッ)

午前十時頃。
窓の外からピーピッピッと笛の音が聞こえてきた。
(えっ!この笛のリズムは、もしかしたら祭りの・・・?)
昨日入院したのだが、たった一日で曜日の感覚がなくなっている。
確か今日は日曜日だ。
祭り!あり得る!

祭り好きの血がとたんに騒ぐ。
当たり前だ。こんなに元気なのに寝てなきゃならないなんて!
腕から伸びる「点滴の管」が憎らしい!

看護婦が来て、のんびりとした口調で
「お祭りのようですね。」
言下に
「違う!この時間帯だから子供神輿です。」
「大人の、本物は午後から出ます。」
入院する病院の近所には、神酒所を二カ所ほど確認していた。
お祭りが今日だとは知らなかったが、日曜日とあればそれも納得。

わー、行きたい、担ぎたーい・・・・
ソワソワする私を冷ややかな目の看護婦さん。
病院の方たちはどなたか参加しないんですか?
ますます冷ややかな目で私を見る。

「ほら」と点滴の下げている

 

検査入院2 (チマキ注文の巻き)

入院初日は病院のいろいろな部署から挨拶にやってくる。
薬の説明をされる方がやってきた。薬剤師だ。
現在服用している薬の中でストップする薬、その説明などなど。以前に聞いていたことをさほど変わらず。
「ふむふむ、あー、そうですか」
相づちとともに聞き流す。その最中にサイドテーブルがブルルと振動した。
携帯の呼び出しだ。ディスプレイを覗くと「音無美紀子」さんの表示。

一瞬でチマキ配達の注文と知れる。
説明を続ける薬剤師の方を手で制し、画面を見せながら、電話に出ますと伝える。たぶん
(なんてわがままな患者だ。ベッドで電話は禁止だろ、常識的に!)
と思われたかどうか、一礼の後カーテンの向こうに去って行かれた。

「はい、こんにちは」
「今日の明日で申し訳ないんですけど、明日チマキ配達できますか?」
素直に入院という言葉が出て来ない。それを察したか
「無理ですよねぇ。」
仕方ない。
「音無さん、実を言うと今日から入院なんです。」
「えっ?」
「点滴を引っ張って、行けないことはないんですが」
「チマキ揃えるのも・・・」
「検査入院ですか?」
「そうです。14日には退院です。その後でしたら・・・・」
「わかりました。お大事にしください。点滴引っ張る必要ありませんから。」

そりゃそうだ。そんなことするのは”志村けん”や”加藤茶”の世界だ。
入院初日から、波乱の予測。退屈はしのげそうだわい。

検査入院1

前立腺に少し異常があると言うことで、入院が決まった。
検査入院だ。手術の翌日には退院ということで、比較的軽い手術、あるいは軽い症状と言うことらしい。
ただし現在服用している薬の効果が手術には邪魔らしく、その効果が消える1週間は点滴が不可欠と言うことで9日間の入院になってしまった。
(こりゃ、たいへんだぞ。すこぶる元気状態で入院したら、時間つぶしと体力維持が。)

そして本日入院。
お店のお客様には「夏期休暇」
検査入院ぐらいで公言できるか、というのが本音です。
さあ、どうやったら入院生活が退屈しないか、ということで入院生活を綴ってみようかな。
そういうなか早速点滴のチューブをつけに、看護婦さんがやってきた。

――――――――――――――――――――――――――――――

看護婦が点滴の針を刺そうとする。しきりに二の腕の表をさすり、血管の浮き出ている部分を捜している。
ん?
ん?
見つからない。
手伝うつもりで私も腕に力を入れる。親指を中に入れた拳に力を入れる。
それでも
ん?
ん?
「針、入れちゃえば」
「大丈夫大丈夫。痛いのを数回我慢すればいいんでしょ。」
「平気平気、ブスッと突き刺して」
とこちらが看護婦さんをあおる。
けっこう年季の入った看護婦さんに見える。それでもプレッシャーを感じたようで、突き刺した針から血が出てこない。
正直(痛い・・・)
ぐっとここは我慢。看護婦さんを育てるつもりで。
看護婦さん、懸命に針の先をグリグリしながら血管を探している。
看護婦さんの懸命さがわかるだけに、グッとこちらも堪える・・・が、
グリグリの度に
「うっ、うう、」
とうめき声を止められない。
看護婦さん、申し訳なさそうに
「スミマセン、スミマセン」
結果的に交換した針は3本。
「腕が筋肉質で・・・なかなか針が血管に届かなくて・・・」
「ドンマイ、ドンマイ」
でも、ちょっとだけ、心の中で
(ヘタ!)

 

 

結婚記念日

7月1日は私たち夫婦の結婚記念日。
後楽園店で勤務する妻が、
「明日は5時で帰れるよ」
「あ、そう」
言われてから、明日が結婚記念日だったことに気がつく。
まだ若い頃、妻が私に
「結婚記念日、なんかプレゼントあるの?」
「馬鹿言ってるんじゃないよ。二人の記念日だろ?一方的なプレゼントってあるかよ。」
と言った手前、二人の何かの日になってしまった。

昨年は歌舞伎町入り口にある「鉄板べービー」という広島お好み焼きを食べに行った。
この店はお客様からフレーズをいただいて、即興劇に仕立てるという面白さを売りにしているお店だ。
マスターに
「明日、結婚記念日なんだ」
「あ、そうなんですか。奥様になんかメッセージがありますか?」
久し振りにラブレターを書いた。それをマスターにメールで送る。
―――――――――――――――
「37回目の結婚記念日。いつまでもこの記念日を続けたい。いつまでも続けられるよう、ただただ元気でいてくれ。金銭的にも時間的にも余裕がないだろうけど、時々身体を休めたり検査を受けたりしてくれ。昔みたいにガンガン引っ張っていく力は、だいぶ少なくなってきた。引っ張っていくんじゃなくて、一緒に歩く歳になってきたみたいだ。俺の夢だけを見させてきたけど、二人の夢にしていきたい。これからもよろしく。」
―――――――――――――――
当日、スタッフ三人で結婚記念日に合わせた即興劇を見せてくれた。
良くもここまで仕上げてくれた、唸らせるほど上手に仕立ててくれた。
気がつけば、隣に座っている妻が即興劇に笑いながらも顔をクシャクシャにして泣いている。
良かった、この店に頼んで。
 
一年後の7月1日にまた妻と訪れた。
今回は何のサプライズもお願いしなかったが、私たちの中で記念日に訪れたくなるお店になったのだ。
 
歌舞伎町、広島お好み焼き「鉄板べービー」
それでいてとてもリーズナブルなお店だ。

歳を取ると言うこと

数ヶ月すると私は63歳になる。
飲食店を経営する立場からすると、ブログは自身の健康問題は避けるべきテーマかと思う。
でも、直面することを思いつくまま綴っていこうと思う。
歳を取ってくると、今感じていることがほんのちょっとの時間を経過しただけで忘れてしまうことが多々あるためだ。
飲食店のブログで、見ている方の食欲をなくす事になったら、たいへん申し訳ない。
前もってお詫び致します。

最近血尿が出た。出始めの最初だけピンク色の小水だ。

60前後から身体に時々変化が訪れる。数ヶ月前にはおしっこが出ない事態が起きた。
診断は前立腺が腫れているとのこと。腫れ上がった前立腺が尿道を圧迫し、それで小水が出ない事態が起きた。
”おしっこしたい感”はあるのに『出ない』。初めての経験だった。焦った。
この時は尿道を広げる薬を処方していただいて、事なきを得た。
そのことが脳裏に過ぎり、(血尿はその関係か・・)と思う。

病院、泌尿器科に行く。
心電図や音波を下腹部に当てられ、その画像を見ながら先生の診断を聞く。
そして説明途中、傍らにあるベッドを指し、担当の女医さんが
「横向きに寝て下さい。」
「ちょっと不愉快な気分になりますけど、すぐ終わりますから我慢して下さいね。」
むき出しになったお尻に、いきなりの突入!?※◆〇▲!!
先生の指による肛門から前立腺にむけての触診だ。
一瞬「犯された!」と思った。
・・・・・・・・・・・・・
事が終わり、先生が口開く。
「堅い部分がありますね」
「血尿は最初のころだけなので、たぶん前立腺が尿道に圧迫されての血尿ですね。」
「腫れている部分と尿道が圧迫して、その境目にある毛細血管が切れた状態ですね。」
女医さんは簡単な図を書きながら説明される。
「ただPSAという数値が高いんです。これは癌が発生した時に増える数値です。」
「通常は5前後です。これが5倍近い数値が出ています。」
MRI検査の日程を打ち合わせて、本日の診察は終了。
 
優先的に診察を泌尿科の先生へ依頼してくれた主治医に、顛末とお礼のメールを送った。
間をおかずに電話での返事がくる。
「心配要りませんから、良性ですから。何にも心配・・・・」
「先生、大丈夫ですよ。何も心配してません。(寿命は)遅いか早いかでやってくる問題ですから。」
「いやいや・・・ホント大丈夫ですから!」
 
逆に気を遣わせちゃったかな?
先生、ありがとうございました。
さあ、明日は午後からMRI検査。何かあったら、またお願いします。

新入社員16歳

四月一日から新入社員がくる。
なんと中学卒だ。
最初はお母さんと来た。あどけない顔をしている。
何で高校行かないの?と聞くと、勉強が嫌いだという。
ま、勉強の好きな奴はそうはいないけど。
続くかどうかわからないけど、今は会社としても若い力が欲しい。
ちょっと若すぎる気もするけれど・・・・・

今日あらためて履歴書持参で来店した。
彼ははにかみながらも、私に伝えたいことはきちんと話す。
顔もこの年頃に良くある突っ張った表情も見せていない。
(私が同じ頃はきっとやくざみたいだったに違いない)

給料や勤務時間などを伝えたうえで、三ヶ月は試用期間と伝えた。
素直な顔だった。育ててみたいと思った。
帰った後、彼に手紙を書いた。
―――――――――――――――

ようこそ『新入社員』幹大くん

入社おめでとう。
これから先いろんな事があると思うけど、その事の数だけ
悩んで欲しい、
失敗して欲しい、
失敗を畏れずに進んで欲しい。
10個の失敗を繰り返して1個の成功があると思って欲しい。
その都度幹大くんの周りは心配し、怒り、文句を言ったりするだろうけど、幹大くんのことが気になるから、心配するし、怒り、文句を言うんだと理解して欲しい。
例えば犬やネコが同じようなミスをしても瞬間的に怒っても、”言っても無駄”だから何も言わない。幹大くんへの心配や怒りは、幹大くんが失敗で何かを掴むだろうという期待の裏返しだと思って欲しい。

幹大くんへお願いがあります。
出社するまでに1週間ほど時間が有ります。その一週間で考えて欲しいことがあります。

目標をたててください。
今16歳。
例えば、
「30歳でお店を持つぞ!」
そのために「お店を出すために資金を300万円貯めるぞ!」
30歳までは14年間。一年間に貯めるお金は214200円。一ヶ月で17850円の貯金です。
銀行通帳を作って毎月毎月貯めて欲しい。
お店を実際に出すには300万円で足りないかも知れません。足りない分は銀行などの金融機関で借ります。その時に銀行に毎月貯めている通帳を見せてください。必ず銀行はお金を貸してくれます。
幹大くんのことを銀行は”お金を管理できる人”と判断するからです。

「30歳でお店を持つぞ!」
お店を持つために25歳には店長になるぞ。
お店を持つために20歳ではせめて副調理長になるぞ。
お店を持つために一年後は自分の包丁を買うぞ。
お店を持つために一週間に一つの料理を作れるようになろう。
一週間に一つ覚えれば、1年で50個の料理を覚えられる。

300万円も、包丁も、50個の料理も、例えばの目標です。
こんな感じで、幹大くんが考えた目標を立てて欲しい。
目標を立てても人生の中ではけっして自分の思い通りになりません。でも目標があるのと無いとでは大きな違いが出てきます。
目標があると言うことは、遠くても目標が見えている状態です。走る方角がわかっている状態です。最初は転んでばかりいた道も慣れてくると走れるようになります。グングンスピードがついてきます。

幹大くんの目標を立てて下さい。
20歳になった時の幹大くんを想像して下さい。
30歳になった時の幹大くんを想像して下さい。
どんな幹大くんになっていますか?

その間には彼女ができるかも知れません。
結婚というゴール、家庭を持つというゴール。
その都度迷ったり悩んだりすることもあります。
一人で悩んでいたことが、二人で悩むようになります。
一人で解決できなかったことが、二人で解決できるようになります。
悲しいことや辛いことは二分の一になります。
楽しいことや嬉しいことは二倍になります。
その時々に新しい目標を設定して下さい。

幹大くんにとて、この会社で良かったと思える時は、会社にとっても幹大くんが来てくれて良かったと思える時です。

社長

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この職場続くと良いな・・・・